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Morgan Plus 8 GTR
2021年中に限定9台のうち数台が完成
印象的なヤス・マリーナ・ブルーで仕上げられた最初の「モーガン プラス エイト GTR」は、2021年2月の発表時に公開されたオリジナルデザインスケッチ(1990年代のプラス8の著名なレースカー「ビッグ・ブルー」へのオマージュ)を彷彿とさせた仕様で仕上げられた。プラス 8 GTRプロジェクトは、プラス8のローリングシャシーが入手可能になったことで実現、わずか9台のみが限定生産される。
残りの8台もすべて生産中であり、2021年内に数台が完成して2022年の第1四半期に残りの車両が製造される。それぞれのカスタマーはデザインチームと密接に協力しながら、モーガンのパーソナライゼーションを介して自分だけのオリジナル仕様をオーダー。9台それぞれが、カスタマーの希望に応じてトランスミッションや様々な装備の構成を変えて製造され、8台のうち5台が英国外へと輸出される。
パワーユニットはBMW製4.8リッターV型8気筒自然吸気エンジンを搭載。専用チューンが施されたことでスロットルレスポンスが大幅に向上し、最高出力はベースの362bhpからパワーアップしてモーガン史上最強のスペックが与えられた。ギヤボックスはモーガン製6速マニュアルトランスミッションか、ZF製6速オートマチックトランスミッションから選択可能だ。
1990年代に活躍した「ビッグ・ブルー」をイメージ
デザインのインスピレーションとなったのは、1990年代後半にGTシリーズに参戦していた「プラス エイト 」のレース仕様。その鮮やかなブルーのボディカラーから「ビッグ・ブルー(Big Blue)」の愛称で親しまれていた。
エクステリアには、ハイショルダーラインなどの新たなデザインテーマを採用。リヤセクション、フロントウイング、フロントスプリッターのデザインも見直され、さらに専用ハードトップを装着。専用形状が与えられたホイールアーチ内には、1990年代のプラス エイト レーシングカーを彷彿とさせる5スポーク・センターロックホイールが装着された。
モーガン・モーター・カンパニーのスティーブ・モリス会長兼CEOは、モーガン プラス エイト GTRについて次のようにコメントする。
「2021年初頭に発表したデザインスケッチに続き、プラス エイト GTRの最初の1台を公開できることに興奮しています。モーガンにとってプラス エイト GTRは、2018年にリリースしたプラス エイトとエアロ エイト以来となるV8エンジン搭載モデルとなります」
「印象的なデザイン、最高のクラフトマンシップ、そして爽快なドライブフィールを備えたプラス エイト GTRは、モーガンのV8モデルの完成形とも言えます。私たちはデザインと製造の過程で世界中のお客様と一緒に仕事ができたことを嬉しく思っています。今後数ヵ月の間に最終的な車両をお届けできることを楽しみにしています」
レーシーな雰囲気が与えられたコクピット
インテリアでは、高さのあるドアトップに合わせた新形状のドアカード、特注のGTR専用ダイヤルを採用。さらにカーボンファイバー製レーシングシートとハーネスがオプションで用意されている。コクピットの各部にはにユニークなグラフィックが施されており、9台すべてに製造番号を示すプレートが取り付けられた。
今回の「プラス エイト GTR」プロジェクトが実現したのは、製造終了後にもかかわらず社外に存在していたプラス エイトのローリングシャシーが発見されたことに端を発している。足まわりなどが装着された状態のシャシーは、すべて2018年以前にモーガンによって製造された個体で、とある理由から実際に使用されずに保管されていたという。
すべてのシャシーが再整備され、現在の基準に合わせてアップグレードが施された。 それぞれのプラス エイト GTRは、ローリングシャシーの状態から伝統的なコーチビルディング技術を用いてハンドメイドで製造。開発に関してはピッカーズリーロード・ファクトリー近郊にある、モーガン・デザイン・アンド・エンジニアリング・センター(M-DEC)で行われている。