SUBARU、システム最高出力1000ps超のハイパーEVマシンを発表

目指すはニュル6分40秒! SUBARU がフルEVのSTIレーサーコンセプトを初公開 【東京オートサロン2020】

SUBARU STI E-RA CONCEPTのフロントスタイル
SUBARUとスバルテクニカインターナショナルは、「東京オートサロン2022」にて4モーター搭載のEVレーサー「STI-E-RA CONCEPT」を世界初公開。
SUBARU、及び同社のモータースポーツ統括会社であるスバルテクニカインターナショナルは、「東京オートサロン2022」(2022年1月14日〜16日開催)でBEVのレーシングマシンコンセプト「STI E-RA CONCEPT」を初公開した。

SUBARU STI E-RA CONCEPT

SUBARU×STIが放つ4モーターEVマシン

SUBARU STI E-RA CONCEPTのリヤスタイル
SUBARUとスバルテクニカインターナショナルが2021年1月14日に「東京オートサロン2022」で世界初公開した「STI-E-RA CONCEPT」。4モーターを搭載したEVレーサーのスタディモデルは、1000ps超のシステム出力を標榜する。

「東京オートサロン2022」のSUBARUブースでひときわのオーラを放ち、通り過ぎる人々の足を止めさせていたのが「STI E-RA CONCEPT」。SUBARUのモータースポーツ部門であるスバルテクニカインターナショナルが開発を進めるフルEVのレーシングカーコンセプトである。

4基のモーターを搭載する「STI E-RA CONCEPT」は、システム最高1088ps(800kW)を標榜。2023年以降にニュルブルクリンクを6分40秒でラップすることを最初の目標に掲げている。ちなみに現時点(2022年1月)でのプロトタイプ部門におけるニュル最速ラップは2018年6月29日にポルシェ 919 ハイブリッド Evoが5分19秒546を記録。フルEVレーサーに限れば2019年6月3日のフォルクスワーゲン ID.Rが6分05秒336を叩き出している。

4輪を独立制御するトルクベクタリングシステムを搭載

SUBARU STI E-RA CONCEPTのサイドビュー
4輪を個別に電子制御する独自のトルクベクタリングシステムを搭載。1088psを発揮する電動モーターはヤマハ製を採用する。

「STI E-RA CONCEPT」は、ヤマハ発動機製のモーターを搭載。ハイパーEV向けのギヤ、インバーター一体式大トルク高回転タイプを採用し、60kWhのリチウムイオンバッテリーと組み合わせる。

シャシー制御には独自のトルクベクタリングシステムを導入し、荷重移動に伴う最適な駆動トルクを4輪それぞれに独立して分配する。車輪速、車速、舵角、G、ヨーレート、ブレーキ圧、輪荷重といった各種センサーからの信号をリアルタイムで計算し、理想的なスタビリティを確保するべく各輪の駆動制御トルクを決めてインバーターへ指示を出すという。

カーボンニュートラル時代に向けたSTIの挑戦

SUABRU ソルテラのフロントスタイル
SUBARUブースでは、2021年11月11日にワールドプレミアしたSUBARU初のグローバル展開BEVモデル「SOLTERRA(ソルテラ)」のSTIコンセプトも展示。

スバルテクニカインターナショナルはやがて来るカーボンニュートラル時代に向けて、エンジニアがモータースポーツの世界で新技術の経験と修練を積むことを目的としたSTI近未来モータースポーツ・スタディ・プロジェクト「STI E-RA CHALLENGE PROJECT」を立ち上げている。ちなみに「E-RA」は「Electric Record Attempt」の頭文字であり、STIのDNAである“記録への挑戦”にオマージュを込めて命名したものだという。

FIAは2021年4月にGT3のEVバージョンといえる「電動GTカテゴリー」の創設を発表している。フォーミュラE以外にも電動化マシンを主役に据えるレースは今後増えていくはずで、とりわけ人気の高いGTクラスで“エレクトリックバトル”がスタートすれば人気が加速する可能性がある。

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著者プロフィール

三代やよい 近影

三代やよい

東京生まれ。青山学院女子短期大学英米文学科卒業後、自動車メーカー広報部勤務。編集プロダクション…