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Aston Martin Vantage GT3
4台のヴァンテージ GT3が参戦
北米で最も規模の大きい耐久レースシリーズIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕戦は、今年も伝統のデイトナ24時間レース。アストンマーティン・レーシングは、このクラシックレースにIMSAにおけるパートナーチームのハート・オブ・レーシング、ノースウェストAMR、マグナス・レーシングを通じ4台のヴァンテージ GT3で参戦した。
GTDクラスは激しいバトルが展開され、アストンマーティン勢最上位を獲得したのはジョン・ポッター、アンディ・ラリー、スペンサー・パンペリーの3人に、アストンマーティン・レーシングのワークスドライバーで、ル・マン24時間クラス優勝2回を誇るジョニー・アダムがドライブしたマグナス・レーシングのヴァンテージ GT3だった。
トラブルから大きく遅れながらも2位でフィニッシュ
マグナス・レーシングの44号車はスタートから着実にトップ10をキープ。しかし、5時間を過ぎた段階で、トラブルによる予定外のピットストップとタイムペナルティがあり、トップから2周も遅れてしまう。
それでもレース終盤、スマートなレース戦略、優れたピットストップが相まって、14時間め経過時点ではGTDクラスのトップ争いに復帰。その後、16時間めにはル・マン・シケインでプロトタイプ車両にヒットされてバリアに接触しながら、トップ圏内での走行を続けた。さらにフルコースイエローが出されたことにより、それまでのギャップはリセット。フィニッシュまでの30分間はスプリントレースさながらの緊迫感のある展開となり、最終スティントを任されたアンディ・ラリーがトップから12秒差の2位に入った。
24時間をヴァンテージ GT3で走り切ったジョニー・アダムは、次のようにタフなレースを振り返った。
「このIMSAシリーズの盛大な開幕戦で、マグナス・レーシングにとって素晴らしい結果を残すことができました。厳しいレースでしたが、アストンマーティンがデイトナで初めて表彰台に立ち、そのドライバーのひとりとなれたことは、大きな意味があります」
「アストンマーティン ヴァンテージ GT3は、週末を通じて強力なパッケージを提供し、レースでは素晴らしい競争力を発揮してくれました。チームのみんな、そして尊敬すべきジョン、スペンサー、アンディに感謝しなければなりません。マグナス・レーシングとの新しいパートナープログラムにとって、完璧なスタートとなりました」
2台が出走したハート・オブ・レーシング
GTDクラスにエントリーしたハート・オブ・レーシングの27号車、イアン・ジェームス、ダレン・ターナー、ロマン・デ・アンジェリス、トム・ギャンブルは、レース前半にテクニカルトラブルに見舞われながらも終盤挽回して9位。GTD Proクラスに参戦した23号車のロス・ガン、アレックス・リベラス、マキシム・マルタンは、日没前にクラッシュしてリタイアとなった。
マグナス・レーシングは、IMSAシリーズの長距離耐久イベント、セブリング12時間、ワトキンス・グレン6時間、ロード・アトランタで開催されるプチ・ル・マンに出場する予定。一方、ハート・オブ・レーシングは2台のヴァンテージ GT3でフルシーズンを戦う予定だ。アストンマーティン・レーシングのカスタマー部門代表を務めるヒュー・タスカーは、デイトナ24時間を終えて次のようにコメントした。
「デイトナにおいて、アストンマーティンが表彰台に上るまであまりにも長い間待たなければなりませんでした。マグナス・レーシングは米国における耐久シリーズの豊富な経験を持つチームです。彼らはここで何をすべきか知っています。彼らが2022年にヴァンテージ GT3で参戦することが決まったのは、アストンマーティンへの評価が高まっていることと、GT3プログラム全体が成功していることの証左と言えるでしょう」
「今回のレースにおけるマグナス・レーシングの競争力の高さは、アストンマーティンが世界最高峰の耐久レースで優勝を争えることを示すことになりました。2022年シーズン、彼らと共に仕事ができることを楽しみにしています。また、ハート・オブ・レーシングは、高い競争力を持つGTD Proクラスでは優勝候補に挙げられています。3月のセブリング12時間レースでは表彰台を争う姿を期待しています」