スマホがあればカメラはいらない、という人に勧めたいガジェット

その時に感じた空気を気軽に切り取る「RICOH GR III」【COOL GADGETS Vol.3】

外形寸法は109.4(幅)×61.9(高)×33.2(厚)mmと手のひらにすっぽり収まるほどのコンパクトなサイズ。この絶妙なサイズ感がGR IIIの白眉だ。
外形寸法は109.4(幅)×61.9(高)×33.2(厚)mmと手のひらにすっぽり収まるほどのコンパクトなサイズ。この絶妙なサイズ感がGR IIIの白眉だ。
ひたすらに“基本”を磨き込んだ速写性が極めて高いコンパクトカメラ。スマホ+1台ならこれ以外にない。絶対的な価格は高いと感じるだろうが、オンリーワンの魅力は価格を超えている。(GENROQ 2019年12月号より転載)

“記憶”を遺せるカメラ

3.0型TFTカラーLCDは視認性に優れている。液晶モニターでAFを合わせたい場所をタッチするだけで、被写体に合焦するタッチAFは便利極まりない機能のひとつだ。
3.0型TFTカラーLCDは視認性に優れている。液晶モニターでAFを合わせたい場所をタッチするだけで、被写体に合焦するタッチAFは便利極まりない機能のひとつだ。

GR IIIは僕にとって唯一無二、特別な存在のカメラだ。肌身離さず、毎日持ち歩きたい。いつでも手の届く場所に置いておきたい。写真を撮るだけならスマートフォンがあるじゃないかって? 確かに今時のスマートフォンは、こちらの心を読んでいるかのように“綺麗に見える”写真を撮影させてくれる。そう“させてくれる”。スマートフォンは、日常を記録する上でこれ以上ない道具に違いない。しかし、僕が遺したいのは記録ではなく“記憶”。そのとき、全身で感じた感覚を1枚の写真としてプリザーブしたい。気の利いたスマートフォンが記録してくれた美しい思い出ではなく、五感で感じるすべてを1枚の写真として表現し遺したい。

ちょうどいいサイズ感

「スマートフォン以外に“写真撮影の道具を持ち歩く理由”はあるのか?」

ある。だから僕はGR IIIを使う。レンズ交換式カメラ並みAPS-Cサイズの大型CMOSセンサーは2240万画素。F2.8の35mmフィルム換算で28mm相当となる単焦点レンズは、開放F値からシャープな描写だ。レンズ前3cmまで寄れる設計はワイドマクロでの大胆な表現では、大型のセンサーとともに美しいボケ味まで楽しめる。記録を目的とするなら、単焦点レンズは時に不便なものだが、記憶を遺すにはちょうどいい、そのとき感じる空間全体を包み込む画角だ。画素数こそ減るものの、35mm相当、50mm相当にクロップ(切り抜き)モードも備える。

フィルムをシミュレートするかのようなピクチャーモードに、カスタマイズで変化を加えられる“ルック”を登録しておけば、その時々のシーンに応じたより積極的な表現にも対応できる。お気に入りは「ハードモノトーン」をベースに、諧調と色調を調整。四隅に口径食を少しだけ加えた、僕だけのカスタムモードだ。自分だけのレシピを2つのカスタム設定にしておけば、レリーズするだけで自分だけの表現を盛り込める。

もちろん、絵作りだけじゃない。片手で握ったホールド感の良さを確かめながら、2つのダイヤルとシンプルなプッシュレバーで撮影パラメーターへとダイレクトにアクセスできる。そして何よりGR IIIを特別なものにしてるのが、手にすっぽりおさまるサイズ感とポケットに入る薄さ、持ち歩くことを躊躇させない軽さ、それに存在感の希薄さ。旅先の何気ない風景や被写体を威圧しない佇まいが、このカメラの価値でもある。こればかりは、どんな高画質な一眼カメラでも敵わない。

スマホじゃ足らない理由

コンパクトボディを実現しつつ、手ぶれ補正機構(3軸・4段)を搭載することに成功した。さっと取り出し、スナップ撮影を行う使用シーンが多いので、とてもありがたい。
コンパクトボディを実現しつつ、手ぶれ補正機構(3軸・4段)を搭載することに成功した。さっと取り出し、スナップ撮影を行う使用シーンが多いので、とてもありがたい。

週末の待ち合わせ、早めにバーに到着すると、まだ誰もいない店内での忙しなく準備する様子を遺したくなった。GR IIIのストラップを手首に通し、市街を軽くランニング。朝靄の街を写真に収めながら、その日の行動を決めることが、初めての街、初めての朝での定番になった。今、このときを遺したい。そう思った時、いつでもレリーズすれば、最高の状態で瞬間を捉えてくれる。レリーズしたい瞬間には、自分自身で操れるカメラを手元に置いておきたい。GR IIIがもたらしてくれるのは、そんな他では換えられない唯一無二の世界観だ。だから僕は、スマートフォンに加えてもう1台。GR IIIを持ち歩く。

REPORT/本田雅一(Masakazu HONDA)
PHOTO/中島仁菜(Nina NAKAJIMA)
MAGAZINE/GENROQ 2019年 12月号

評価

コストパフォーマンス:4
革新性:3
使い勝手:4
デザイン:4
画質:5

PRICE

12万3750円(税込)

【問い合わせ】
リコーイメージングお客様相談センター
TEL 0570-001313

【関連ウェブサイト】
http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/

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著者プロフィール

本田 雅一 近影

本田 雅一

テクノロジージャーナリスト、オーディオ&ビジュアル評論家。ガジェットはもちろん、ITやクルマにも精通…