ポルシェがロサンゼルスで「911 ダカール」をワールドプレミア

オフロード走行可能な「ポルシェ 911 ダカール」が2500台限定で登場【動画】

「ラリーデザインパッケージ」を装着したポルシェ 911 ダカール。
911をベースにライドハイトを上げて、オフロード走行を可能にした「911 ダカール」が2500台限定で製造される。
ポルシェはロサンゼルス・オートショーにおいて、舗装路に加えて、オフロードにおける高い走行性能も併せ持った新型「ポルシェ 911 ダカール」を発表。ポルシェジャパンは911 ダカールの予約受注を11月17日(木)から、日本全国のポルシェ正規販売店にて開始した。

Porsche 911 Dakar

1984年のダカール優勝を記念した限定モデル

「ラリーデザインパッケージ」を装着したポルシェ 911 ダカール。
ポルシェは、パリ・ダカールラリー優勝車両をイメージした、オフロード仕様として「911 ダカール」を開発。専用の足まわりにより、50mmも車高がアップした。

ポルシェは、現在開催中のロサンゼルス・モーターショーにおいて、新型「911 ダカール」ワールドプレミアした。2500台限定製造されるスペシャルモデルは、911が持つ無限大の可能性を示すとともに、1984年パリ・ダカールラリーにおけるポルシェ初の総合優勝をイメージして開発された。

このダカールでの優勝車両は911初の4輪駆動モデルだった。これを受けて、911 ダカールには、優勝車を彷彿とさせる「ラリーデザインパッケージ」がオプションで用意されている。911 ダカールで最も目を引くディテールは、911 カレラのスポーツサスペンション仕様車を50mmも上回る車高だろう。さらに標準装備のリフトシステムによって、さらに30mm車高を上げることが可能となっている。

この車高は、従来のSUVにも匹敵。リフトシステムは単に低速走行時に障害物を乗り越えるために設計されただけではなく、再チューニングされたサスペンションに一体化されている。170km/h以下の速度域においては「ハイレベル」設定とすることで、気軽にオフロードアドベンチャーを楽しむことができる。速度が170km/hを超えると、車高は自動的に通常の位置まで戻される。

ピレリ製オールテレイン・タイヤを装着

「ラリーデザインパッケージ」を装着したポルシェ 911 ダカール。
ピレリは、オフロード走行に特化した専用のオールテレインタイヤを開発。フロントに19インチ、リヤに20インチが装着される。

スポーティーなオフロード走行に適合するよう、タイヤは専用開発されたピレリの「Scorpion All Terrain Plusタイヤ(フロント245/45ZR19、リヤ295/40ZR20)」を装着。トレッドパターンは9mmの深さを持ち、補強されたサイドウォールとスレッドは2層のカーカスプライで構成されている。

この専用タイヤは高い耐カット性を備え、難易度の高い地形にも理想的な性能が確保された。また、サマータイヤとウインタータイヤにも、2層のカーカスプライを備えた仕様をオプションで用意。標準装備のオールテレイン(全地形対応)タイヤは、公道でもスポーツカーのような走行性能が可能となっている。

専用開発されたふたつのドライブモード

「ラリーデザインパッケージ」を装着したポルシェ 911 ダカール。
3.0リッター水平対向6気筒ツインターボエンジンは、最高出力480PS(353kW)、最大トルク570Nmを発揮。新たに「ラリーモード」と「オフロードモード」の専用ドライビングモードが導入されている。

3.0リッター水平対向6気筒ツインターボエンジンは、最高出力480PS(353kW)、最大トルク570Nmを発揮。優れたパフォーマンスと、魅力的なボクサーサウンドを実現した。0-100km/h加速は3.4秒を誇るが、最高速度はオールテレインタイヤを装着しているため、240km/hに制限されている。

8速PDKとポルシェ4WDシステムが採用され、リヤアクスルステアリング、911 GT3から採用されたエンジンマウント、PDCCアンチロールスタビリティシステムを標準装備。すべてのコンポーネントの相互作用により、砂地やグラベル路面でも、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェと同じようにダイナミックに走行することができる。

ステアリングホイールのロータリースイッチによって選択可能な、ふたつの新しいドライビングモードは、オフロード性能を最大化。「ラリーモード」は起伏のあるグラベル路面に最適なドライビングモードとなり、リヤ重視の4WDシステムが特徴となる。

「オフロードモード」を選択すると、車高が自動的に上昇。このモードでは、難易度の高い地形や砂地でトラクションを最大限に引き出すことが可能になる。また、両方のドライビングモードでは、新たに導入された「ラリーローンチコントロール」を使用することもできる。このシステムは、約20%のホイール空転を許容し、トラクションの低い路面において、抜群の加速を可能にした。

ルーフバスケットとルーフテントの装着が可能

ポルシェ 911 ダカールのエクステリア。
オフロード用車両にぴったりのオプションとして、42kgの耐荷重を備えた「ルーフバスケット」や、「ルーフテント」を装着することができる。

911 ダカールは、新開発のCFRP製「固定式軽量リヤスポイラー」と、911 GT3から採用されたエアアウトレット付「CFRP製フロントラゲッジコンパートメントリッド」も装着。さらに、フロントとリヤにはレッドカラーのアルミニウム製けん引バー、ワイド化されたホイールウェルとシル、フロント/リヤ/サイドシルのステンレススチール製保護エレメントなど、オフロードモデルらしいディテールも標準装備される。

再設計されたフロントセクションのサイドエアインテークは、ステンレススチール製グリルによって飛石から保護。ルーフにはオプションとして「ルーフバスケット」も装着することができる。

42kgの耐荷重を備えたこのキャリアには、燃料や水筒、折りたたみ式シャベル、トラクションボードなどのラリー装備を積載することが可能となっている(ルーフバスケットに装着されたライトの一般公道での使用は禁止されている)。911 ダカールには「テクイップメント」として、ルーフテントも用意された。

リヤシートが取り除かれた2シーター仕様

ポルシェ 911 ダカールのインテリア。
ダカール・ラリーを走行するコンペティション車両のように、リヤシートをが取り外された2シーター仕様となる。

インテリアにはフルバケットシートを標準装備。リヤシートは取り除かれており、ダカールラリーを走るコンペティション仕様のような趣を持っている。

911 ダカールのインテリアには、シェイドグリーンのデコレーティブステッチを施した標準装備の「Race-Texトリム」をチョイス。軽量ガラスと軽量バッテリーによる軽量化によって、車両重量は911 カレラ4 GTS(PDK仕様)よりわずかに10kg重い、1605kgに抑えられた。また、エクステリアのメタリック仕上げも911 ダカール専用となる。

1984年優勝車両をイメージした「ラリーデザインパッケージ」

ポルシェ 911 ダカールと、ポルシェ 953。
1984年のパリ・ダカールラリーにおいて、911をベースに4WD化された953をドライブしたレネ・メッジが総合優勝。この時のロスマンズ・カラーをイメージした「ラリーデザインパッケージ」も用意された。

オプションの「ラリーデザインパッケージ」は、当時のロスマンズ・カラーを思わせるホワイト/ジェンシャンブルーメタリックのツートンカラー仕上げとなる。標準モデルのツートンカラーペイントと、ラッピングの組み合わせは、ポルシェとしては初の試みとなる。

ボディサイドには、1から999までのレースナンバーを選択することが可能。1984年パリ・ダカールラリーの優勝車の外観を再現しており、レッドとゴールドのデコレーティブストライプに加えて、ドアに「Roughroads」ロゴがあしらわれる。このロゴは登録商標となっている。

「ラリーデザインパッケージ」の価格は433万7000円。さらにロールケージや6点式シートベルトを備えた「ラリースポーツパッケージ」もオプションで選択することができる。

車両本体価格(税込)

911 ダカール(8速PDK):3099万円

【問い合わせ】
ポルシェコンタクト
TEL0120-846-911

【関連リンク】
・ポルシェジャパン公式サイト

ポルシェ 911 ダカールを動画でチェック!

718ケイマンGT4よりも14cmワイドな718 ケイマン GT4 eパフォーマンス。フロントとリヤアクスルに永久磁石同期型モーターを2基搭載するAWDレーシングカーである。

1000PS超の電動レーシングポルシェ「GT4 eパフォーマンス」に同乗試乗「色々と破天荒なのと感電注意」

ポルシェの最新電動レーシングカー「718 ケイマン GT4 eパフォーマンス」に同乗試乗した…

キーワードで検索する

著者プロフィール

GENROQweb編集部 近影

GENROQweb編集部