チェコのプラガが700PSのハイパーカー「ボヘマ」を2023年から製造

R35 GT-Rのエンジンを搭載する「プラガ ボヘマ」は最高出力700PSを誇るハイパーカー【動画】

公道走行可能なプロトタイプレーシングカー「プラガ ボヘマ」の走行シーン。
公道走行可能なプロトタイプレーシングカー「プラガ ボヘマ」の走行シーン。
2022年11月23日、115年の歴史を持つチェコの古豪「プラガ・カーズ(Praga Cars)」が、完全自社開発した新型ハイパーカー「ボヘマ(Bohema)」をワールドプレミアした。

Praga Bohema

ロマン・グロージャンが開発に参加

プラガ ボヘマの開発・テストには、F1やインディカーへの参戦経験を持つロマン・グロージャンが参加している。
プラガ ボヘマの開発・テストには、F1やインディカーへの参戦経験を持つロマン・グロージャンが参加している。

プラガ・カーズは、プロトタイプレーシングカーの性能を持った公道走行可能なハイパーカー「ボヘマ」を完全新規開発した。車両重量982kgを目標に徹底的な軽量化が図られ、最高出力700PSを発揮する日産製3.8リッターV型6気筒ツインターボをリヤミッドに搭載する。

価格は128万ユーロ/110万ポンドからとなっており、89台を限定製造。プラガ・カーズUKは、ボヘマの販売・サポート拠点として、2023年に英国に新たなグローバルブランドセンターをオープンする。

ボヘマの開発にはスイス出身の元F1ドライバー、ロマン・グロージャンが参加しており、あらためてその高いパフォーマンスを絶賛した。

「ボヘマをドライブすれば、誰もがサーキットでの素晴らしいパフォーマンスと、公道での扱いやすさ、そしてどちらの状況に対しても、切り替えのしやすさに驚かされるでしょう。プラガは、ボヘマの開発において私のリクエストのすべてを実現してくれました」

「一般公道ではちょっとした凹凸を自然にクリアしてくれますし、助手席のパッセンジャーとおしゃべりも楽しめます。でも、ちょっと踏み込めば、サーキットにいるような感覚を得ることができます。同じクルマなのにフィーリングが一変し、驚異的なラップタイムを刻み、強烈なパフォーマンスを堪能することができるのです。まだ、発売までセッティングの微調整に数ヵ月が残されているのですから、さらに進化することは間違いありません」

日産GT-R R35由来の3.8リッターV6を搭載

公道走行可能なプロトタイプレーシングカー「プラガ ボヘマ」のエクステリア。
リヤミッドに搭載されるのは、日産GT-R R35由来の3.8リッターV型6気筒ツインターボを搭載。現時点で最高出力700PS・最大トルク725Nmというスペックが与えられた。

チェコを拠点とするプラガは、世界中のサーキットを舞台に活躍を続けてきた。その経験を活かし、完全新規設計の公道走行可能なハイパーカー「ボヘマ」の開発を決定。軽量化、カーボンファイバー、ガソリンエンジンという、プラガを構成する3つの基本原則に基づいて設計され、高性能で少量生産、そして美しいエクステリアを持つハイパーカーが完成した。

1000kgを切る車両重量を実現したミッドエンジン2シーターは、ナンバー付き車両にも関わらず、サーキットにおいては、GT3レーシングカーを凌駕するラップタイムを叩き出すことが可能。また、快適性と実用性も追求されており、ちょっとしたロードトリップをこなすユーティリティ性能も確保されている。

カーボンファイバー製モノコックと、サーキット走行を想定したアジャスタブル・サスペンションに加えて、わずか982kgという超軽量化を実現。日産GT-R R35由来の3.8リッターV型6気筒ツインターボ「PL38DETT」エンジンを搭載したことで、高い信頼性と整備のしやすさも確保された。

最高出力700PS、最大トルク725Nmという強大なスペックを誇り、ヒューランド製セミATを介してリヤを駆動。今回発表されたスペックはあくまでも暫定値であり、今後は1000PSを見据えて、さらなるパフォーマンスアップの可能性も秘めているという。

エレガントさと機能美を両立したエクステリア

公道走行可能なプロトタイプレーシングカー「プラガ ボヘマ」の走行シーン。
風洞施設で最適化されたエアロダイナミクスにより、250km/hでの走行時に900kg超というダウンフォースレベルを確保。同時にエレガントで美しいエクステリも実現した。

ボヘマは、プラガが誇る少数精鋭のエンジニアとデザイナーによって開発。F1チームが使用する風洞実験施設によって、その高次元のエアロダイナミクスが完成した。プラガ製レーシングカーを起源に持つカーボンファイバー製モノコックを採用し、最高速度は300km/h。ボディ各部に配置された大型エアロパーツにより、250km/hでの走行時、900kgを超えるダウンフォースを発揮する。

レーシングカーを思わせるエアロダイナミクスを採用しながらも、同時にエレガントで魅力的なアピアランスも追求された。そのフォルムは機能美をたたえ、エレガントさをも感じさせるフォルムに仕上がげられている。さらにドアヒンジ、リヤビューカメラを内蔵した牽引フックなどは、プラガのディテールへのこだわりが反映されている。

軽量化が追求されたレーシーなコクピット

公道走行可能なプロトタイプレーシングカー「プラガ ボヘマ」のインテリア。
2メートルの大人ふたりが着座可能なコクピットは、カーボンファイバーやチタン製パーツをふんだんに使用することで、わずか34kgという重量に収められた。

インテリアは人間工学に基づきながら、独創的なデザインを採用。エアロダイナミクスを追求したことで、コクピットは広くないが、身長2mの大人二人が座った状態で、ステアリングやペダルを調整することが可能となっている。さらに、ちょっとした旅行にも対応するラゲッジスペース、エアコンディショナー、リヤビューカメラなど、便利な装備も標準搭載された。

1トン以下という軽量化へのこだわりは、コックピットにも表れている。56個のカーボンファイバ製パーツと高品質アルカンターラ、リアルレザーが組み合わせられたインテリアは、わずか34kgという重量に収められているという。これはカーボンファイバー以外にも、マグネシウムやチタニウムを多用したことも寄与している。

今後、ボヘマは英国、ヨーロッパ、中東、そしてホームサーキットの「スロバキア・リンク」で最終的なテストプログラムを計画。2023年後半から、チェコ共和国のプラガ本社ファクトリーにおいて生産をスタートする。初年度の生産予定台数はわずか10台となっており、その後4年にわたって年間約20台がハンドメイドで製造される。

プラガ・ボヘマを動画でチェック!

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…