アウディの最新BEVは売れ筋のコンパクトSUV「Q4 スポーツバック e-tron」

アウディ期待のコンパクトSUV「Q4 e-tron」は4年後BEVの普及を加速させるか?

一充電走行距離はアウディのEVとして最長の576km(WLTCモード)を誇るQ4 スポーツバック e-tron。
一充電走行距離はアウディのEVとして最長の576km(WLTCモード)を誇るQ4 スポーツバック e-tron。
着実にラインナップの電動化を進めるアウディから最新BEVとして「Q4 e-tron」が登場した。販売台数が見込める人気のコンパクトSUVセグメントに投入される意欲作の実力とは?

Audi Q4 Sportback e-tron

アウディBEVは現在8モデル

今回試乗したQ4スポーツバックe-tron。車名のスポーツバックが表すように、ベースのQ4 e-tronとはリヤの形状が異なる。

アブダビで開催されたアウディ初の量産EVであるe-tronの国際試乗会で、砂漠に敷かれた道路を無音で爆走したのは2018年のちょうど今頃だった。そのパフォーマンスに度肝を抜かれたが、こんな未来的な乗り物が当たり前の時代が到来するとは、正直思えず、こういうのもあったねと言うことになるのだろうと考えていた。あれから4年。e-tronは依然販売されており、国内外の各自動車メーカーがさまざまなEVを販売している。数年先を予測するのも難しい時代だ。

アウディは2033年以降、全モデルをEVとする計画を発表し、日本国内ではこれまでにe-tronとe-tronSにそれぞれスポーツバック、e-tronGT/RS e-tronGTを導入、今年1月に発表され、今回試乗する機会を得たQ4e-tron/Q4スポーツバックe-tronが加わって、計8モデルのラインナップとなった。

VWと同じEV専用プラットフォーム

さて今回試乗したQ4スポーツバックe-tronは、リヤの形状のみが異なるQ4e-tronともども、VWグループが開発したEV専用プラットフォームMEBを用いて開発された。VWがこのほど日本へ導入したID.4と基本コンポーネンツを共用するメカニカルツインだ。

77‌kWhのバッテリーを前後アクスル間のフロアに搭載。リヤに1基のモーターを搭載して後輪を駆動する。モーターの最高出力は150kW、最大トルクは310Nm。0-100km/h加速は8.5秒とマイルドな加速性能となっている。実際に停止状態から勢いよくアクセルペダルを踏んでみると、マイルドなのは確かだが、タイヤのひと転がり目からウルトラスムーズで、変速がないため加速に継ぎ目がなく、そして当然のように静かなので、加速体験としては新鮮で、満足度が高い。

例えば、同じ“ゼロヒャク8.5秒”前後の内燃機関搭載モデルとは印象が異なり、終盤盛り返す8.5秒ではなくスタートダッシュを決めて終盤流す一流短距離スプリンターの予選のような8.5秒だ。そもそも内燃機関搭載モデルのように加速タイムを良し悪しの判断材料とするのが古臭い行為に思える。

航続距離576kmはアウディ最長

スムーズで加速(のみならず減速にも)に継ぎ目がなく静かとなれば、自ずと快適性は高い。内燃機関搭載のアウディでこのレベルの快適性を得ようとすると、もっとずっと高価なモデルをもってこなければならない。一充電走行距離はアウディのEVとして最長の576km(WLTCモード)。

アウディは2024年までに15モデル以上のEVを国内導入する計画だ。4年後の26年あたり、再び「4年前にはこんなにEVが身近な時代が到来するとは……」などと振り返っているのだろうか。

REPORT/塩見 智(Satoshi SHIOMI)
PHOTO/平野 陽(Akio HIRANO)
MAGAZINE/GENROQ 2023年2月号

SPECIFICATIONS

アウディQ4スポーツバック40 e-tron Sライン

ボディサイズ:全長4590 全幅1865 全高1630mm
ホイールベース:2765mm
車両重量:2100kg
モーター:永久同期磁石
最高出力:150kW(204PS)
最大トルク:310Nm
バッテリー:リチウムイオン電池
容量:82kWh
トランスミッション:1速固定式
駆動方式:RWD
サスペンション形式:前マクファーソン 後マルチリンク
ブレーキ:前ディスク 後ドラム
タイヤサイズ(リム幅):前235/50R20 後255/45R20
最高速度:160km/h(電子リミッター)
0-100km/h加速:8.5秒
一充電走行可能距離(WLTC):576km
環境性能(WLTC)
燃料消費率:150Wh/km
車両本体価格:716万円〜

【問い合わせ】
アウディ コミュニケーションセンター
TEL 0120-598-106
https://www.audi.co.jp/

意を決してアクセルペダルを深く踏み込むと、瞬間的な加速は気が遠くなりそうなほど強烈な2台。

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著者プロフィール

塩見 智 近影

塩見 智

1972年岡山県生まれ。1995年に山陽新聞社入社、2000年に『ベストカー』編集部へ。2004年に二玄社『NAVI』…