あの頃の名車を楽しむネオクラシック趣味

「500E」「M3」「RS2」「930」、1980〜90年代を彩った名車達を楽しむならどれがいい?「今ネオクラシックが熱い」

今や伝説となった500Eの最高出力は実に330PS、最大トルクも490Nmと、当時ポルシェ911ターボ(964型)を上回る数値だった。
今や伝説となった500Eの最高出力は実に330PS、最大トルクも490Nmと、当時ポルシェ911ターボ(964型)を上回る数値だった。
近年自動車メーカーが自ら「ヤングクラシック」「ネオクラシック」と呼んで、往時の名車に再び光をあてている。たしかに当時憧れの名車は、現代から見れば極度にシンプルなクルマで、今でも眩しいほどの魅力を放っている。今楽しめるネオクラとは如何なるものか、ゲンロクwebオススメの4台を紹介する。

ネオクラシックをおさらいする

2.5リッターに拡大し、238PSを発生するS14B25ユニットを搭載するM3スポーツ・エボリューション(1990年)。今や超コレクターズ物件だ。

現代から見れば極度にシンプルなクルマ達への憧れは、クルマが今よりもワクワクする乗り物だった時代への懐古ともとれるが、世界でしのぎを削る自動車メーカーが、電動化、高出力化、便利化の開発競争から降りるわけにはいかない。純粋なクルマ好きが今趣味で楽しむなら、どのような選択肢があるのだろうか?

BMW M3 (E30)

最高のFRツーリング・スポーツ

BMWがモータースポーツ部門のBMW M GmbHと共に、1982年登場のE30型3シリーズをベースに開発したスポーツクーペ。エンジンは195PSを発生する2.3リッター直4DOHC4バルブS14型ユニット。組み合わされるのはZF製5速MTで、レーシングパターンを持つクロスレシオのゲトラク製も用意されたという。

ブリスターフェンダー、フロント&リヤスポイラーを追加したほか、Cピラーとリヤウインドウの角度を寝かせ、トランクリッドの高さを上げるなど、ボンネットやルーフなど一部を除きボディのほぼ全てを専用部品とするほどの徹底的な改良が加えられたM社入魂のモデルである。

MERCEDES-BENZ 500E

グループC由来のエンジンを積むスーパーサルーン

今でもネオクラシックの筆頭に挙げられるメルセデス・ベンツW124型(1994年からEクラスと呼ばれる)。そのボディに迫力あるブリスター・フェンダーを備えたセダンが1991年のパリ・ショーで突如公開された。それが500Eだ。

R129型500SL譲りの4973ccV型8気筒DOHC32バルブ“M119”ユニットを搭載。実はこのエンジンは1989年のル・マン24時間を制したグループCマシン、ザウバー・メルセデスC9に搭載されていたM119Lの直系というべきもので、その最高出力は実に330PS、最大トルクも490Nmと、ポルシェ911ターボ(964型)を上回る数値だった。

AUDI RS2

カレラ2に匹敵するステーションワゴン

ポルシェが開発を請け負い、1993年のフランクフルト・ショーで発表したスーパースポーツ・ワゴンがアウディRS2だ。当時B4系と呼ばれる4代目アウディ80のステーションワゴン版80アバントをベースとし、2.2リッター直5にインタークーラー付きのターボを組み合わせてチューンし、最高出力315PS、最大トルク410Nmを絞り出すことに成功した。

専用の6速MT、クワトロシステムを採用したほか、ブレンボ製のブレーキ・システムをポルシェ928 S4から、17インチの鋳造マグネシウム・ホイールを964 RSから流用。0-100km/h加速5.8秒、最高速度248km/hという、ポルシェ964カレラ2に匹敵するパフォーマンスを誇るハイパーワゴンである。

Singer Turbo Study

レストモッドで究極の空冷ポルシェを

往年の名車のボディに最新のメカニズムを組み合わせ、独自のモデルを製作するレストモッド。そのレストモッドで「空冷911の雄」が、アメリカ・カリフォルニアを拠点に展開するシンガー(Singer)である。

写真の930ターボは、見事に調律された適度に低い車高だけでなく、最高出力が510PSに増加されたフラット6など、スポーツパフォーマンスに重点を置いた1台。搭載されるのは3.8リッター水平対向6気筒インタークーラー付ツインターボ。水冷インタークーラーは専用設計となる。もちろん組み合わされるのは6速MTだ。ターボ レーシング ホワイトをベースに、グリーンのダブル ストライプでカラーリングされたボディは、すべてカーボンファイバー製である。

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