「ブガッティ ボリード」専用カーボンファイバー製モノコックを公開

ル・マン用レーシングカー安全規程をクリアする「ブガッティ ボリード」の肝はカーボンファイバー製モノコック

現在、2024年のデリバリーに向けて、開発が続けられているブガッティ ボリードのカーボンファイバー製モノコック。
現在、2024年のデリバリーに向けて、開発が続けられているブガッティ ボリードのカーボンファイバー製モノコック。
ブガッティは2024年のデリバリーに向けて、サーキット専用ハイパースポーツ「ボリード」の開発を続けている。ボリードは、FIA(国際自動車連盟)が定めるモータースポーツ規程「LMH(ル・マン・ハイパーカー)」と「LMDh(ル・マン・デイトナ・h)」の安全要件をクリアした、新開発のカーボンファイバー製モノコックが採用された。

Bugatti Bolide

「LMH/LMDh」規程に準じて開発

世界最高レベルのトラックカーを実現すべく、ブガッティはル・マン用プロトタイプレーシングカー「LMH/LMDh」規程準じた安全要件をクリアした。
世界最高レベルのトラックカーを実現すべく、ブガッティはボリードにおいて、プロトタイプレーシングカー規程「LMH/LMDh」に準じた安全要件をクリアした。

ブガッティは、その輝かしい歴史において常にモータースポーツで性能を証明してきた。サーキット専用ハイパースポーツ「ボリード」は、8.0リッターW型16気筒クワッドターボエンジンに相応しいシャシー性能を実現するべく、F1マシンやル・マン24時間用プロトタイプレーシングカーに使用される、最高品質のカーボンファイバー製モノコックが採用された。

ボリード専用モノコックは、車内においてドライバーとパッセンジャーを完璧なバランスで配置。W型16気筒パワートレインはベースとなったシロンよりも60mm前方に搭載され、サーキットにおける理想的なパッケージングを実現している。

モノコック自体の剛性レベルは、シロンよりもさらに強化されており、FIA(国際自動車連盟)が定めた、世界耐久選手権(WEC)用レーシングカー規程「LMH/LMDh」の安全要件をクリア。サーキット専用レーシングカーのクラッシュテストは非常に厳しく、ボリードの開発においては一切の妥協が排されたという。

ル・マン・ハイパーカーを凌ぐ安全性

現在、2024年のデリバリーに向けて、開発が続けられているブガッティ ボリードのカーボンファイバー製ものコック。
FIAは、WECに参戦する「LMH/LMDh」プロトタイプレーシングカーに、厳しい安全要件を課しているが、ボリードをそれを上まわる高い剛性レベルと安全性が確保されている。

横転防止などの安全要求はもちろん、FIAが定める最も厳しいテストでは、車両のAピラーが7.5tの荷重に耐える必要がある。このテストに合格するためには、荷重がかかった箇所の最大たわみが50mm以下、その箇所から100mm以内にある構造物の破損は許されない。つまり、衝撃を受けた箇所は、ごくごく小さな亀裂のみに抑える必要がある

ボリードは、高度なカーボンファイバー製モノコックの設計、Aピラーの角度と断面、使用されているハイテク素材による構造的な高い完全性もあり、ボディに一切の亀裂が生じなかった。横転テストではBピラーに12トンという荷重がかかけられ、その後、バリアに後方から衝突し、モノコックに6トンもの荷重をかける横転テストも実施された。

ボリードのチーフエンジニアを務めたクリスチャン・ウィルマンは、ボリードの安全性について次のように説明する。

「ボリードが掲げたビジョンを実現するため、設計・開発時に一切の妥協を排しました。その中でも特に重点を置いたのが、高速性能とサーキット走行時の安全性です。ブガッティにとって、これは絶対に譲ることのできない要素だったのです」

「厳しく重要な安全テストに合格するため、ボリードのモノコックは技術的に完璧であることが求められました。モノコックの構造や、世界最高レベルの超高強度カーボンファイバーの採用に至るまで、あらゆる場面でトライ&エラーが繰り返されました。FIAが定める厳しい安全基準をクリアするために、私たちは広範囲な開発作業を行う必要があったのです」

軍用レベルの自動消火システムを搭載

現在、2024年のデリバリーに向けて、開発が続けられているブガッティ ボリードのカーボンファイバー製ものコック。
アクシデント時の安全性を追求すべく、レーシングカーを上回る、軍用レベルの自動消火システムを装備。さらに、何かが起こった場合でも、コクピットから脱出しやすいような設計が導入された。

ボリードは、さらに高い安全性を確保すべく、軍用レベルの自動消火システムを装備。従来のレーシングカーに広く使用されている消火器ユニットと比較すると、あらゆる面で安全性が大幅に向上した。さらに、アクシデント時にコクピットから脱出を容易にするため、ラップアラウンド型ヘッドレストがディヘドラル・ドアに装着されている。

ドライバーとコ・ドライバーは、FIA公認6点式ハーネスシステムでシートに固定。コーナリング、加速、ブレーキング時に発生する非常に大きな横G(場合によっては最大2.5G)に対して、パッセンジャーはしっかりとシートに固定される。このシート自体もLMH規程をクリアしており、安全性だけでなく、ドライビング時の疲労を低減すべく、快適性も確保されているという。

また、ボリードのコクピットは、多くのモータースポーツにおいて導入されている安全デバイス「HANSヘッド&ネックサポート」システムにも対応。パッシブセーフティ機能としては、トラクションコントロール、エレクトロニックスタビリティコントロール、ABSを標準搭載。天候やコンディションにかかわらず、常に安定した状態でサーキット走行を楽しむことができる。

アンディ・ウォレスのドライブで、サルト・サーキットを走行したブガッティ ボリード。

非公開: 「ブガッティ ボリード」がサルト・サーキットで走行披露「アンディ・ウォレスがドライブ」【動画】

ル・マン24時間レースが100周年を迎えたことを記念し、ブガッティ・オトモビルはサルト・サーキットにおいてサーキット専用ハイパースポーツ「ボリード」を一般公開した。さらに、ブガッティのテストドライバーも務めるレジェンドドライバー、アンディ・ウォレスがステアリングを握り、デモンストレーションランも披露している。

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ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…