2023年クルマ好きのモータージャーナリストは何を買ったか?「山崎明編」

【2023年に買った逸品】豊富なパーツが選べるマツダ ロードスターは最高の素材

まもなく終わりをつげる2023年。コロナ禍を経て、ライフスタイルが変わった人もいれば、すっかり元に戻った人もいる。だがクルマ好きにとって興味の中心は常にクルマいじりなのである。ゆく年2023年を振り返る。

ロードスターのタイヤは軽い方がいい

以前所有していたND型のロードスターRF用のヨーロッパ マツダ純正の17インチホイールを個人輸入して装着。

2023年は私としては珍しく、1台も車を買わない年だった。だから、というわけではないのだが、1月に1回目の車検を通した「マツダ ロードスター(ND)」にちょっとだけ手を入れてみた。

まずはタイヤである。今のロードスターの前に所有していたのは同じくND型のロードスターRFで、ヨーロッパ マツダ純正の17インチホイールを個人輸入して装着していた。ジュネーブ・モーターショーのマツダブースで見てひと目惚れしたホイールである。

気に入っていたので新しい車にもそのまま装着したのだが、ソフトトップのNDにはRF用のタイヤでは若干径が大きいため、195/45R17に変更した。そして銘柄をミシュラン・パイロットスポーツ4からアドバン・フレバに変更した。しかし、この選択は失敗で、サイズを落としたのにミシュランより重くなってしまったのである!

どうせ16インチにするならと……

17インチから16インチに戻すことに。純正より軽量化を狙おうとBBSの鍛造ホイール「RE-L2」を選択。

しばらくそのまま乗っていたのだが、ロードスター990Sに乗る機会があり、やはり16インチの方が走りも乗り心地も良いことを痛感させられた。そこで16インチに戻すことにしたのである。戻すなら、純正より軽量化を狙おうとBBSの鍛造ホイールを選ぶことにした。モデルはRE-L2、選択理由は純正と同じ6.5Jでインセット45mmという仕様があるからである。これは私のこだわりで、ホイールは必ず純正と同じインセットを選ぶようにしている。変えてしまうと操舵感、路面フィールなどが変わってしまうからだ。センターキャップもマツダロゴにした。これも私のこだわりである。

タイヤはミシュランと決めていたが、ロードスターのサイズだとパイロットスポーツ系に選択肢がない。選択できるのはプライマシー3かエナジーセイバーである(購入当時)。この2つからなら普通プライマシー3、となるだろう。しかしこれがまた失敗だったのである。ミシュランタイヤは軽いと信じていたのだが、プライマシー3は重かったのだ。せっかく軽いホイールにしたのに、新車時の純正ホイール+アドバンV105の重さと全く同じ……。

かなりがっかりしたが、やはり16インチは良かった。純正と変わらないとはいえ、17インチとは2kg以上違うので、かなり軽快感が出た。プライマシー3は重いけれど、しなやかなので乗り心地も明白に良くなった。とりあえずは満足だが、次に交換する時は軽いタイヤを選びたいものだ。

オートエグゼのモーションコントロールビームを装着

次に行ったモディファイはボディダンパーの装着である。もう1台の愛車、BMW 118dにはヤマハのパフォーマンスダンパーを以前から装着していて、乗り心地の向上、きしみ音の低下など結構効果が高かったので、ロードスターにも付けてみたいと思ったのである。しかし、ヤマハのパフォーマンスダンパーにはNDロードスター用はない。似たようなものであるのは、オートエグゼのモーションコントロールビームである。こちらはアイシンが開発したものだ。

見た目は似ているものの、この2つは大きく異なる。パフォーマンスダンパーは油圧式で、ボディの揺れや振動を吸収するのが目的であるのに対し、モーションコントロールビームは摩擦式で、どちらかというとボディ剛性を高めるのが目的である。リジッドのブレースのようにガチガチに固めるのではなく、若干の逃げを作ることで快適性への影響を最小限に抑えるというものだ。つまりヤマハは快適性を高めるのが目的に対し、アイシンは走りの向上が主目的なのである。

装着してみると、当然のことながらBMWとは全く違う結果となった。すぐ気付くのが、アイドリング時の振動が増したことだ。ステアリングとシフトレバーに伝わる振動が明らかに増えた。そして、ステアリングフィールがカチッと剛性感のあるものになったのである。結果は違うが、これはこれでとても良いモディファイとなった。

さて、来年はどうするか。ひとつ必ずしも満足していないのがビルシュタインのダンパーで、KONIの方がしなやか、という話があり気になっている。ロードスターはパーツが豊富なので、楽しみは無限なのだ。

マツダのアイコン的存在と言える2シーターオープン「ロードスター(ソフトトップモデル)」「ロードスターRF(リトラクタブルハードトップモデル)」の2024年新型改良モデルが発表された。

世界的ベストセラー「マツダ ロードスター」の4代目の改良新型デビュー「ついにACC搭載だが付かないグレードも」

2シーターオープン「マツダ ロードスター(ソフトトップモデル)」「マツダ ロードスターRF(…

実際に購入したアバルト595。

【2022年を振り返る】山崎明「NDロードスターのボディカラーがまさか……」

2022年は感染症や戦争で物流の滞った1年であった。それでも時代は巡る。ニューモデルの登場や…

キーワードで検索する

著者プロフィール

山崎 明 近影

山崎 明

1960年、東京・新橋生まれ。1984年慶應義塾大学経済学部卒業、同年電通入社。1989年スイスIMD MBA修了。…