カジュアルに個人で楽しめるVRヘッドセット「Meta Meta Quest 3」

もっとカジュアルに個人で楽しめるVRヘッドセット「Meta Meta Quest 3」【COOL GADGETS Vol.54】

Appleが北米で販売を開始したApple Vision Proはおよそ50万円。まだまだ普及、熟成には時間が掛かる。一方のMeta Quest 3は7万4800円からとリーズナブルな価格設定だ。
Appleが北米で販売を開始したApple Vision Proはおよそ50万円。まだまだ普及、熟成には時間が掛かる。一方のMeta Quest 3は7万4800円からとリーズナブルな価格設定だ。
社名を「Meta」に変えたFacebookが、VRヘッドセットを開発していたオキュラスという会社を買収したのは、仮想現実をもたらす装置からメタバースに参加する入り口を作りたいと考えたからだ。今後普及が期待されるメタバースを、カジュアルに個人で楽しめるVR端末「Meta Meta Quest 3」を紹介する。(GENROQ 2024年3月号より転載・再構成)

Meta Meta Quest 3

コミュニケーションのネット上の“場”はSNSからメタバースへ

2つのRGBカラーカメラと深度プロジェクターを組み合わせたデュアルRGBカメラを採用。バーチャル空間と現実世界の融合を実現している。その没入感たるや衝撃的な体験だ。
2つのRGBカラーカメラと深度プロジェクターを組み合わせたデュアルRGBカメラを採用。バーチャル空間と現実世界の融合を実現している。その没入感たるや衝撃的な体験だ。

現実世界と幻想世界が重なり、その区別がつかない時代が、そう遠くないうちにやってくるのかもしれない。と、SFチックなことを夢想してワクワクする。そんな製品がこのMeta Quest 3だ。SNSサービスのFacebookが、社名を「Meta」に変えたことをご存知の方もいるかもしれない。社名変更の理由は、SNSが提供する人と人が集まりコミュニケーションするネット上の“場”が、SNSからメタバースへと変わっていくことを予測してのものだった。

同社がVRヘッドセットを開発していたオキュラスという会社を買収したのも、仮想現実をもたらす装置からメタバースに参加する入り口を作りたいと考えたからに他ならない。とはいえ、それは長い戦略でのこと。Appleが2月2日に北米で販売を開始したApple Vision Proはおよそ50万円。まだまだ普及、熟成には時間が掛かる。そんな中でメタが挑戦しているのが、もっとカジュアルに個人で楽しめる端末として、VRやMR(複合現実)を通じたエンターテインメントを提供することだ。

現実と幻想が混在した世界を表現

Meta Quest 3はVRを通じて、映像エンターテインメントやゲームを楽しむヘッドマウント端末。CGのみで楽しむVRだけではなく、外部に設置されたカメラで捉えた映像とCGを組み合わせた複合現実にも本格対応したのが大きなトピックだ。より高精細かつ高性能になっているのはもちろんだが、“3”で進化したのは、根本的な体験の質だ。目の前に広がるシーンを3次元空間として認識し、その位置を的確に追跡する。と言っても、使ったことがない人にはさっぱりわからないだろうが、カメラやセンサーで現実空間の様子をスキャンし、的確にゴーグルの中に表示してくれるのだ。

この現実空間を模した映像に、CGでのゲーム画面やVR映像などを重ね合わせ、現実と幻想の世界が混在した表現を実現する。目の前のテーブル上に仮想ゲームボードを置いて、ネットを通じて友人と仮想ゲーム大会を開いたり、VRゲームを楽しみながらも同じ部屋にいる友人とやりとりしたり、部屋の壁を壊した向こうから現れる異星人と戦うなんて突飛な発想のゲームもある。

周囲の環境から遮断して仕事に集中することも

両手にフィットするTouch Plusコントローラーが付属する。Touch Plusコントローラーを操作することで実際にサーベルを振り回したり、釣り糸を垂らしたりする感覚を味わえる。

Apple Vision Proよりも低価格なMeta Quest 3は、これまでのゲーム機に興味が持てなくなった人にも、新しい体験の質をもたらしてくれる。僕自身、自宅にこもって仕事をしなければならない時期は、Meta Quest 3でゴルフゲームに挑戦し、まるで屋外で気持ちよくプレイしている感覚を楽しんでいるが、実は実用的なツールでもある。PCと接続し、空間の中に自由にディスプレイを開いて作業するアプリも提供されているのだ。

これが意外に便利。Meta Quest 3なら、MR機能で手元のキーボードやマウスも見ることができるから、操作で迷うこともない。またリモートワークなどで、周囲の環境から遮断して仕事に集中したい場合は、手元だけを現実の映像にした上でひとりの世界に浸って思考を巡らせることもできる。なお、より快適に使うための高級ストラップも用意されているので、これと組み合わせれば、Meta Quest 3をより快適に利用することも可能だ。

REPORT/本田雅一(Masakazu HONDA)
PHOTO/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)
MAGAZINE/GENROQ 2024年3月号

PRICE

7万4800円~

評価

大画面で映像を楽しみつつ、新しいVRゲームを楽しみ、そして没入して作業に打ち込む作業環境としても使える。前作よりMRの質が大幅に高まり、解像度が上がったことで実用的になった。

コストパフォーマンス:5
装着感:3
バッテリー:3
表示品質:4
MR(複合現実)機能:4

【問い合わせ】
https://www.meta.com/jp/quest/quest-3/

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著者プロフィール

本田 雅一 近影

本田 雅一

テクノロジージャーナリスト、オーディオ&ビジュアル評論家。ガジェットはもちろん、ITやクルマにも精通…