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ルノー・カングー クレアティフ(ガソリン)
全長4490mm 全幅1860mm 全高1810mm 車両価格3,950,000円
カングーは思いのほか全長が短いのが難点ではあるのだが
現在の僕の愛車は、2014年に手に入れたカングー2。選んだ理由は「ロードバイクが丸ごと載せられるから」だ。厳密には長さが少々足りず、ちょっと斜めにしてBピラーと前席の間に車輪を差し込む必要があるのだが、固定は2列目シートのストライカーから簡単にできるので気に入っていた。
とはいえ、「あと50mmラゲッジが長ければ、まっすぐ載せられるんだけどなぁ」と、ずっと思っていたのもまた事実。そんなところに登場したのが、全長が210mm長くなったカングー3。これはチェックするしかないでしょ!
というわけで載せてみたら、まさに思惑通り。僕のシートスライド位置(最後端から9ノッチ)で、僕のロードバイクがピッタリ積めた! しかも旧型同様、後席背もたれのストライカーが、うまい具合にロープフックになる。ここだけで留めてもいいし、床についているロープフックと併用してもいいし、なにしろ固定は抜群にしやすい。もはや“ロードバイク専用運搬車”と言っても過言ではない。
これだけ簡単に積めてしまうのだから、ほかの方法は試す必要はないかと思われたけど、実はちょっとやってみたいことがあった。それは“後輪を外さずに後席に横向きに積む”ということだ。
我が家では、普段は後席にはペット用の大きなシートが被せてあるし、トノボードも付けたまま使用している。この状態からロードバイクを積めるようにするには、ペットシーツを剥がしてトノボードを外し、トノボードの置き場所に悩んでから、ラゲッジに積みっぱなしになっているかみさんの荷物を整理しなければならず、正直けっこう面倒臭い。だから最近は、前後輪を外して自転車を倒立させ、リヤシートに横向きに載せることのほうが多くなっていた。
今回も撮影場所までそうやって運んできたのだけれど、積み込む際に左右にある余裕に気づき、「ひょっとして後輪は外さなくてもイケるのでは?」と思って試してみたら、できちゃったのである。後輪を外さなければチェーンの処理はいらないから、手も汚れない。
旧型でできるのだから、30mmワイドになった新型で、できないはずはないわけで、やってみたら案の定、余裕を持って収まった。スライドドアだから、積み降ろしの作業もやりやすいし、固定はヘッドレストのステーから簡単にできる。これならクルマ側は何もいじることなく、自転車は前輪を外すだけで良いから、手数は最小で済むのだった。
「それならラゲッジにも横向きに積めるのでは?」と思うかもしれないが、残念ながら、それはできない。ラゲッジはホイールハウスの内側を基準に壁になっており、幅方向は1200mmしかないので、前後輪とも外さないと入らないのだ。
ただし見方を変えれば、前後輪さえ外せば横向きにどんどん重ねて積んでいける。実際に試していないので確かなことは言えないが、3台は積めるんじゃないだろうか。つまり、ロードバイクを3台積んで、後席も広々使えるということ。後席の半分を使えば、ウェアやヘルメットはもちろん、アップ用の3本ローラーもひとつぐらい積めそうだ。
積載自転車の寸法図
■第1形態 完成車状態 長さ1680mm 高さ1000mm 幅445mm
■第2形態 前輪を外してホルダーに固定 長さ1510mm 高さ965mm 幅445mm
■第3形態 前後輪を外し、後輪はリヤエンドサポートで保持 長さ1230mm 高さ880mm 幅445mm
■第4形態 前後輪外して倒立 長さ1115mm 高さ870mm 幅445mm
著者と自転車のプロフィール
メカニズムを得意とするジャーナリストの安藤 眞氏は、40年以上も自転車を趣味とし、カングーに愛車を積んでサイクリングを楽しんでいる。身長181cm。フレームを購入して自分で組み上げた写真のロードバイクはサドル高が1mあるから、この自転車が載るクルマなら、アナタの自転車も積載できる可能性が高いはず。
ブリヂストンサイクルのNEO-COTというフレームを購入して、自分で組み上げた。92年発売のスチール製(CrMo鋼)だが、当時としては画期的なもので、ハイドロフォーミング製法で接合部の形状が最適化されている。それを見た僕は「スチールフレームの最高到達点」と直感して即購入。部品を交換しながら30年間、乗り続けている。その後、アルミフレームやカーボンフレームに押され、2021年を最後に絶版となってしまった。ホイール径は700C。