ホンダ・ヴェゼルe:HEV 長期レポート | ラゲッジとパワーテールゲートの使い勝手は?

「やっぱり先代ヴェゼルより狭いなあ」新型ホンダ・ヴェゼル のラゲッジの実測と使い勝手を比較する どっちが使いやすい?

筆者ヴェゼルの日常の荷室 三脚とレフ板入りバッグは積みっぱなし
先代ホンダ・ヴェゼルから新型ヴェゼルe:HEV Z FF サンドカーキの乗り換えた山上博也カメラマン。今回はラゲッジルームの使い勝手とパワーテールゲートについて。果たして、新型ヴェゼル、荷物、たくさん積める?
TEXT & PHOTO◎山上博也(YAMAGAMI Hiroya)

「やっぱり先代ヴェゼルより狭いなあ」

週に1回、筆者は妻と共に大型スーパーへ買い出しに出かける。1週間分の飲料品やお米などを購入するので結構な量になる。100サイズ程の段ボールが3個分くらいだろうか。買い物が終わり荷物をラゲッジ(荷室)に積む際「やっぱり先代ヴェゼルより狭いなあ」といつも感じてしまう。

スーパーに駐車する筆者のVEZEL e:HEV Z FF サンドカーキ

ワールドプレビューに向けての新型ヴェゼル事前撮影会でラゲッジルームを一目見て「先代より狭いな」ということはわかった上でオーダーしていたのだが、いざ使い始めると先代とやはり比較してしまう。カメラマン的には荷室は広いに越したことはないのだが、撮影時の機材はそれなりにあり荷室のみでは載せきれないので後席を畳んで使用している。その際、荷室と段差無くフラットになり長物も無理なく積めるのは先代から続くヴェゼルの長所だ。それ故、新型の荷室が多少狭くなっていても問題はないと考えていた。基本的に機材は、撮影がない時は降ろして後席も通常の状態に戻しているのだが、三脚ケースと折畳みレフ板が入ったバッグは荷室に残したままにしている。先代ではこのふたつの機材を残したまま買い出しの品を荷室に全部載せきれたが、新型では載せきれず(少し無理をすれば入るが面倒なので……)ひとつ後席に置くことになる。それで「先代より狭いなあ」となるのである。

レフ板入れのバッグは新型ヴェゼルだと縦方向がちょっとはみ出てしまう
先代ヴェル同様新型でも、後席を倒せば170㎝の折畳み脚立が斜めに収まる。

実際どのくらいサイズが違うのか比較してみよう。先代ヴェゼルは手放す前になぜか採寸しておりそれを基にする。採寸は筆者独自のものなので多少の誤差はご勘弁願いたい。

先代ヴェゼルの荷室の寸法

先代ヴェゼルの荷室の寸法

新型ヴェゼルの荷室の寸法

新型ヴェゼルの荷室の寸法

一番大きな差となっているのが奥行きだ。先代は80cmに対し新型は74cmと6cmも短くなっている。その分後席の足元を広くしたらしい。新旧ヴェゼルとも後席を倒して荷室を拡げた状態で長さ170cmの折畳み脚立が同じように斜めにピッタリ収まることからもそれがわかる。ちなみに先代とホイールベースは同じ、全長もほぼ変わっていない。横幅は脚周りが入っている狭い部分は100cmと新旧同じ。ラゲッジ開口部手前の広いところで先代128cm、新型112cmとなる。

筆者の新型ヴェゼルはプレミアムオーディオ仕様なので左側壁面にウーファーが備わるためデフォルトの状態よりかなり狭くなっている。この点も狭さを感じさせる要因だろう。奥行きが6cm短くなったため先代では少し余裕を持って納められていたレフ板入れのバッグも新型では荷室ギリギリだ。また新型では全高が低くなりリヤハッチ部分(テールゲート)もクーペのように寝かされたデザインとなっており見た目高さが足りずはみ出てしまっている。

新型ヴェゼルの真横のスタイル。リヤはクーペのようにスタイリッシュになった。
新旧ヴェゼルのシルエット比較。新型のリヤの角度が寝ているのが良くわかる。

正確ではないが写真を基にシルエットを作り新旧を重ねてみたのでその部分の違いをわかっていただけると思う。レフ板を入れたバッグはちょっとボディよりはみ出てしまって見えるが、一応この状態でもテールゲートは素直に閉まってくれる。筆者購入のZグレードには標準でトノカバーが付いているのだが、これがなかなかの優れもの。トノカバーはハッチ側についており荷物を積むときに邪魔にならず柔軟性もあり荷物と干渉する場合は左右のガイドに沿って上に逃げてくれる。従来のハードタイプのものだと荷物と干渉してハッチが閉まらなかったりするので筆者の先代ヴェゼル(先代でもトノカバーはZに標準で付いていた)ではハードボードのトノカバーは一度も使わず物置行きとなっていた。

どうでもいいことだが筆者世代だとハードボードトノカバーは2BOXハッチバック車のスピーカーを置き場という認識が強い懐かしい代物だったりする。話は戻って新型ヴェゼルはリヤにかけてクーペ的な形状となり後端部の高さが低くなったこと、さらにはサスペンション格納部分が先代では山型の形状だったものが新型では上までスクエアな形状となったことなどでより実容量以上に見た目狭く感じさせている。

ハッチバッククーペ車のようなリヤセクション

人気SUVとして君臨してきた先代ヴェゼルをターゲットに開発されたであろうライバル車たちも通常時の荷室は新型ヴェゼルより広くなっている。しかし後席を倒した時の奥行きや段差のないフラットな床面など新型ヴェゼルが勝っているのでホンダ開発陣も荷室が少し狭くなってもハンデにはならないとしたのだろうか。実際、筆者も買い出し時に少し不満を感じるが、それ以外では狭くなって不便なところは今のところない。

ちょっと気になるのは、フロア床面の高さが先代より6cm弱高くなっていて、20kg以上の照明機材が入ったケースを積み込むのに高くなった分持ち上げるのに力がいるようになったことだ。ケースは90cm程の長さがありバンパーに引っかけてしまわないようことさら高く持ち上げる必要があるからいい歳の筆者には正直結構厳しい作業となる。ただ先代よりバンパー部がボディより出ていないのが救いではある。先代ではバンパーの傷防止に金属プレートを貼っていたが新型ではその必要はなさそうだ。

これは先代所有者の私個人の感想である。新型ヴェゼルの荷室の広さに関しては、ユーザーそれぞれ使い方の事情があり正解はないので参考程度に捉えてほしい。

パワーテールゲートの使い勝手は?

荷室がらみでパワーテールゲートについてもすこし。

筆者にとって新型ヴェゼルが初めてのテールゲートに自動開閉が付いた所有車となる。最初のうちはどうしても染みついた動作をしてしまい手動でゲートを開け上げて “ギギッュ”とさせていたが、最近はそのそんなこともなくなりスマートにパワーテールゲートを使えるようになった。まだ上手く使いこなせていないのが、バンパーの下に足を入れるハンズフリーアクセスパワーゲートだ。今のところ二回に一回程の確率でしか開けられていない。

Zグレードに標準装備のトノカバー。PLAYにはオプションで装着可能
斜めから見たトノカバー。取り外しはもちろん可能
高さのある荷物を積んだ場合、両脇のガイドに沿ってトノカバーは移動する
リヤゲートとの段差のないすっきりとしたバンパー
リヤゲートを開けても張り出しがあまりないことが良くわかる

足を入れる位置が悪いのか上手くいかないので、それで初めて取扱い説明書を見ることにした。「最初から説明書位見ろよ!」と言われそうだが、筆者くらいの年齢になると眼も悪くなり文字を読むのが億劫になる、まずはいきなり使ってみてということになるのである。で説明書を見るとリヤバンパー中央下につま先を入れ約1秒で足を引く動作をするとあった。なるほどとわかったものの、このシステムを使いたい時はだいたい重い荷物を持って両手が塞がっている時だ。片足を出し中に入れることは出来ても1秒で足を引く動作は荷物を支えるため体重が踵に掛かっている運動不足の筆者は「おっとっと」とバランスを崩し上手くできない。

情けないことに体幹を鍛え直すことが先決であることが判明した次第となった。

買い出しに来たスーパーで待機中の筆者ヴェゼルの近影

僕がホンダ・ヴェゼルを選んだ理由 決め手はなんだったか?「e:HEV/FF/ボディ色はサンドカーキ・パール」

モーターファンをはじめとするさまざまなメディアで活躍中の山上博也カメラマンが新型ヴェゼルを購入した。「先代→新型」の「ヴェゼル→ヴェゼル」乗り換えである。第一印象は「えええっ?これが新型? これがヴェゼル?」と思ったのだが、購入に踏み切った。その理由から長期レポートをスタートしよう。 TEXT & PHOTO◎山上博也(YAMAGAMI Hiroya)

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著者プロフィール

山上博也 近影

山上博也

フォトグラファー。札幌市出身。株式会社ヴュー代表でWEB・DTPデザイナーだったりもする。
幼少より好き…