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日常使いでの加速力が美点のシリーズハイブリッドも設定
日本固有の〝5ナンバー規格〞に収まるサイズのボディを採用することもあり、名実ともに「コンパクトSUV」と呼ぶに相応しい存在が、ダイハツ・ロッキー。親会社であるトヨタのブランドからは、姉妹車として「ライズ」という名称で販売されている。
エクステリア
ダイハツのラインナップには、かつて1990年にデビューした同名のモデルが存在したものの、それはラダーフレーム式ボディを採用したより本格オフローダー風モデルであった。やはり5ナンバー規格に収まるコンパクトさを特徴としていた以外は「名前だけが同じだった」と言えるくらい趣が異なる。現在販売されているロッキーの登場は2019年で、発売当初のパワーパックは1.0ℓのターボ付き3気筒+CVTのみだった。21年からは1.2ℓの自然吸気エンジン仕様や同エンジンをシステムに組み込んだシリーズハイブリッド仕様が設定され、現在に至っている。
乗降性
テストドライブを行なったのは、ダイハツ久々となるハイブリッドバージョンだ。エンジンは発電機の駆動に専念し、車両の駆動力はすべてモーターの出力が担当するシリーズ方式という点は、日産が〝e-POWER〞の名称で展開するシステムと同様の仕組みである。スタートの瞬間から加速は滑らかで、もちろん変速ショックなどが一切存在しないのは、モーター駆動車ならではの特徴だ。日常シーンでの絶対的な加速の能力は文句ナシ。決して飛び抜けて速いというわけではないものの、一方で事実上不満を抱く場面などは皆無である。これは、最高出力が78kW≒106㎰相当と十分に力強いことに加えて、走り始めの瞬間から170Nmの最大トルクを発揮する電気モーターならではの特性によるところが大きいに違いない。
インストルメントパネル
これは、ピュアEVに準じた電動車であることを大きな訴求ポイントとする〝e-POWER〞に対して、駆動用バッテリーの容量を可能な限り抑えることでコスト抑制につなげているダイハツ方式と、戦略の違いが如実に現れた部分と言えそう。もちろん、ロッキーもエンジンの存在感こそ明確なものの、決して純エンジン仕様以上にノイジーというわけではないのは言うまでもない。
居住性
実際、そんな〝実利〞を採ったこのハイブリッド仕様は、WLTCモードによる燃費が28.0㎞/ℓと純エンジン仕様のデータを圧倒している。ただし、惜しむらくはこのパワーパックとの組み合わせが可能であるのがFFシャシーに限られること。ロッキーの場合、4WDシャシーはバリエーション中で最も大きな出力とトルクを発する、ターボ付きの1.3ℓ3気筒エンジンのみとの組み合わせとなる。
うれしい装備
月間販売台数 507台(23年11月~24年4月平均値)
現行型発表 19年11月(パワートレイン追加 21年11月)
WLTCモード燃費 28.0 ㎞/ℓ※ハイブリッド車
ラゲッジルーム
前出ハイブリッド仕様と追加設定された1.2ℓ3気筒エンジンはFFシャシーのみとの組み合わせに限られており、こうした独特の設定に不満を抱く人も現れるかもしれない。
※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.159「2024-2025 コンパクトカーのすべて」の再構成です。