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200Vの普通充電コンセントを
自動車メーカー・インポーターから「広報車」をお借りして試乗する場合は、返却前に洗車とガソリン満タンがほぼ例外なく義務付けられている。ところが、BEVの場合は、たいていの場合、返却時に「満充電」を要求されない(いまのところ)。しかも、急速充電用の「カード」がクルマとともに貸し出されるので、そのカードを使う限り、「電気代の自己負担はなし」(いまのところ)。その分は自動車メーカー・インポーターが負担しているわけだ。だから、どうしてもBEVの走行=充電にかかるコストについては、あまり意識しない。
これではまずい。ガソリン車/ディーゼル車の場合には、給油の際にリッター当たりいくら、トータルでいくら、という費用を支払うことで、燃費を意識する。BEVの電費についても同様であるべきだ。そして、BEVは充電のしやすさも性能の重要なポイントである。
そこで、自宅ガレージにBEV用の充電コンセントを設置することにした。ちなみに筆者のマイカーはディーゼルエンジンを搭載するセダンで、当面BEVを購入する計画はない。が、BEVの善し悪し、使い勝手を見るためにはやはり、自宅ガレージで充電できなくては。
設置したのは、200V・15Aのコンセント。出力は3kWになる。3kWで1時間の普通充電を行なうと3kWhの電力量が充電できる。普通充電には、6kWのタイプもある。こちらは200V・30Aだ。出力が上がる分、使用するケーブルも別のタイプが必要で工事費も3kWより高い。筆者の場合は、マイカーがBEVなわけでないし、6kWを設置すると、電力会社との基本契約そのものを変更しなくてはならなくなるから、3kWを選択した。200V・30Aという個人宅にとって大電力を一晩中、BEVに充電する……のがどうしても腑に落ちなかった、ということもある。
もちろん、100Vコンセントを設置するという選択肢もあるにはあるが、昨今のBEVのバッテリー搭載量から考えてもあまり現実的ではない。
まずは施工業者を検索
自宅(都内の3階建て狭小住宅)の1Fガレージに200V・15Aの普通充電用コンセントを設置した。
まずは、インターネットで、工事を請け負ってくれる業者を検索。何社かに見積もりを依頼した。
DIYでできないか? 第二種電気工事士の資格があれば可能だ。が、電気関係に疎い筆者はもちろんプロにお願いした。
下見の前には、ガレージの写真、分電盤の場所、契約A(アンペア)数などをメールでやり取りした。そのうえで、大まかな費用感を聞いた。筆者の自宅の場合は、200Vを取り出す分電盤が2階にあり、そこから1階ガレージまで配線を引き回す関係で、少し工数がかかるとのことで、見積もりは下の写真の通り、11万円(税別)だった。
ガレージと壁面、雨の吹き込み具合などを考えて、どこにコンセントを設置するかも考えておかなければならない。
工事は半日ほどで終わった
さて、工事である。
設置工事は、おもに「専用ブレーカーの設置」「配線の敷設」「充電用コンセントの設置」という流れで、筆者の自宅の場合は半日程度で終わった。終了したら、「通電チェック」を行なう。これは、普通、自分のBEVを充電することで行なうわけだが、筆者の場合は、BEVを持っていないので、その後、広報車のBEVをお借りしたときに行なった(と言っても、施工業者さんに「無事充電できました!」と電話しただけなのだが)。
工事の日程は、補助金などの動向で工事の混み具合は左右されるから、スケジュールは余裕をもっておくといい。
200VのBEV充電コンセントは、最近の新築一戸建てなら最初から付いている、または数万円で付けてもらえるそうだ(忘れずに確認してこう)。筆者の自宅は築20年になるので、約12万円を支払って工事してもらった。これで、BEVを自宅で充電できる。ただし、一晩(12時間)で充電できるのは、3×12=36kWh(実際はロス分があるので、ここまでは充電できない)。しかも、どのくらい充電したかを証明する手段がいまのところないので、自宅で充電した電気代は、取材経費にならない。もちろん、200Vコンセントの設置工事代も……。