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先代に比べ少しだけ大きくなったボディサイズ
SUBARUの正統派SUVのフォレスターがフルモデルチェンジ。新型は「スバル・グローバル・プラットフォーム」に一部手を入れ、内外装やパワートレーン、シャーシなどを刷新し、最新の先進安全装備を用意している。新型の見どころは、エクステリアデザインから開発をスタートさせることで、狙いのひとつである見た目の変わり映え感を実現した点だ。
ボディサイズは、従来型よりも全長と全幅を15mm 拡大。直立気味のフロントエンドや水平基調のフロントフードとなったことで逞しさが増した。15mm の拡大はデザインのためのもので、ボリューム感のあるシルエットが印象的だ。タイヤは、225/55R18、235/50R19という設定になり、従来型の17インチ、18インチから大径化。全高や220mm の最低地上高は不変だ。細部では、ヘキサゴングリルや「コ」の字型のデザインモチーフを分かりやすい形では採用せず、キャラクターラインではなく力強いシンプルな断面で力感を表現。影面を強調したメリハリのある前後フェンダー、横一文字のリアコンビランプなども目を惹く。
一方の内装は、11.6インチセンターインフォメーションディスプレイをメインとした最近の流儀に則るだけでなく、ワイヤレス充電が配置されたすっきりしたセンターコンソールも特徴。従来型はナビがオプションで、20万円程度の予算が必要だったが、インフォテイメントシステムとともに標準化された。また、ラゲッジにはキックセンサー付電動テールゲートやユーティリティナットなどが加わり、利便性を向上している。
パワートレーンは、クロストレックと同スペックの2.5Lストロングハイブリッド(SHEV)、従来型と同値の1.8L直噴ターボの2本立て。2.0Lマイルドハイブリッドの設定はない。トヨタの「THSⅡ」をベースとするSHEVは、クロストレックよりも約100kg重いものの、発進から加速域まで力強いモーターアシストによりストレスなく走らせる。直噴ターボ車の過給後の豪快な加速には及ばないが、コーナーでの速度の落ちを抑えられ、減速から再加速といったシーンでも過給ラグがないため、スムーズさが際立つ。高速道路や山岳路も含めた公道でも走らせやすそうだ。さらにSHEVは、WLTCモード燃費18.4〜18.8km/L(開発目標値)を実現し、満タン時の航続距離伸張にも寄与している。
新型はハンドリングや乗り心地もより洗練されている。プラットフォームは、インナーフレーム構造や構造用接着剤の拡大、スポットタイプナットやシート直付け、高減衰マスチックにより剛性を向上。SHEVはリヤダンパーロッドの延長、ターボ車は超飽和特性ダンパーの改良を施すことで、フラットライドな乗り心地を得ている。従来型よりもパワステが軽めに感じるが、コース上に設置されたパイロンスラロームも安定した姿勢でクリアする。
グレードは「松・竹・梅」ではなく、好みで選べるようにSHEVを積む「X-BREAK」、「Premium」と直噴ターボの「SPORT」というシンプルな体系になった(それぞれにEXを設定)。新旧の「X-BREAK」を比べると、SHEV化をはじめ、広角単眼カメラと前側方レーダーによるアイサイトの性能向上、デジタルマルチビューモニター、サイクリスト対応歩行者保護エアバッグ、12.3インチフル液晶メーター、11.6インチセンターディスプレイ、ナビ、ETC2.0車載器キットなどが搭載され、価格は約88万円プラスになる。
「SPORT」もSHEV化や専用メーターなどをのぞき同等の性能や機能向上などが盛り込まれ、約55万円アップとなる。従来型のナビオプション(20万円前後)を差し引くと、妥当いえる価格アップといえる。










広角単眼カメラ&前側方レーダーなど最新アイサイトシステムを搭載









純正アクセサリーも充実、もちろんSTIパーツも設定






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STYLE WAGON(スタイルワゴン) 2025年5月号 No.353より
