新たなエントリーモデルとした登場した【GLC 220 d】
「CクラスのSUV」を謳い2016年2月に上陸した初代GLCは、前任のGLKが左ハンドルのみだったのに対し、右ハンドル化。外観も本格SUVらしくタフになり、内装もモダンになったことで一気に人気モデルになっている。
2代目の現行型は、23年3月に日本に導入され、24年は輸入車の年間登録台数でMINIに次ぐ2位にランクイン。多彩なボディタイプを揃えるMINIには及ばなかったが、SUVのGLCとクロスオーバーのGLCクーペの2タイプのみで売れまくったことになる。今回試乗したのは、25年3月に加わったエントリー仕様の「GLC 220 d 4 MATIC Core」で、2.0Lディーゼルターボにオルタネーターとスターターの役割も担う「ISG」によるマイルドハイブリッドが組み合わされ、駆動方式は4WDとなる。145kW(197PS)/440Nmというエンジンスペックに、17 kW(23 PS)、205Nmのモーターアシストが加わることでスムーズな発進加速が得られる。車両重量が1.9tを超えるため驚くほどパワフルではないが、必要十分以上。また、ディーゼルの泣き所である音や振動もよく抑え込んでいる。
試乗車は「AMGラインパッケージ」装着車で、20インチタイヤを履くこともあり、乗り心地は引き締まっている。路面が荒れていると上下動はやや大きめで、低速域では左右に揺すぶられるような動きもある。逆に、4WDということもあり操縦安定性の高さも印象的で、高速道路や山道でスポーティな走りを容易に引き出せる。
追加された「GLC Core」は、エントリー仕様とはいえ、12.3インチのメーターパネルと11.9インチの縦型メディアディスプレイをはじめ、対話しながらナビやオーディオ、エアコンなどの操作が可能な「MBUX」、実際の映像に矢印などを重ねて表示する「AR(拡張現実)ナビ」などを搭載。
さらに、Sクラス譲りの先進安全装備は、自動再発進機能付アダプティブクルーズコントロールや360度カメラシステム、ボンネットが透けて見える「トランスペアレントボンネット」機能など、最先端装備が漏れなく付いてくる。オプションを「AMGラインパッケージ」と「パノラミックスライディングルーフ」に絞り、ボディカラーを3色に厳選したことで57万円価格を引き下げた。それでも国産車と比べると、819万円という価格は決して安くはないものの、とくに先進性あふれる多機能なインパネは、高級車であることも分かりやすく伝えてくる。












STYLE WAGON(スタイルワゴン) 2025年7月号 No.355より
