デンソー・中部電力がBEVを活用したエネルギーマネジメントシステムの試験導入を開始

中部電力、中部電力ミライズおよびデンソーが、3月より、バッテリーEV(BEV)を活用したエネルギーマネジメントシステム(以下「EMS※1」)の試験導入を開始することを発表した。カーシェアと再生可能エネルギーの地産地消率向上の両立を目指す。

蓄電池として使用するBEV

中部電力ミライズは、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下「CCC」)と共同で、「Karuizawa Commongrounds※2」内の書店やカフェなどの店舗、近隣の居住エリアに太陽光発電設備を設置するとともに、充放電機能を有するBEVを導入することを発表した。(2023年2月9日公表)
このBEVは、コミュニティの利用者を対象としたカーシェアの車両およびコミュニティ内の電気の需給に合わせて、再生可能エネルギーを充放電する蓄電池として活用される予定となっている。
中部電力、中部電力ミライズ、およびデンソーの3社は、カーシェアの利便性を損なわず、BEVの蓄電池としてのエネルギーマネジメント効果を最大化するとともに、コミュニティ内で再生可能エネルギーをシェアするためのEMSを試験的に導入し、運用改善を図っていく。

※1 EMS:Energy Management Systemの略で、エネルギー使用状況を情報通信技術によって可視化し、効率的な機器の制御等を行う仕組み。
※2 Karuizawa Commongrounds:CCCが手掛けるこれからの軽井沢のライフスタイルを提案し、地域の交流を育むコミュニティ施設で、3月1日に中軽井沢にグランドオープンする。同施設には、中部電力ミライズが高圧一括受電サービスを提供する。

試験導入の概要

場所長野県北佐久郡軽井沢町長倉鳥井原1690-1
内容AI技術を活用した電力需要予測、太陽光発電予測、BEVのSOC※3予測、カーシェア予約情報等に基づき、最適なBEV充放電や空調運用を行い、環境性向上を目指す。

① カーシェアとEMSを両立するSOC制御
② BEVおよび空調特性を踏まえた電力ピークカット制御
③ 太陽光発電余剰電力をBEVに蓄電することによる地産地消率最大化制御(カーシェア予約情報等を踏まえたSOC制御)

※3 State Of Chargeの略。充電率や充電状態を表す指標。

  • EMSは、BEVとコミュニティ内の書店・カフェなどの店舗の空調を制御対象とする。
  • 中部電力が提供するEMS、デンソーが提供するBEVのEMS、および中部電力ミライズが提供するカーシェア予約管理システムを連携し、街区内においてカーシェアとEMSを両立する最適な運用を検証する。

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