目次
開発の背景
各国でSDGsやカーボンニュートラルへの取組みが進む中、多種多様な産業機械においては、さらなる環境への配慮が求められている。
ボールねじは、高い効率を活かした転がり要素部品として、様々な産業機械に使われ、運動の転換や力の伝達の機能を果たす過程で、より省エネを実現する。特に、射出成形機やサーボプレス機などでは、消費電力削減の観点より、駆動方式が油圧式からサーボモータとボールねじを使用した電動式へ切替わりが進んでいる。このような業界トレンドの中、ボールねじの需要増加が見込まれている。
本開発では、環境に優しいバイオマスプラスチックをボールねじ保持ピースに適用することで、カーボンニュートラル実現への更なる貢献が目指される。
開発品の特徴
100%バイオマスプラスチックを、ボールねじ保持ピースに世界で初めて採用
リアルデジタルツインの活用により、開発期間を大幅に短縮
リアルデジタルツインの活用により、寸法、形状、変形、強度等を評価し、従来の保持ピースと同等性能を持つ、バイオマスプラスチック保持ピースの短期間開発に成功した。
本製品の効果
プラスチック製保持ピースは、ボールねじのボール間に配置され、ボール同士の競り合いを防ぎ、ボールねじの耐久性向上に寄与する。本製品は、バイオマスプラスチック材料を使用することによって、さらに“カーボンニュートラル実現への貢献”という新たな価値を提供する。
※1 バイオマスプラスチック:
再生可能な生物(主に植物)由来の資源を原料にしたプラスチック
※2 NSK S1:
NSKボール保持ピースの商標