日本精工、世界初のボールねじ用「バイオマスプラスチック保持ピース NSK S1」を開発

日本精工(以下NSK)は、世界で初めてボールねじ用100%植物由来のバイオマスプラスチック※1 保持ピース「NSK S1」※2 を開発したことを発表した。NSKは、カーボンニュートラル社会の実現に取り組む一環として、従来の化石由来のプラスチックに比べCO₂削減効果の高いバイオマスプラスチックの採用を拡大しているNSKは、本開発品を適用した製品の売上として、2026年までに10億円を目指す。

開発の背景

各国でSDGsやカーボンニュートラルへの取組みが進む中、多種多様な産業機械においては、さらなる環境への配慮が求められている。

ボールねじは、高い効率を活かした転がり要素部品として、様々な産業機械に使われ、運動の転換や力の伝達の機能を果たす過程で、より省エネを実現する。特に、射出成形機やサーボプレス機などでは、消費電力削減の観点より、駆動方式が油圧式からサーボモータとボールねじを使用した電動式へ切替わりが進んでいる。このような業界トレンドの中、ボールねじの需要増加が見込まれている。

本開発では、環境に優しいバイオマスプラスチックをボールねじ保持ピースに適用することで、カーボンニュートラル実現への更なる貢献が目指される。

開発品の特徴

100%バイオマスプラスチックを、ボールねじ保持ピースに世界で初めて採用
リアルデジタルツインの活用により、開発期間を大幅に短縮

リアルデジタルツインの活用により、寸法、形状、変形、強度等を評価し、従来の保持ピースと同等性能を持つ、バイオマスプラスチック保持ピースの短期間開発に成功した。

本製品の効果

プラスチック製保持ピースは、ボールねじのボール間に配置され、ボール同士の競り合いを防ぎ、ボールねじの耐久性向上に寄与する。本製品は、バイオマスプラスチック材料を使用することによって、さらに“カーボンニュートラル実現への貢献”という新たな価値を提供する。

※1 バイオマスプラスチック:
再生可能な生物(主に植物)由来の資源を原料にしたプラスチック
※2 NSK S1:
NSKボール保持ピースの商標

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