デンソーが同社初のSiCパワー半導体を用いたインバーターを開発。LEXUSの新型BEV「RZ」に搭載

インバーター
デンソーが同社初となるSiC(シリコンカーバイド)パワー半導体を用いたインバーターを開発したことを発表した。本製品は、BluE Nexusの電動駆動モジュール「eAxle」に組み込まれ、2023年3月30日発売開始のLEXUS初の電気自動車(BEV)専用モデル、新型「RZ」に搭載される。

開発のポイント

  • 今回搭載されているSiCパワー半導体は、シリコン(Si)と炭素(C)で構成され、電力損失を大幅に低減する半導体の材料で作られている。BEVの動力源となるモーターを駆動・制御する役割を持つインバーターの駆動素子にSiCパワー半導体を採用することにより、従来のSiパワー半導体を用いたインバーターと比べて、特定の走行条件において電力損失を半減以下にしている。
  • この結果、BEVの電費が向上し、航続距離の延伸に貢献している。デンソー独自のトレンチMOS構造※1を採用したSiCパワー半導体により、高耐圧と低オン抵抗※2を両立し、発熱による電力損失を低減することで1チップあたりの出力を向上。

製造のポイント

  • デンソーと株式会社豊田中央研究所との共同開発による高品質化技術をもとに、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)委託業務による成果を取り込んだSiCエピタキシャルウェハー※3を活用することで、結晶の原子配列の乱れにより素子が正常に作動しなくなる結晶欠陥の半減を実現。
  • 欠陥を低減することにより車載品質を確保し、安定的なSiC素子生産を実現。

※1 デンソー独自のトレンチMOS構造:デンソー特許の電界緩和技術を使用したトレンチ(溝)ゲートを有する素子。
※2 オン抵抗:電流の流れやすさを示す指標。値が小さいほど電力損失が少ないことを示す。
※3  SiCエピタキシャルウェハー:基板となるSiC結晶上に結晶成長を行い、下地基板の結晶面にそろえて配列をする薄膜成長したウェハー。

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