縦積みにこだわり、前後長を詰めたアウディ製V6
V6エンジンにおいて、Vバンク角を60°とし、クランクピンを60°オフセットさせるのが常套手段である。しかし、不釣り合い偶力の発生を覚悟し、90°のVバンク角とする手法も知られる。90°のメリットは、ひとえにエンジン全長の低減と車載時の全高の低減にあり、アウディ主導のV6エンジンはこれを見事に達成している。
VWグループのアウディにおける90°V6では伝統的な選択だが、実はこの選択にはもうひとつの事情がある。Vバンク角を90°にすると、同じく90°のVバンク角であるV8エンジン(と後にV10エンジン)と生産設備が共用できるのだ。無論、アウディはV6に先駆けて1988年からV8エンジンを生産している。

イラストの3L TFSIは、スーパーチャージャーで過給を行なうTFSI仕様。ルーツ式TUSスーパーチャージャーはインタークーラーと一体でVバンクの間に見事に収められている。なお、アウディの前身のホルヒは1933年にドイツ初のV8エンジン車を量産したメーカーである。ちなみにアウディの社名の由来は創業者の名であるホルヒの動詞形「ホルヘン=傾聴する」のラテン語訳に由来している。
フォルクスワーゲン EA837(CGXA) 主要スペック
エンジン形式:V型6気筒DOHC
排気量:2995cc
ボア×ストローク:84.5×89.1mm
圧縮比:10.3
最高出力:213kW/4850-6500rpm
最大トルク:420Nm/2500-4800rpm
吸気方式:スーパーチャージャー
シリンダーブロック/ヘッド材:アルミ合金
吸気弁/排気弁数:2/2
バルブ駆動方式:ロッカーアーム
燃料噴射装置:直噴
VVT/VVL:In◯/Ex◯/×
点火順序:1-4-3-6-2-5


