ジャガーがダウンサイジング路線に乗り出した時代に生まれたエンジン
2026年現在、内燃機関のラインアップが事実上消滅しているジャガーであるが、2010年代前半は当時の流行であったエンジンのダウンサイジング路線に乗っていた時期であった。
それが明確にわかるのが、この2リッター直4直噴ターボだ。ジャガーXJ/XF、レンジローバー・イヴォークに搭載されるこのエンジンはフォードが開発したエコブーストであり、ボルボも採用している。
かつてのフォードPAG(プレミアム・オートモーティブ・グループ)のメンバーだったメーカーは、フォード傘下を離れてもこうして繋がりが深い、ということだ。それにプラスして、この2リッター直噴ターボのダウンサイジング・エンジンとしての素性が優れているということでもある。最大トルク340Nmを2000-4000rpmという回転域で生み出すトルク重視のエンジンで燃費も優秀。しかもエンジン重量が138kgと軽量に仕上がっているのも現代的だった。

吸排気に連続可変バルブタイミング機構)(Ti-VCT)を装備。中低回転域でのトルク向上を図っている。燃料噴射はサイドから行なうサイドインジェクターを採用。ピストン冠面形状も独特だ。

ターボチャージャーは、通常のシングルスクロールタイプだが、エキゾーストマニフォールドからタービンハウジングまでフルに板金で製造しているのが特徴。触媒早期活性、コストダウン、軽量化にもメリットがある。エキマニは、内部で4-2-1の二重管構造になっている。

カムシャフトはタイミングチェーンで駆動。バルブ駆動はローラーロッカーアームではなくダイレクト。ピストンリングとタペットには特殊コーティングが施されている。ツインバランサーシャフトでジャガーらしい滑らかさも備えている。
ジャガー 2L ti 主要スペック
エンジン形式:直列4気筒DOHC
排気量:1999cc
ボア×ストローク:87.5×83.1mm
圧縮比:10.0
最高出力:177kW/5500rpm
最大トルク340Nm/2000-4000rpm
吸気方式:ターボチャージャー
シリンダーブロック/ヘッド材料:アルミ合金
吸気弁数/排気弁数:2/2
バルブ駆動方式:直打式
燃料噴射装置:直噴
VVT/VVL:In◯/Ex◯/×
点火順序:1-3-4-2
(Jaguar XF)