日産、英国での自動運転モビリティ研究プロジェクト「evolvAD」が始動

日産自動車の子会社である欧州日産が支援し、英国政府が資金を提供する英国最新の自動運転研究プロジェクト「evolvAD」が正式に始動した。英国の自動運転能力を強化し、大規模採用に向けたサプライチェーンの準備を技術的に支援することを目的に、「evolvAD」ではコネクテッド自動運転車がさまざまな都市部の住宅地や複雑な地方の道路で走行する。

この研究プロジェクトは、テクニカルリード企業である欧州日産を含む5つの業界パートナーからなるコンソーシアムによって実施され、政府とコンソーシアム パートナーが共同で資金を拠出している。政府の1億ポンドのインテリジェント モビリティ ファンドは、コネクテッド自動運転車センター(CCAV)によって運営され、英国のイノベーション機関である「イノベートUK」によって提供される。

  「evolvAD」は、欧州日産が支援する自動運転研究プロジェクト「ヒューマンドライブ(HumanDrive)」と「サーブシティ(ServCity)」の成功をベースとしており、長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」に向けて加速する日産の自動運転技術の発展に貢献する。

今後21ヵ月間にわたり、「evolvAD」プロジェクトは、「欧州日産」、「コネクテッド プレイシズ カタパルト」、「ヒューマナイジング オートノミー」、「SBDオートモーティブ」、「TRL」の5つのパートナーの専門知識を結集し、英国における将来の自動運転技術の大規模展開に向けた英国のサプライチェーンの準備を技術的にサポートする。「evolvAD」は、英国の自動運転能力を向上させることを目的とした複数の重点分野から構成され、「TRL」の協力のもと、住宅地で先進的な自動運転技術を試験的に導入する欧州日産の取り組みも含まれている。

住宅地において、防犯カメラ等のインフラを活用することで、「evolvAD」のコネクテッド自動運転車は状況認識を向上させるための情報を受け取ることができ、同車両の性能を向上させるためにV2I(Vehicle to Infrastructure)技術をどのように利用できるかについての試験研究が行われる。また、このプロジェクトでは、自動運転車の配備をさらに支援するための新たなV2I技術の開発も視野に入れられている。さらに欧州日産は、複雑な地方の道路でこの技術を試験的に導入し、地方や都市間のコミュニティで多く見られる幹線道路や細い路地に、自動運転モビリティがどのような輸送機会を提供できるかその可能性が探られる。

2023年7月に開始したこのプロジェクトは、EVの「日産リーフ」をテスト車両として使用し、すでに開発段階に入っている。これらの車両は、実際の道路で試験走行する前に、今後数ヵ月間、シミュレーションと専用テストトラックでテストされる予定となっている。

欧州日産は、「evolvAD」を通じて、これまでのコンソーシアムの自動運転研究プロジェクトである「ヒューマンドライブ」と「サーブシティ」の成功に続き、他の走行環境における試験や試験走行を行うことで、自動運転技術とその能力をさらに高めていく。自動運転技術は、日産の長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」における重要な柱であり、日産は、よりクリーンで安全、インクルーシブな世界の実現が目指されている。

■コンソーシアムのパートナー

  • 欧州日産:リーディング パートナーであり、プロジェクト期間中にテスト走行を行うコネクテッド自動運転車の開発を主導
  • コネクテッド プレイシズ カタパルト:高度な機械学習技術を応用して、航空画像から高精細地図を生成
  • ヒューマナイジング オートノミー:交通弱者(歩行者、自転車、オートバイ利用者)の知覚と行動推定能力を備えた英国のサプライヤー
  • SBDオートモーティブ:オンボードサイバーセキュリティと先進安全ケースを担当
  • TRL:スマート モビリティ リビング ラボ(SMLL)テストベッドのインフラを活用した車両システム検証プロセスのさらなる開発

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