ジェイテクト、高耐熱リチウムイオンキャパシタ「Libuddy」を商標登録

ジェイテクトは、同社の商標「Libuddy」(リバディー)が、日本国内で登録されたことを発表した。「Libuddy」は世界初となる、自動車の車室内温度要求に適応する高耐熱リチウムイオンキャパシタである。

コンセプト

Libuddy セル外観

ジェイテクトでは、大型車への電動パワーステアリング(以下、EPS)搭載を可能とするための補助電源の開発に着手し、2017年に世界で初めて自動車の車室内温度要求に適合するNo.1 & Only Oneの高耐熱リチウムイオンキャパシタを開発した。その高耐熱・高出力・長寿命といった特長から、開発当初の目的であったEPSの補助電源に限らず、多様な産業から関心を寄せられ、2019年に量産に至った。

Libuddyには、ジェイテクトの高耐熱リチウムイオンキャパシタ(Lithium-ion capacitor)が様々な産業領域の既存電源ならびに、リチウムイオン電池や燃料電池といった他の蓄電デバイスの相棒(buddy)として世の中に貢献していく、という思いが込められている。

図形部分については、Libuddyの「L」をチェックマークに模し、低温を想起させるブルーと高温を想起させるレッドでカラーリングした意匠によって、①-40℃~85℃の低温環境・高温環境いずれも使用できる業界トップの動作温度範囲、②自己発熱(ジュール発熱)に伴う劣化の大幅抑制で実現した、高負荷連続使用時での高耐久性、③発火しにくい材料構成による優れた安全性、④自動車分野で培った高い信頼性が視覚的に表現されている。

高耐熱リチウムイオンキャパシタLibuddyについて

商標の概要

高耐熱リチウムイオンキャパシタは、二次電池に分類される蓄電デバイスである。電気の出入り(放電・充電)が非常に早く、出力密度に優れている。また、繰り返し充放電による性能劣化が少なく、電池寿命が長いことなどが特長だ。そしてジェイテクトの独自技術により従来のキャパシタの動作温度範囲を凌駕する-40℃~85℃が実現されている。

そして、高耐熱リチウムイオンキャパシタの正極には活性炭を用いており、リチウムイオン二次電池で懸念される熱暴走反応を誘発する酸素を含有していないことから、発火リスクが極めて低い安全な材料構成となっている。また、車載用途にも利用可能な優れた耐久性能を兼ね備えている。

今後の展望

これまでの採用実績として、産業機械領域では、コンピュータ機器における停電や落雷といった電源トラブル発生時に電気を一定時間供給し続けるための装置であるUPSへの量産採用をはじめ、水素燃料電池ドローンの運動性能を飛躍的に向上させる補助電源用途としての検討も進んでいる。また、自動車・商用車向けには、世界一過酷なモータースポーツ競技と言われるダカール・ラリーの参戦車両のハイブリッド主電源として、複数セルを直列したモジュールでの採用実績をはじめ、12V補機電源への適用可能性についても積極的に検討されている。

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