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3分でわかる! ディーゼルのガラガラ音を抑えるナチュラル・サウンド・スムーザーってなに? マツダ3にもCX-5にも入っているSKYACTIV-Dの隠し技

  • 2019/10/29
  • MotorFan編集部 小泉 建治
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国産メーカーのなかでも、最もディーゼルに力を入れているメーカーと言って間違いないマツダ。彼らがディーゼルの静粛性を高めるために開発した「ナチュラル・サウンド・スムーザー」なる技術をご存知だろうか? 2015年にデビューしたCX-3を皮切りに、スカイアクティブD搭載モデルに採用されてきた、「マツダの執念」と表現するに相応しいテクノロジーを紹介しよう。

遮音するだけでなく、発生そのものを抑えたい

 ディーゼルの弱点のひとつが、あの特有のガラガラとした音であるのは今さら言うまでもない。ディーゼルノック音ともいい、構造上しかたがないものとされているが、実は発生するメカニズムは完全には解明されていなかったらしい。

 だから手っ取り早い対応策といえば、音が大きく発生する場所に遮音材を貼ること。さらにエンジンルームそのもの、キャビンそのものの遮音にも徹底的に手をかける。こうして、最近は各メーカーともドライバーやパッセンジャーの耳に届くディーゼルノック音を大きく抑えることに成功している。

 ただ、それだけでは満足できなかったのがマツダだ。遮音材だけではディーゼルノック音の低減には限度がある。だからといって遮音材を増やしてしまえば、当然ながら重量増につながる。コストもかさむ。

「ディーゼルノック音の発生そのものを抑えられないか」

 こうして彼らは、エンジン内部にまでメスを入れることにしたのだ。

ボンネットの裏、バルクヘッド、樹脂カバーなどの遮音材の効果も大きいが……。

 ディーゼルノック音の源流がピストン付近にあることはわかっていたのだが、エンジンを運転させながらの調査は困難を極める。そこでマツダの開発陣が採った手法は、いくつものセンサーを高熱にも耐える特殊な接着剤でピストンやコンロッドに直接固定し、実際の運転状態でパーツの振動や伸縮を計測できる測定装置を作り上げるという、見方によってはとてもアナログな手法とも言えるものだった。

 そんな独自の測定装置による調査結果は、予想外のものだった。ディーゼルノック音の発生源は、シリンダー内での燃焼に加えてピストンの共振が原因になっていたのだ。

 これまで誰にも分からなかったディーゼルノック音の発生メカニズムが解き明かされた瞬間である。

 そこで彼らは、その共振を抑える方策を考えた。ピストンに共振を抑制させる部品を付ける? しかしそんな場所はない。そこで目を付けたのがピストンピンの中心の穴だった。

 かくして生まれたのがこれ。

 ナチュラル・サウンド・スムーザーである。

 この棒状のパーツが、コンロッドとピストンをつなぐピストンピンのホールに差し込まれる。まさに「ここしか場所がなかった」というほかない。

 そして中央部が固定されピストンの上下動を打ち消すように揺れる。いわば制振装置である。

 果たしてナチュラル・サウンド・スムーザーを装着した結果、共振レベルが最も高かった3.5kHz付近の振動は約半分の数値にまで下がった。

 もちろん実用化に向けては、高温に耐えうる強度と精度の確保も肝要だったが、そこは生産部門が「そんなにすごい部品なら、前例がなくてもやってみよう」と、実現に汗を流したという。

 いち消費者から見たら、あまりにも地味な技術と言えるかも知れない。いや……そもそも見ることすらできない。しかしだからこそ、そんな重箱の隅をマツダのエンジニアたちが英知を結集させて突き続けたことにただならぬ凄みを感じてしまうのである。

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