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「過失運転致死傷」容疑で書類送検された池袋暴走事故の被疑者は、厳罰どころか短期懲役あるいは罰金刑で済まされちゃう? 緊急検証!池袋暴走事故の加害者が、ついに書類送検! ところでその根拠、「自動車運転処罰法違反」 って、何?【交通取締情報】

  • 2019/11/12
  • 「東新宿交通取締情報局」
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今年、4月に東京都豊島区池袋で、アクセルとブレーキの踏み間違えと思われる過失で、痛ましい死傷事故を起こした元外務省官僚の飯塚被疑者が、昨日(11/12)、警視庁により「自動車運転処罰法違反(過失致死傷)」の疑いで、ようやく書類送検されたことは、すでに報道されているが、その聞きなれない容疑、「自動車運転処罰法違反」とは一体? さらに「過失運転致死傷」とは? マスコミが解説してくれないその中身を、検証してみよう!

「自動車運転処罰法」の中で、1番軽いのが「過失運転致死傷罪」だった!

 従来(平成13年以前)、交通事故により人を死傷させた場合は、飲酒運転であろうが薬物運転であろうがはたまた無免許運転であろうが、全てにおいて「業務上過失致死傷罪」(刑法211条)が適用されていた。が、その罰則は非常に軽いものであり(下記参照)、近年、悪質な死傷事故が多発するにつれ、厳罰化が求められた結果、刑法の中に「危険運転致死傷罪」が規定されたのが平成13年。しかし、それが適用されるのは、飲酒運転や「故意」が立証される悪質なものに限ってであり、例えば、無免許やてんかんなどの持病を自覚しながら運転し死傷事故を起こした場合でも、適用は難しいという中途半端なものだった。

 そこで、平成26年に、刑法から独立した「自動車運転処罰法」(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)が制定され、その中に、「危険運転致死傷罪」、「発覚免脱罪」、そして問題の「過失運転致死傷罪」が、それぞれ細やかな事例をもって、規定されたというわけだ。

 ここではあえて「自動車運転処罰法」に関しての詳細は省くが、とにかく、飯塚被疑者が送検の根拠として適用されたのが、その内の「過失運転致死傷罪」ということになる。その条文は、以下の通りだ。

★自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法
(過失運転致死傷)
第五条 自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
※免除される可能性があるのは致傷罪のみ

 えっ、「罰則がいやに軽いけど大丈夫?」 と思った人もいるだろう。ちなみに、同法施行前の「業務上過失致死傷罪」の罰則は「5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金」というもの。つまり、より重い罰を与えるという趣旨にて制定された「自動車運転処罰法」にしては、懲役刑の上限がたったの2年引き上げられただけ。もちろん、7年というのは上限であって、それ以下になるケースももちろんある。それどころか、従来と同じ100万円以下の罰金で済まされる恐れもあるのだ。一体、何のための「自動車運転処罰法」なのか、いささか理解に苦しむところではある。参考までに、残りの二つ、「危険運転致死傷罪」、「発覚免脱罪」の基本的な罰則はこうなっている。

危険運転致傷罪:15年以下の懲役
危険運転致死罪:1年以上の有期懲役(最高20年)
発覚免脱罪:12年以下の懲役 
※全てが懲役刑確定(執行猶予を含む)。つまり、罰金で済む可能性が唯一ある「過失運転致死傷罪」は、同法内で1番軽い罪であるともいえる。

 ごぞんじのとおり、この飯塚被疑者は、4月の事件発生以来、1度も逮捕・拘留されることなく在宅のまま警察の取り調べをを受けていたことから、ネットなどで「元高級官僚であり叙勲者でもあることから特別扱いを受けているのではないか?」という非難の声があがっていた。それを揶揄する「上級国民」という言葉が、2019年の流行語大賞にノミネートされているくらいだ。さらに、被害者の遺族は警察の「特別扱い」に業を煮やし、厳罰を求めるために39万人の署名を集めて東京地検に提出している。それにも関わらず、最高刑が懲役7年という「過失運転致死傷罪」容疑にとどめられたというわけだ。しかも、送検されたからと言って罪が確定されるわけではない上に、検察庁が不起訴にすれば、この人は刑事事件上、無罪に等しくなるのだ(警察が書類送検に踏み切ったからには「認知症」、いわゆる精神障害の可能性は消え、不起訴はまずないはずだが…)。

 もちろん、法律を読めば、逮捕・拘留されなかったことは適法だし、「危険運転致死傷罪」を適用するにはやや無理があるというのも事実だが、2017年に発生した「あおり運転事故」では民意が尊重され、法律を拡大解釈することで当事者は厳罰に処せられている(それでもまだ甘いという声もあるが)。果たして今回は民意をどう判断するのか。検察の動向に注目だ!

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