テクノロジーがわかるとクルマはもっと面白い。未来を予見する自動車技術情報サイト

  • 2019/05/14
  • Motor Fan illustrated編集部 鈴木慎一

ターボメーカーが鎬を削るガソリン用VGターボ。なぜ、「可変容量」なのか?

ガソリン用VGターボの開発:ギャレット/ハネウェル、ボルグワーナー、BMTS……

このエントリーをはてなブックマークに追加
BMTSのガソリン用VGターボ
最新のエンジン技術の話題のひとつは、ガソリン用VGターボだ。VGとは可変容量=Variable Geometry、Variable Nozzleなど、各社で呼び方は違うが、タービン側につけたベーンを絞ることで低負荷域や中間域で排気の流速を高めタービンの回転数を上げることができる。結果、小さなターボを使ったのと同じ効果があり、低速トルクとレスポンスが良くなるという効果がある。
ポルシェの2.5ℓ水平対向4気筒ターボが使うガソリン用VGターボ

 VGターボは、ディーゼルエンジンでは一般的だ。ガソリンターボで普及しない理由は、ディーゼルより排気温度が高く、VGターボの可動部分に特殊で高価な合金を使う必要があるからだ。
 これまでガソリンターボでVGターボを使ってきたのは、ポルシェ911ターボ、そして718ボクスターSと 718ボクスターSの2.5ℓ水平対向4気筒ターボだけだった。
 高価なスポーツカーであるポルシェの場合は、高価なターボチャージャーを使っても問題ない(!?)のだが、それでは一般の車両には広がらない。

 その通例を破ってガソリンエンジンにVGターボを採用したのが、VGだ。VGのライトサイジング過給エンジンであるEA211 1.5TSI evoで、「量産車初のガソリンVGターボ採用」が実現したのだ。サプライヤーはハネウェルのようだ。

 とはいえ、ポロTSI R-Lineに搭載して日本導入されたEA211 1.5TSI evoにはVGターボが採用されないなど、まだまだ「一般的」になったとは言えない状況だ。

 通常のガソリンターボにVGターボを採用する場合は、ミラーサイクルと併用して排気温度を下げることで、あまり特殊な合金を使わないVGターボ(=そんなに高価ではない)を使えるようにするという方法が考えられる。

 ターボメーカーが取り組むのは、排気の対応温度の上限を少しでも上げていく技術開発だ。高い排気温度に対応できるガソリン用VGターボができれば、一気に採用が広がる可能性があるからだ。ガソリン用VGターボの開発は、ハネウェル/ギャレット、ボルグワーナー、三菱重工、IHIの大手のほかにもBMTS(ボッシュマーレターボシステム)なども開発を進めている。

 上海モーターショーの会場でガソリン用VGターボをいくつか見つけたので、レポートしよう。

上海モーターショーの会場でガソリン用VGターボ

自動車業界の最新情報をお届けします!


自動車業界 特選求人情報|MotorFanTechキャリア

自動車業界を支える”エンジニアリング“ 、”テクノロジー”情報をお届けするモーターファンテックの厳選転職情報特集ページ


大車林

大車林

基礎原理から最新技術、産業、環境、行政、モータースポーツ、デザインまで、クルマ社会をキーワードで理解する自動車総合情報・専門用語事典『大車林』の検索サービスです。

キーワードを検索
注目のキーワード
メインシャフト
FR用MTにおいて、アウトプットシャフト(出力軸)をメインシャフト(主軸)と呼んでい...
2ローターロータリーエンジン
2つのローターユニットからなるロータリーエンジン。1ローターエンジンでは、エキ...
半球形燃焼室
球殻の一部を壁面とした燃焼室。一般に2バルブエンジンに用いられ、球殻に吸排気バ...

カーライフに関するサービス

ランキング

もっと見る
@motorfan_illustrated