【E07型】実に3つの時代を渡り歩いた、ホンダの傑作軽自動車用エンジン

E07Zの原型は1988年2月に登場したJA2型(初代)トゥデイに搭載されたE05A型で、1990年の軽自動車規格改正に伴い排気量を拡大してE07Z型となる。E07Z型は1998年10月の軽自動車規格改定を機に環境性能と燃費向上を焦点に改良したもので、ライフやZに搭載された。
エンジンコード末尾の開発記号が「B」ではなく「Z」であることからわかる通り内容は別物。ダイレクトイグニッションなどによる燃焼改善、各所のフリクション低減、ノッキング制御による低回転トルクの向上などが図られている。
なお、J型エンジンよりも以前に設計されているため、ホンダの他のエンジンとは逆の、時計回り(出力取出軸端から見て)の回転方向が採用されている。ターボ版は低速トルク増大を狙ったもの。ちなみに、ZE1型(初代)インサイトに搭載されたECAエンジンは、このE07Zがベースとなっていた。
そんなE07Zも登場から約30年が経過した2021年、ついに生産終了となった。ホンダ製エンジンとしては唯一となる、昭和に生まれ、平成を生き抜き、そして令和と3世代に渡って生産し続けたモデルとなった。
【P07型】E07の後継機として。軽らしくショートストロークで高回転型

E07型エンジンの後継として位置づけられる。P07登場当時は既にJ型が登場した後だったため、エンジンの回転方向は他のホンダエンジンと同様、反時計回りが採用されている。
燃焼室内には点火プラグが2本配置されていて、点火タイミングの位相をずらして点火させることで急速燃焼を狙うi-DSI(Dual & Sequential Ignition=2点位相差点火制御)を搭載している。また、軽自動車用のエンジンは高回転域で使用することが多いため、あえてショートストロークを選択。また、排気ポートをシリンダーヘッドのなかで集合させるという形式を採用している。
L型やR型なども同様の形式を採用しているが、ヘッドとエキゾーストマニフォールドを一体化させることにより三元触媒をエンジン直下に配置することができるというメリットが得られる。
2003年の4代目ライフから搭載を開始しており、後継の5代目ライフにも同機が載せられていた。2013年に5代目ライフが生産終了となるとともに、P07A型の生産も打ち切られた。
ホンダ E07/P07 主要スペック
エンジン型式名:E07Z
エンジン形式:直列3気筒SOHC
排気量:656cc
ボア×ストローク:66.0×64.0mm
圧縮比:10.5
最高出力:38kW/7000rpm
最大トルク:62Nm/4000rpm
吸気方式:自然吸気
シリンダーブロック/ヘッド材:アルミ合金
バルブ駆動方式:ロッカーアーム
吸気弁/排気弁数:2/2
点火順序:1-3-2
(バモス)
エンジン型式名:P07A
エンジン形式:直列3気筒SOHC
排気量:658cc
ボア×ストローク:71.0×55.4mm
圧縮比:11.2
最高出力:38kW/7100rpm
最大トルク:60Nm/3600rpm
吸気方式:自然吸気
バルブ駆動方式:ロッカーアーム
吸気弁/排気弁数:1/1
点火順序:1-2-3
(ライフ)

