モンキーオーナー歓喜! ヨシムラを支える“本物のCFRP技術”がベース

ONE OR EIGHT代表の吉田氏が手に持つのはカーボンではなく、安価なガラス繊維で製作したモンキー125用タンクカバー【それでも十分軽い!)。こちらもCFRP製法で作られている。

あまり耳馴染みのない「ONE OR EIGHT(ワン・オア・エイト)」という社名。それもそのはず。同社はいわゆるカスタムパーツメーカーというよりも“レース現場の裏側を支える技術屋”。2輪/4輪問わずレース車両を手掛け、ヨシムラジャパンのレーシングチーム「YOSHIMURA SERT Motul」参戦マシンのカーボン外装の9割以上を製作しているという実力派集団である。

「オートクレーブで焼くCFRPを20年以上やっています」とは、代表の吉田氏。

CFRPとは、いわゆるウェットカーボン(樹脂を後から染み込ませて成形する一般的なカーボン製法)とは違い、プリプレグ(熱硬化性樹脂を浸み込ませた素材)を用いたドライカーボン成形。これを高温・高圧で一気に硬化させる装置=オートクレーブで仕上げることで、内部の気泡やムラを徹底的に排除している。

一般的なウェットカーボンが“手作業で樹脂を含ませる”のに対し、この製法はあらかじめ樹脂量が管理された素材を使うため、精度・強度・仕上がりが安定するのが特徴だ。

その結果、「軽く・強く・歪みが少ない」という状態を高いレベルで実現できる。まさにレーサー基準の製法と言える。

「一つひとつ手作業で作っています」

工業製品でありながら、どこか“作品”のような仕上がり。
その技術をそのままモンキー125用パーツに落とし込んできた、というのがこのプロダクトの本質だ。

「モンキーをハードにカスタムする人はたくさんいると思うんですけど、実はもっと手軽にやりたい人もけっこういるんじゃないか?ってことで、ウチの技術をもっと気軽に体験してもらいたいと思い、精度で勝負しました。日頃からめちゃくちゃ精度を求められているので(笑)」

そんな想いから燃料タンクの上に被せるだけの、モンキー125用・タンクカバーが誕生した。

タンクに被せるだけでOK。“精度で成立する外装”という新発想

ブースに展示されていたモンキー125のデモ車。タンクカバーと分かるよう、従来の燃料タンクの上にカバーが置かれている。

このタンクカバーの最大の特徴は、装着方法にある。

「工具不要/両面テープ不要/ただ被せるだけ」にもかかわらず、驚くほどしっかりフィットする。

「このまま走っても外れません」

実際に触ってみると、その理由はすぐに分かる。
内側まで徹底的に仕上げられた造形精度。バリのない処理、歪みのない面構成。

「内側も外側も綺麗じゃないと成立しないんです」

つまりこれは、固定方法に頼らず“形状精度そのもの”で成立させたパーツ。

さらに言うと、カバーを外せばすぐに元通りになる点も良い。

カスタム初心者でも扱いやすいのに、やっていることは完全にプロ仕様。
このギャップが、この製品の一番の魅力だと言える。

レーシーかつ高級感のあるルックスを楽しめるのも、カーボン素材の良い所

6種類がラインナップ そしてさらに“遊べる外装”という提案も

手前はラッピングシートを貼り付けた例。奥に見えるのは生地素材のシートを貼り付けている。このように塗装やデカールだけでなくアレンジにトライしやすいのもタンクカバーの良い所だろう。

さらにこのタンクカバー、もう一つの魅力が“自由度の高さ”。

ラインナップはかなり幅広く、用途に応じて選べる構成になっているのも特徴。
大きく、ガラス繊維を用いたタイプとカーボン繊維を用いたタイプに分かれて、そこから細分化。

具体的には、ガラス繊維を用いた「いちからアレンジしたい人向けのガラスタンクカバー・素地仕様/下処理後から始めたい人向けのガラスタンクカバー・サフェ仕様(グレー)/白ベースのシンプルなカバーに色を付けたい人向けのガラスタンクカバー・ホワイト塗装仕様」の三種類がラインナップ。

これらは2万円台後半〜3万円台前半と比較的手に取りやすく、製品を普及させるための戦略的なプライスゾーン。「自分で塗りたい」「仕上げたい」ユーザーに向けた仕様だ。

いっぽうで高級感たっぷりなカーボンモデルは「見た目がシンプルでカーボンファイバーと言えばこれ!と言うルックスのカーボンタンクカバー(3K平織)/カーボン柄を美しくみせてくれる綾織のカーボンタンクカバー(3K綾織)/ナチュラルな雰囲気のカーボンタンクカバー(亜麻繊維材)の三種類がラインナップ。

価格帯は5万円台後半〜6万円台前半。素材の違いによる質感の変化も楽しめる。

「最初から全部作り込む人だけじゃなくて、自分で仕上げたい人にも対応できるようにしています」

つまり「そのまま使う/塗る/貼る」どれでも成立する設計。

会場では、ペイントやラッピングで自由にアレンジされた展示もあり、“カーボン=完成品”というイメージを良い意味で裏切ってくる。

“遊べる外装”――この発想、かなり新しい。

中身は完全にレーサークオリティ。でも使い方はめちゃくちゃ優しい。本来カスタムってもっと自由で良い。
そう思わせてくれるプロダクトでした。

ホワイト塗装やサフェーサー仕様など、ベース素材としても販売されている。

メーカー公式サイトはこちら

参考出品も気になって仕方ない!

●マフラーカバー(参考出品)
ドライカーボンならではの織りと立体感が際立つ仕上がり。軽量かつ高強度で機能性も高く、単なるガードパーツではなく“魅せる外装”として成立している。

●フロントフォークカバー(参考出品)
試作品ながら完成度は高く、タンクカバーと合わせた外装トータルコーディネートの可能性を感じさせる。ぱっと見カバーには見えない精度の高さと仕上げの綺麗さにも注目。