ドナルド・トランプ 米大統領が2025年10月、約6年ぶり4回目の来日を果たした。

日本にとって米国は自動車の最大輸出先であるが、近年の「トランプ関税」の影響により、その輸出環境は複雑な局面を迎えている。報道によるとトランプ米政権が2025年4月に日本からの輸入車に対し25%の追加関税を課したことで、同年5月の対米自動車輸出額は前年同月比24.7%減の3,633億円へと大きく落ち込み、その後も9月にかけて2割超の減少が続いた。

従来からの2.5%分を含め、一時は27.5%に達した自動車関税であったが、日米両政府による交渉の末、同年9月16日には15%まで引き下げられた。関税コストの価格転嫁により一時的に輸出額は減少したものの、その後は堅調な米国需要を背景に持ち直しの兆しを見せている。

こうした関税リスクの回避と分散を目的として、日本メーカー各社は米国での現地生産を加速させている。一方で、米国車の日本市場における販売は依然として低迷しており、米国側からは日本の規制が「非関税障壁」であるとの指摘が繰り返されてきた。

このような情勢を受け、トヨタ自動車は2026年2月16日1に施行された新制度を活用し、米国工場で生産されるピックアップトラック「タンドラ」およびSUV「ハイランダー」の日本導入を決定した。

本制度は、米国で製造され同国の安全性適合基準を満たす車両について、日本国内での追加試験を免除して販売できる仕組みである。トヨタはこの制度による認定を取得し、まずはトヨタモビリティ東京を通じて4月2日より販売を開始し、今夏以降には全国展開を目指す方針である。また、現在導入の検討を進めている「カムリ」についても、準備が整い次第、順次販売を開始する予定である。

主要導入車種の概要

タンドラ 1794 Edition

テキサス工場(TMMTX)で生産されるタンドラは、頑丈なラダーフレーム構造を備えた、アメリカンカルチャーを代表するフルサイズピックアップトラックである。

外観は全長5,930mm、全幅2,030mmという圧倒的なスケールを誇り、大型化したフロントグリルがダイナミックな存在感を放つ。荷台には軽量かつ高耐久なアルミと高剛性素材(SMC)を採用し、利便性を高めるパワーテールゲートも装備している。

内装は14インチの大型タッチスクリーンや12.3インチのTFTカラーメーターを採用し、機能性と上質さを両立させた空間となっている。パワートレーンには3.4L V6ツインターボエンジンと10速オートマチックトッションを搭載し、TNGA-Fフレームとの組み合わせにより、優れた静粛性と悪路走破性を実現している。

タンドラの月販基準台数は80台、価格(税込)は12,000,000円。

ハイランダー(米国仕様)

インディアナ工場(TMMI)で生産されるハイランダーは、米国で2001年の発売以来、累計360万台以上を販売してきた3列シートのミッドサイズSUVである。

力強いスタンスとシャープなLEDヘッドランプが特徴の外観を持ち、室内は7人がゆとりを持って乗車できる開放的な空間が確保されている。3列目シートを収納することで約870Lの大容量ラゲージスペースを確保できるなど、高い積載性も兼ね備えている。

走行性能においては、高効率な2.5L直列4気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載し、システム最高出力は184kWに達する。全車に電気式4WDシステム「E-Four」を採用しており、多様な路面状況において安定した走行が可能である。

ハイランダーの月販基準台数は40台。価格(税込)は8,600,000円。

日本の道路事情に合致するのか!?

アメリカの大地を駆けるために設計された「タンドラ」や「ハイランダー」が、日本の狭隘な道路事情や駐車場環境に完全に合致するかと言えば、確かに疑問は残る。全長約6メートル、全幅約2メートルに達するタンドラの巨体は、都市部での取り回しにおいて少なからず制約を受けるだろう。

米国での安全基準をそのまま受け入れる新制度の施行は、日本市場が真にオープンであることを示す試金石でもある。日本の道には「大きすぎる」かもしれない。しかし、その規格外の存在感が、停滞気味の国内市場に新たな刺激と、日米貿易の新しい在り方を提示しているのは間違いがない。