ワゴン化で使い勝手を大きく増したbZ4Xツーリング




トヨタ bZ4X比で140mm延長されたbZ4XツーリングはモデルYの全長と同じだ。ただしホイールベースは変わっておらず、bZ4XツーリングとモデルYの後席空間はほぼ同等の広さとなる。
頭上空間もおおむね同じくらいだが、ルーフ形状やパノラマルーフ面積などの違いにより開放感はモデルYの方が高い。どちらもパノラマルーフが標準装備となるものの、シェードが備わらないモデルYは夏場の直射日光対策が必須であり、一方のbZ4Xツーリングはフロアに対して座面がやや低く、後席乗員は膝裏が浮きやすい欠点がある。
bZ4Xツーリングの特徴は、荷室長の拡大とルーフ形状の変更によって得られた荷室空間と言えるだろう。
モデルYの荷室容量は天井までの容量を計るSAE規格で5名乗車時822リットル、2名乗車時2022リットルとなる。bZ4Xツーリングの公称容量はVDA方式であるため単純な比較はできないが、荷室寸法は長さ1094mm×幅1001mm×高さ850mm、荷室最大長は1850mmであるため荷室容量はモデルYと同等かそれ以上になるはずだ。
2段階フロアボードを採用するbZ4Xツーリングは、床下が66リットル容量の収納スペースとして使えるうえ、荷物固定用のフックと荷室側から後席を倒せるリモートレバーも備わる。交流100VコンセントもモデルYにはない装備だ。
モデルYもフロントフード下に116リットルの防水サブトランクが備わり、後席の格納/展開はスイッチによる電動式となっており使い勝手ではbZ4Xツーリングに劣らない。細部の違いはあるが、車内の快適性や荷室の使い勝手に関しては両車ほぼ互角と言ってよいだろう。
トヨタ bZ4Xツーリング Z(4WD)
ボディサイズ=全長4830mm×全幅1860mm×全高1675mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=2030kg
タイヤサイズ=235/60R18(前後)
テスラ モデルY Premium ロングレンジAWD
ボディサイズ=全長4800mm×全幅1920mm×全高1625mm
ホイールベース=2890mm
車両重量=1990kg
タイヤサイズ=255/45R19(前後)
航続距離と動力性能でモデルY超え!


“モデルY ロングレンジAWD”のパワートレインは、フロントに引きずり抵抗の少ない交流誘導モーターを用い、主駆動を担うリヤには高効率な交流同期モーターを組み合わせて低負荷時の効率と瞬発力を両立させるテスラ独自の構成だ。
対する“bZ4Xツーリング Z 4WD”は前後に同スペックの交流同期モーターを用いており、ベースとなるbZ4Xより強力なリヤモーターに換装されたことで姿勢制御に使える駆動力と加速性能が大きく引き上げられている。
両車の0-100km/h加速タイムはモデルYの4.8秒に対して、bZ4Xツーリングは4.5秒。WLTCモード平均電費においてはモデルYの138Wh/kmに対して、bZ4Xツーリングが121Wh/kmと上回り、航続距離ではモデルYの682kmに対して、bZ4Xツーリングが690kmと僅差ではあるが凌駕した。
ただし、充電性能には依然として大きな差がある。bZ4Xツーリングは最大150kWの急速充電が可能だが、モデルYは専用のスーパーチャージャーにより最大250kWの充電が可能であり、15分間の充電で最大267km走行分の電力を補充できるとされている。bZ4Xツーリングが150kWで15分間充電したとしても、補充できる走行距離は150〜200km程度に留まるだろう。
とはいえ自宅充電主体の使い方であれば大きな問題はない。また、テスラは現時点で国内のV2LやV2Hに対応していないため、EVの活用幅ではbZ4Xツーリングの方が広い。
加えて、bZ4Xツーリングにはスバルの知見を活かした悪路走行支援システム“X-MODE”と、床下透過表示機能付きのパノラミックビューモニターが搭載されており、オフロード走行での安心感でもbZ4Xツーリングが優勢だ。
トヨタ bZ4Xツーリング Z(4WD)
エンジン形式=交流同期電動機
排気量=-
最高出力=F:227ps/-rpm R:227ps/-rpm
最大トルク=F:268Nm/-rpm R:268Nm/-rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=4WD
テスラ モデルY Premium ロングレンジAWD
エンジン形式=F:交流誘導電動機 R:交流同期電動機
排気量=-
最高出力=F:215ps/-rpm R:299ps/-rpm
最大トルク=F:240Nm/-rpm R:350Nm/-rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=4WD
このスペックでモデルYより安い! しかしテスラの壁は厚く高い


“bZ4Xツーリング Z(4WD)”の新車価格は640万円、“モデルY ロングレンジAWD”は647万6000円。CEV補助金はbZ4Xツーリングが130万円、モデルYが127万円であり、価格面でもbZ4Xツーリングがほんのわずかに優位となる。
内外装の雰囲気は対照的だが、4WDの5人乗りEVとしての基本性能や快適装備、使い勝手はほぼ同等と言ってよく、用途や好みに応じて選び分けても問題はないはずだ。
トヨタはbZ4Xツーリングで、ようやくモデルYに比肩する性能を手にした。しかし、EVサービスとしての広い観点ではまだまだテスラが強い。
なによりテスラはスーパーチャージャーの充電料金が3年間にわたって無料になるキャンペーンを定期的に行なっている。トヨタもTEEMO(ティーモ)を利用した1年間充電無料キャンペーンを実施しているが、月あたり2回まで、上限30分の制約付きではテスラの規模には敵わない。
さらに高度自動運転“フルセルフドライビング(FSD)”の国内導入準備もテスラは着々と進めている。
加えてテスラは、2026年4月には3列シート仕様の“モデルY L(749万円)”を追加。全長とホイールベースを延長し、バッテリー増量により航続距離788kmを実現したこの6人乗りモデルは、多人数乗車を求める層を確実に取り込むことだろう。
大雑把にまとめれば、車両スペックではbZ4Xツーリング、日常の使い勝手に影響する充電環境の面ではモデルYに軍配が上がると言えるだろう。
車両本体価格
トヨタ bZ4Xツーリング Z(4WD):640万円
テスラ モデルY Premium ロングレンジAWD :647万6000円
