250ccスワップなのに自然すぎる。USDMグロムが放つ異様な完成度
2013年に登場したホンダ・グロムは、“遊べる125cc”として世界中で人気を獲得。コンパクトな車体にスポーツバイク的な楽しさを詰め込み、日本だけでなく北米でも独自のカスタムシーンを生み出した。
さらに2021年登場のJC92型では5速ミッション化をはじめ、エンジンや車体を大幅アップデート。外装脱着のしやすさなど、カスタムベースとしての自由度も高められた。
そんなグロムをベースに、SCRWORKSが製作したのがこの一台だ。アイキャッチとなっているのが、US仕様純正SPモデル用ボディデカール。これだけでマシンの雰囲気は一気にUSDM感マシマシ。そしてエンジンをよく見てほしい。なんとこの車格にCBR250R(MC41)エンジンをスワップして約30psのパワーを獲得! ノーマルのJC92型グロムが10psだから、約3倍近い出力を持つ“怪物仕様”である。
さらにBST製フルカーボンホイールを前後へ投入。回転マスとバネ下重量を大幅に軽減し、究極のフットワークを実現している。普通ここまでやると、もっと“やってる感”が出そうなもの。でも、このグロムはとても自然体なのだ。その理由が、北米カスタムらしい“クリーンさ”。CHIMERA製スワップキットを軸に、配線や補機類を極力目立たせずレイアウト。さらにBAJA DESIGNS製LEDライトやBREMBO製キャリパー、aRacer製メーター、COMPOSIMO製バックステップなど、北米カスタムで人気のハイエンドパーツを惜しみなく投入。250ccエンジンが積んであるとは思えないほどほどスッキリとまとまっている。パーツを見せびらかすのではなく、“完成された空気感”を作る。これぞ北米のカスタムシーンそのもの。USDMスタイルの面白さだ。


実際、ストリートに溶け込むこの姿は、まるでアメリカ西海岸のライドミーティングそのものだった。低く構えたシルエットに、USホンダ純正SPグラフィック。そしてカーボン製ホイールと250ccエンジンを違和感なく積むマシンメイク。“速そう”というより、“なんかヤバそう”。そんな雰囲気なのだ。しかも、前後サスペンションはRACINGBROS製で統一され、フロントブレーキにはBREMBO製4ポットキャリパーを投入。ブレーキホースやスプロケットなど、走行性能に関わる部分まで抜かりなくセットアップされている。ちゃんと走るし、ちゃんと速い。だけど必要以上に主張しない。この肩の力が抜けた感じこそ、北米ミニバイクカルチャーの魅力なのだろう。

リヤビューは完全に別モノ。コンパクトな車体へ250ccエンジンとロングスイングアーム、さらにカーボンホイールまで詰め込んだ姿は、まさに“USDM怪物仕様”だ。
■MACHINE:ホンダ・グロム ■OWNER:SCR-WORKS

BST製フルカーボンホイール、BREMBO製キャリパー、RACINGBROS製フロントフォーク&リヤショックなど、各部のパーツ構成は完全に“本気仕様”。それでいて派手に見せ過ぎないバランス感覚が大きな魅力だ。小さな車体なのに、漂うオーラは完全にフルサイズスポーツ!

USホンダ純正SPグラフィックを採用した外装も特徴。パッと見は“ショーバイク”。でも見た目重視じゃないことがすぐ分かる。CBR250R(MC41)用249ccエンジンをグロムへスワップしながら、全体のシルエットは驚くほど自然。
エンジン周り

CBR250R(MC41)用249cc水冷単気筒エンジンをスワップ。CHIMERA製スワップキットを使用し、30ps超のパワーをコンパクトなグロム車体へ自然に収めている。シリンダーヘッドはSCRWORKSによるポート加工済みで、SMR製6プレートクラッチを投入。ECU、イグニッションコイル、プラグコードはaRacer製を採用。
排気系

マフラーは、TWO BROTHERS RACING製カーボンサイレンサーをベースに、ワンオフエキパイを組み合わせた仕様。低く長く見せるサイドシルエットにもひと役買っている。
吸気系

吸気側にはCHIMERA製スロットルボディKIT+インテークファンネルを装着。横に剥き出しのスタイルがインパクト抜群だ。
フロント足周り

レーシーなだけでなく、高級感たっぷりなBST製フルカーボンホイールを前後へ投入。軽量化だけでなく回転マス低減にも大きく貢献し、加速レスポンスや切り返し性能まで鋭く変化させる。「タイヤ交換時は傷付けないようめちゃめちゃ気を遣いました(SCRWORKS菊池さん)」。タイヤはKENDA製120/70-12サイズを履く。
コクピット周り

ハンドルは、CHIMERA製トップブリッジを中心に構成。ASV INVENTIONS製レバーやaRacer製Sport Dディスプレイなど、細部まで抜かりなし。

DRIVEN RACING製“HALO”クイックリリースフューエルキャップを装着。こうした細かなパーツ選びにも、USハイエンドカスタムらしい空気感が宿る。
ポジション関連

ハニカムパターンで仕上げられたシートは、北米カスタムシーンらしい“ストリート感”を強く感じさせるポイント。派手すぎないのに、上から見た瞬間にノーマルとはまったく違う空気を放つ。
灯火類

ヘッドライトは、BAJA DESIGNS製LEDユニットを採用。CHIMERA製ライトプレートと組み合わせることで、北米ストリートらしい独特なフロントフェイスを作り上げている。
ブレーキ周り

フロントブレーキはBREMBO製4ポットキャリパーをCHIMERA製キャリパーサポートで装着。ディスクローターはFAR製として30ps超のパワーへ対応する。
リヤショック

リヤショックは、CHIMERA製マウントを介してRACINGBROS製SHIZANEショックを採用。“走れるUSDM”を強く意識した構成だ。
スイングアーム

スイングアームは、CHIMERA製アクスルブロックでロング寸グアーム化。JT製スプロケットを装着する。チェーンラインや足周りの処理も美しく、こういう細部の作り込みこそ、北米ハイエンドビルドらしいポイントだ。


ベースマシンはこちら
2021年に登場したホンダ・グロム(型式JC92)
新設計の5速MTエンジンを採用し、街乗りからスポーツ走行まで軽快な走りを実現。特徴的なボルトオンカウルはカスタムの自由度を広げ、自分だけの一台を作る楽しさを提供する。
