共通フレームだから成立する、“METRUCK”というUSスクーターカルチャー
一見すると「クレア顔のズーマー」。だが、このマシンの面白さは単なる外装スワップでは終わらないところにある。ベースとなるのはホンダ・ズーマー。そこへ北米仕様メトロポリタン(国内名クレアスクーピー)の漢字をあしらったデザインが特徴の「05 METROPOLITAN KANJI EDITION」フロントカウルを組み合わせ、“METRUCK”スタイルとして成立させている。
実はズーマーとクレアスクーピー(北米名メトロポリタン)は、ホンダの公式資料でも紹介されている通り、低床パッケージを採用した共通骨格(アルミダイキャスト製二分割フレーム)を持つ兄弟車。そのため、こうしたフロント周りのコンバートが驚くほど自然に成立する。USでは以前からこの組み合わせが定番化しており、“RUCKUS × METROPOLITAN”=“METRUCK”として独自のカルチャーを築いてきた。
そしてSCR WORKSが製作したこの車両は、その文脈を日本流ではなく、あくまでUSDM視点でリアルに仕上げているのがポイント。COMPOSIMO製エンジンハンガーでホイールベースはストレッチされ、ロー&ロングスタイルへ変更。さらにGY6系エンジンを搭載し、存在感あるワイドホイールと極太タイヤを組み合わせることで、ノーマルでは絶対に出せないシルエットを完成させている。
足周りにも強いこだわりが詰め込まれる。ホイールはRUCKHOUSE製EASTON V1を装着し、サイズはフロント12×4J、リヤ13×8J。タイヤサイズはフロント110/60-12、リヤ140/60-13というワイドな組み合わせだ。ブレーキキャリパーにはFEIGN製を採用し、USスクーターらしいショーカスタム的な雰囲気も色濃い。
コクピット周りはJSB FABRICATIONS製ハンドルをベースに、TRAIL TECH製Vapor Gaugeメーターをセット。必要最小限まで削ぎ落とした構成ながら完成度は極めて高い。さらにシートにはBRIDE柄、リヤショックにはATR製、フロントフォークにはRRGS製を組み合わせるなど、各部にUSカスタムシーンで支持されるブランドを投入している。
そして外せないのが、車体右側へ大きく跳ね上げられたTWO BROTHERS RACING製マフラー。低く構えた車体に対し、あえて短くカチ上げたサイレンサーが独特のバランス感を生み出している。
クレア顔なのに、ちゃんとズーマー。そしてUSカルチャーとして成立している。そんな“METRUCK”の魅力を、この1台は見事に体現しているのだ。

MACHINE:ホンダ・ズーマー OWNER:teru
極太140サイズタイヤとローダウン化された車高が強烈なインパクト。低く構えたスタイルに、USスクーターカルチャーの空気感が色濃く漂う。アウディ純正のナルドグレーもポイントだ。

ズーマーの無骨なフレームに、メトロポリタンの丸みあるフロントカウルがなんともユニーク。このシルエットこそ、“METRUCK”の最大の魅力だ。

右側から見ると、フレームワークや足周りの作り込みがより鮮明に見えてくる。シンプルながら、各部のバランス感覚にSCRWORKSらしさが詰まった1台だ。
ハンドル周り

ハンドルはJSB FABRICATIONS製を採用。TRAIL TECH製Vapor Gaugeメーターを中心に構成されたコクピットは、シンプルながら機能性もしっかり確保されている。
フロント足周り

RRGS製フロントフォークに、FEIGN製ラジアルマウントブレーキキャリパー&ウェーブディスクを組み合わせる。タイヤサイズは110/60-12で、低さとストリート感を両立したセットアップだ
ステップ周り

アルミ削り出しが美しいステップはJSB製を採用。肉抜きデザインを取り入れたシャープな形状で、無骨なフレームワークに機械的なアクセントを加えている。
エンジン周り

エンジンはGY6(180cc)をスワップ。駆動系カバーはFLP製を装着し、駆動系を魅せる要素に。ロングホイールベース化された車体に合わせ、低く長く見せる“USスクータースタイル”を強調している。ATR製リヤショックの存在感も大きい。
吸気系

吸気は、OKO製キャブレター+パワーフィルター仕様。フレーム内へコンパクトに収められており、シンプルな構成ながらレーシーな空気感を漂わせる。
マフラー

マフラーは、TWO BROTHERS RACING製を装着。カーボンサイレンサーの質感に加え、跳ね上げたレイアウトがマシン全体のシルエットを際立たせる。
リヤホイール

ホイールは、RUCKHOUSE製EASTON V1の13×8Jサイズを投入。ミシュラン製140/60-13タイヤとの組み合わせで、USDMらしい極太&ロー&ワイドなスタイルを実現。
テールランプ

ヤマハR6スタイルのLEDテールをフレーム内へスマートにマウント。シンプルに整理されたリヤ周りは軽快感も演出している。

ベースマシンはこちら
2001年に登場したホンダ・ズーマー。外装を極力排したフレーム構造と極太タイヤで人気を博し、カスタムベースとして独自のカルチャーを築いたモデル。2007年にFI化され最終モデルは2012年式。


