基本的に、金属ボディが電流を逃がすため乗員は保護される

雷雨
夏は積乱雲の発達により、激しい雷雨が予測される。

近年、7月から8月にかけて猛烈なゲリラ豪雨が増えている。それにともない、運転中にゲリラ豪雨による雷によって感電する危険性はないのかと、不安に感じる人も多いはずだ。

しかし、結論から言えば、一般的なクルマに乗っている限り落雷によって乗員が感電するリスクは極めて低いとされる。

雨の中で止まっているクルマ
”ファラデーケージという現象にによって、雷は地面に流される。

その理由は、クルマの構造がもたらす”ファラデーケージ”と呼ばれる物理的な現象にある。そもそも電流は、金属である車体の表面を通って地面へと逃げていく性質を持っている。

そして、車内は金属製のボディに囲まれているため、もし車体に雷が落ちたとしても車体を伝った電気は最終的にタイヤを通じて地中へと放出されるため、車内にまで影響が及ぶことはないというわけだ。そのため、空間の内部にいる乗員には電流が及ばず、基本的に安全が保護されるしくみだ。

なお、飛行機が雷雲の中を飛んでも安全に航行できるのも、これとまったく同じ原理によるものである。

EVも、強固な絶縁構造と遮断機能で感電リスクを抑制している

EVの充電
雷が大きな影響を与えないようにEVも対策されている。

前述のように、ガソリン車については安全だと分かったが、大容量バッテリーを積んでいるEVの場合、雷が落ちたらシステムがショートしてしまうのではないかと心配になる人も少なくないだろう。

しかし、実はEVも従来のクルマとまったく同様に、雷の電流は車体表面を流れてそのまま地面へと逃げていくしくみとなっている。

さらに、EVの心臓部である高電圧バッテリーや駆動システムには、車体を流れる強大な電流が内部のシステムに干渉しないように堅牢な絶縁構造がほどこされている。

くわえて、万が一システムに異常な電流が流れ込みそうになった場合には、瞬時に回路を自動遮断する安全機能も備わっているため、落雷が直接の原因となってバッテリーが爆発したり、感電したりするリスクは確実に抑えられるというわけだ。

クルマの修理の模型
クルマ自体へのダメージは考えられるが、人命に関わる事故は発生しにくい。

とはいえ、強大なエネルギーによってカーナビなどの電子機器の故障は避けられない場合もあるため、クルマへの落雷が完全にノーダメージで済むとは限らない。

また、タイヤのパンクやボディ塗装の剥がれといった物理的な損傷が生じる可能性はあるものの、人命に関わる事態にはなりにくいとされる。

雷雨の中のフロントガラス
金属部分を触らないように注意し、雷が鳴り止むまでは車内で待機する方が安全だ。

そのため、雷が激しい時は慌てて車外へ出ず、安全な場所にクルマを停めて車内で待機するのが重要になる。その際、感電を防ぐためにドアノブや窓枠などの金属部分には絶対に触れないよう注意を払うことが、身を守るための最大のポイントだ。

ゲリラ豪雨が過ぎ去って周囲の安全が十分に確認できるまでは、焦らず車内でやり過ごすのが賢明な判断と言えるだろう。