派手じゃない。でも毎日ちょうどいい

ヨーロピアンテイストのスリムな車体に前後14インチ大径ホイールを履くディオ110。2021年のモデルチェンジで排気量110ccの新設計eSPエンジンを搭載。燃焼効率をより向上させた空冷4ストロークOHC 単気筒エンジンは、ロングストローク化により力強い走りと高い環境性能を持つ。また、ワンプッシュで静かにエンジン始動するACGスターターを採用し、ユーロ5相当の排ガス規制をクリアするなど、クリーンな走りも実現している。
車体は軽快な走りを実現する軽量高剛性のプレス成型フレームを採用。スマートキー採用モデルと価格を抑えた物理キー採用の2タイプが揃いユーザーの選択肢も広い。ビジネスシーンにも似合うシンプルで上品なスタイルに、しっかり走るホンダらしい完成度とコスパの高さで人気のモデルである。幅685mmというスリムな車体は狭い駐輪場でも邪魔になりにくく、実際、建築関連の職人さんなどが狭い現場にちょこんと駐車している姿もよく見かける。この“邪魔にならないサイズ感”もディオ110ならではの魅力だ。

通勤快速らしい実用性を持ちながら、どこかスタイリッシュさも感じさせる110。飾り立てない自然体のデザインも、このモデルの魅力だ。

軽量コンパクトな車体とフラットな足元スペースによって、街中での扱いやすさは抜群。毎日気軽に使える“生活の道具”として完成度が高い。

スリムな車体によって、狭い道でも扱いやすいサイズ感を実現。通勤や配達、営業用途など幅広いシーンで支持される理由のひとつだ。リヤ周りもスッキリしたデザインでまとめられている。

欧州やアジアでも支持される“大径ホイール実スク”思想

欧州やアジアの国々を訪れると、背の高いスリムな車体に大きなホイールを組み合わせたスクーターをよく目にする。その理由は道路環境だ。欧州の街並みでは今でも石畳が多く残っていて雨が降れば滑りやすいし、アジアでは都市部でも一歩外れれば未舗装路だらけだ。そういった道で庶民の生活を支えるアシとして進化してきたのが大径ホイールを履くスクーターである。
空冷エンジンは排気量も110㏄ということで、絶対的なパワー感では同じホンダでも水冷4バルブのPCXやリード125には負けるが、ディオの強みはロングストロークならではの力強い低中速トルクと歯切れの良い鼓動感。そして、100kgを切る軽量な車体とも相まって他の125ccクラスと比べても遜色のないキビキビとした走りが楽しめる。ちなみに車重はリード125より20kg近く軽いのだ。

個人的にはポジションも好みだった。背筋が伸びたアップライトな姿勢は遠くまで見通せて腰も痛くなりづらいし、フラットなシートは前後移動に自由度があり大柄なライダーでもゆったりと乗れる。そして一番の魅力は、前後14インチの大径ホイール。穏やかで軽快なハンドリングは細めのタイヤによるところが大きく、少々荒れたアスファルトでも安心感がある。たとえばコーナーで出くわす凸凹のペイント(減速帯)も神経質にならずに通過できる。また、コンビブレーキは左ブレーキだけで短くしっかり止まれる優れモノ。フロントは強く握るとロックするが、ロック時の過渡特性が穏やかなのは14インチのメリットかも。いっぽうでサスペンションはややバタバタする印象で、気になる人は社外製リヤショックにグレードアップしてもいいだろう。広くアジア地域にも流通するコスパ重視のグローバルモデルということで、ある意味で割り切った設計になっていると思う。フラップ(蓋)付きのフロントポケットにヘルメット1個を収納できる18ℓのシート下トランク、メンテナンスに便利なセンタースタンドなど、日常のアシとして求められる機能はしっかりと確保している。アイドリングストップ・システムなどの恩恵による、55.6km/l(WMTCモード値)という燃費の良さも大きな魅力だ。

14インチホイール

前後14インチホイールを採用することで、直進安定性と段差乗り越え性能を向上。小径ホイール車よりも落ち着いた乗り味が特徴で、荒れた舗装でも安心感が高い。

シート下トランクスペース

容量約18Lのシート下収納を装備。大容量タイプではないが、小ぶりなヘルメットやレインウエア類を収納するには十分なサイズ。日常用途をしっかり押さえている。

メーター

視認性を重視したシンプルなメーターを採用。必要な情報を分かりやすく表示し、毎日使うスクーターとしての実用性を高めている。

アイドリングストップを装備

信号待ちなどで自動的にエンジンを停止し、スロットル操作でスムーズに再始動するアイドリングストップ機構を標準装備(ON/OFF切り替え可能)。燃費向上だけでなく、停車時の静粛性アップにも貢献する“街乗り実スク”らしい装備だ。

パーキングブレーキ機能

左レバーを固定できるブレーキロック機構も装備。駐車時や荷物の積み降ろし時に車体が動きにくくなるため、街中や坂道でも扱いやすい。毎日使う実用スクーターらしい気配り装備のひとつだ。

原付免許で乗れる「新基準原付」モデルもラインナップ

現行Dioシリーズは、価格を抑えた物理キー仕様の「Dio110・ベーシック」ならびに、原付免許で乗れる”新基準原付”モデル「Dio110・ライト」の2機種を展開。用途や予算、免許制度に合わせて選べる“生活密着スクーター”として進化を続けている。

Dio110・ベーシック

アイドリングストップ機構を備え、最高出力は8.7psを発揮。前後14インチホイールによる安定感と96kgの軽量車体によって、街中では抜群の扱いやすさを発揮する。通勤から買い物まで幅広く対応する万能型で、WMTCモード値55.6km/Lという優れた燃費性能も魅力。税込価格は25万800円。

Dio110・ライト

新基準原付に対応した注目モデル。車体サイズや快適性は110ccクラス同等ながら、一人乗り専用&出力を抑え(5.0ps)原付免許で乗れることが特徴。細身で軽量な車体は都市部との相性も良く、通勤・通学用途にも最適。Dioシリーズらしい扱いやすさを、より身近に楽しめるモデルとなっている。税込価格は23万9800円。

※スペック等は2026年5月現在。メーカー公式サイトはこちら

※この記事は月刊モトチャンプ2024年9月号を基に加筆修正を行っています

【モトチャンプ編集部】