遠目には普通の角目カブだが、近づくとデフォルメされたフロント周りに圧倒される。広角レンズで前から撮影すると、マンガの扉絵のようなパース感が生まれる。

純正風なのに違和感だらけ!? “パース感”を狙った角目カブ

外観はいたってノーマルな角目カブ……と思いきや、近づくと何やら違和感を感じさせる。その答えは、フロントタイヤが21インチになっているせいだ!

後方から見ると、遠近感がバグったようなフォルムなのがよくわかる。今後はピリオンシートやロングシート化も検討しているという。

そのルックスは、まるでマンガの1コマのよう。パースを感じさせるデフォルメボディは、前から見ると自然に写真映えする不思議さを持つ。しかし、横や後ろから見ると相当な違和感があり、フロントタイヤの巨大さは超個性的だ。

大径タイヤや小径タイヤをカスタムの手法として盛り込むのは定番だが、このように純正フォルムのまま片輪だけというのはなかなか見ない。あえて純正フォルムをキープするのがオーナー・まつまつさんの遊び心で、意表を突かれたギャラリーの反応が楽しいという。

2個イチフォークから始まった異形ロングフォーク計画

もともとの始まりは、腕試し感覚で入手した“2台分のカブ用フロントフォーク”だった。

それを2個イチ加工してロングフォーク化したことから、「これを生かせる車体を作ろう」と構想がスタート。丸目か角目のカブを探していたところ、たまたま手に入ったのがマイナーな角目カブだったという。

スーパーカブの大径ドラム仕様ハブへ、XLR250R用21インチリムを組み合わせる。2個イチ加工されたロングフォークとの組み合わせで異様な存在感を放つ。

当初は前後17インチのまま、少しチョッパー風なスタイルを楽しんでいた。しかしリヤをローダウンし、さらにフロントへ21インチを投入したことで、車体バランスは完全に破綻。そこからヘッドライト角度やフレーム角度を修正し、現在の“脳をバグらせる”フォルムへ仕上げていった。

ちゃんと実用的に走れるにもかかわらず、見た目は完全に異世界。そんなギャップも、この車両の大きな魅力だ。

純正状態ではヘッドライトが天を照らしてしまうため、首元から曲げ加工して角度を修正。それ以外は極力ノーマル感を残している。

ありそうでなかった“純正風デフォルメ”という新ジャンル

カブカスタムの世界では、ハーレーダビッドソンを彷彿とさせるアメリカンチョッパー風へフルモディファイする人は存在する。しかし、純正フォルムを維持したまま、ここまで大胆なデフォルメを成立させた例はかなり珍しい。

特にこの車両は、純正らしさを残しているからこそ違和感が際立つ。見る人の脳内で遠近感がバグるような、不思議な存在感を放っているのだ。

ありそうでなかった“パース系デフォルメカスタム”。今後、ひとつのジャンルとして広がっていくかもしれない。

ディテールチェック!

延長されたフロントフォークに合わせ、フェンダー位置やフロントキャリア角度も調整。巨大な21インチとのバランスを細かく作り込む。
車体後部の角度を適正化するため、メインフレームを一度分離して再溶接。レッグシールドとエンジンの隙間を見ると、大幅な角度変更がわかる。

撮影したのはこのEVENT!

「奈良カブミーティングVol.20」
■日時:2026年5月10日(日)
■開催地:唐子・鑓遺跡史跡公園(奈良県)

こちらの車両は日本一参加者が集うカブイベント「奈良カブミーティング」で撮影されたもの。詳細はこちらのSNS(奈良カブ)をチェック!
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【モトチャンプ】