アル・パチーノの代表作にして伝説的名作

© 2026, 1983 UNIVERSAL CITY STUDIOS, INC.

1980年。避難民に紛れキューバからアメリカへと渡った犯罪者の一人として、フロリダ州マイアミへ流れてきたトニー・モンタナ(アル・パチーノ)。難民収容所での殺しを請け負ったトニーはマフィアの一員となり、マイアミの大物ボスであるフランクの信頼を得ます。

麻薬王との取引の交渉役に抜擢されるなど、アメリカの裏社会での地位を築いていくトニー。やがて、自らのおごりと底なしの欲によりフランクの怒りを買い、さらなる激しい抗争と、その先にある破滅の道へと突き進んでいきます。

激動の80年代を舞台に究極の“成り上がり”を描く本作だけに、ワルのステップアップの象徴として車が有効に使われています。ギラついた若きトニーが最初に乗るのは1968年製シボレーのインパラ・コンバーチブルで、いつの間にか1963年製のキャデラック・シリーズ62コンバーチブルに乗り換え。大物との麻薬取引にはクライアントの1978年製ロールス・ロイス シルバーシャドウIIに乗せられますが、まだ手が届かない高級車です。

© 2026, 1983 UNIVERSAL CITY STUDIOS, INC.

麻薬取引の現場で出会った美女エルヴィラ(ミシェル・ファイファー)に下品なキャデラックへの乗車を拒絶されると、即座に自動車店へ行き1979年製のポルシェ928を購入。結局は元のキャデラックに乗ることになるのですが、このシーンでパチーノがファイファーの帽子を被っておどけてみせるのは、じつは台本にはなかったアドリブ。このやり取りをきっかけに二人の距離がぐっと縮まり、その後トニーが久しぶりに家族に会いに行くシーンへとつながります。

なりふり構わない暴虐ぶりで成功を掴んでいくトニーですが、自身の罪をもみ消すための汚れ仕事からは逃れられません。

Ford country squire(1083)

ある人物の暗殺を依頼されるシーンで彼が乗るのは、ウッドパネルも地味な1983年製のフォード・カントリー・スクワイア。1972年製の真っ白なシトロエンDS21を尾行するのですが、どんなに金を稼いでもトニーが真に求めるものは決して手に入らないのだろう……と間接的に突きつける、とても哀しいシーンでもあります。

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