「サーキット向けにはRMSがあるので、完全にストリートに振っています」とRECAROの前口光宏さん。「普段乗りがメインで、年に1回か2回だけサーキット……みたいな方々はギュウギュウじゃなくて、ゆとりがあって、汗をかきにくいことが重要」という。

RSSのシートバックには縦長の開口部がある。RMS譲りの特徴だが、RMSはそれによる通気性のよさで、実際のレースでも汗をかきにくいという実績を持つ。RSSでも蒸れにくさに寄与。爽快感を保てると評されている。

通気性に関しては、シートバックの開口部が担い、表皮材の違いはおもに触感となる。RSSには2タイプが用意され、『アーティフィシャルレザー×ウルトラスエード』はしっとりとした高密度な密着感が得られる。

もうひとつの『カムイ×ブリリアントメッシュ』はさらりとしたドライな印象で、やや硬質なホールド感だ。

RSSはゆとりがあるのに、吸いつくようなフィット感がある。RS-Gより大幅に引き上げられた高剛性と独自のシェル形状によるもので、面全体で体を優しく包み込む。

こちらはアーティフィシャルレザー×ウルトラスエードのレギュラーシェル『RSS UT』で、税込み価格は18万7000円。ラージシェルの『RSS UT L』は+1万1000円の税込み19万8000円となる。

こちらはカムイ×ブリリアントメッシュのラージシェル『RSS BK L』で、税込み価格は16万5000円。レギュラーシェルの『RSS BK』は税込み価格15万4000円。

ラージシェルはヒップ・骨盤まわりの着座面内寸を40mm広げ、さらにゆったり座れるようになっている。もっとも、シート全体の幅は15mm増に抑え、シートベルトバックル付近は両側で20mm絞り込むことで、細部の干渉を避けている。サイドアダプターこそ専用となるが、ベースフレーム(シートレール)はレギュラーシェルと共通だ。

前口さんは大柄でない人にも用途によっては「ラージシェルでいいんじゃない?」と薦めているが、それは前述の「ゆとりがあるのにフィット感がある」RSSの素性に起因する。いくつかの販売店でも聞いた話だが、実際、ラージシェルの需要は高い。

RMSなどと同じく、シートレールの内側にヒップを入れて座る設計により、低い着座位置が得られるが、ラージシェルはレギュラーシェルほどには下がらない。

RSSのサイドアダプターはシートの取り付けボルト穴が多く、角度をいろいろ選択できるが、前口さんのアドバイスは以下のとおり。

「RSSはやや寝かせ気味に取り付けて、ストレート基調のシートバックに“背中で座れる”ように設計されていて、背中でインフォメーションを感じるようにすることで、本来のよさを引き出せる」という。さらに、

「肩まわりなど、剛性を出しにくい部分の剛性を高めたことで、疲れにくくしているが、その恩恵をもっと感じるためにも寝かせたほうがよい」とのことだ。

東名阪自動車道 鈴鹿ICそばにあるRECAROの直営ショールーム『THE VISIT SUZUKA』は、販売拠点ではなく、納得いくまで座って、詳しい知識が得られる場所。前口さんもそこにいて、さまざまな相談に応えている。個別のアドバイスを得たい人は、気軽に立ち寄っていただきたい。

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