ホンダ車とは違う“アキュラらしい走り”を明確に実感

前編に続いて、ホンダが展開する高級車ブランド「アキュラ」のエントリーSUV「ADX」を紹介していこう。
こちらの連載記事では、過去にもアキュラの「MDX」のほか、ホンダの「パイロット」や「プロローグ」などについてもレポートしてきたが、ADXに試乗してあらためて実感したことが、アキュラは見た目だけでなく、走りの面でもホンダ車とのキャラクターの違いを明確にしていることだ。
それは一言で表現すれば「スポーティ」という言葉に尽きるのだが、アキュラのSUVはSUVに乗っていることを忘れてしまうほど、体幹がシャキッとした乗り味を実感させてくれる。ワインディングを走っていても不快なロールを感じさせるところがなく、自信を持ってコーナーに切り込んでいくことができるのだ。
パワー感は1.5Lターボなりではあるものの、加速したい時には機敏に反応してくれるため心強い。CVT特有のラバーバンドフィールを感じることもない。

日本の道路環境にも合いそうなサイズと走り
アメリカの道路は日本と比べて広くまっすぐで、信号の数も圧倒的に少ない。そのため日本人が重視する「ストップ&ゴーにおける反応のよさ」や「気持ちよく曲がるコーナリング性能」といった判断基準よりも、長距離を一定速度で巡行する時の快適さが重視される傾向にあるのは確かだ。

だが、ADXは間違いなく日本の道路環境でも気持ちよく走ることのできるSUVで、サイズ的にもジャストフィット。これはもしや、最近話題の日米交渉を踏まえた新制度を利用した日本導入もあるかも!?などと、個人的には期待してしまったのだが、実はADXはメキシコ生産。米国産ではないので、残念ながらその可能性は低いと言わざるを得ない。

走行モードは4種類、上級グレードには個別設定も用意
走りのフィーリングを変えたい時には、パワートレインなどの走行特性を変更できる「インテグレーテッド・ダイナミック・システム」が便利だ。スノー、コンフォート、ノーマル、スポーツの4つのモードから選択できるが、試乗車の「A-Spec with Advance Package」にはエンジンレスポンスやパワステのアシスト量、排気音、アイドリングストップ、メーター表示などを独立して調整できるインディビジュアルモードも備わっていた。

試乗したカリフォルニアでは出番は少なそうだが、スノーモードが標準で備わっているところも日本向きと言えるだろう。積雪する地域はもちろん、たまにしか雪が降らない都市部のユーザーにとっても滑りやすい路面でトルク配分を自動制御してくれる機能は安心感を高めてくれる。

542km走行で平均燃費は約11.0km/Lを表示
ちなみに燃費については、約542kmの走行距離で平均燃費計は約11.0km/Lを表示。大人2名とカメラ機材を常に乗せて走り、駆動方式が4WDであることを考えると、まずまず良好な値と言っていいだろう。
ラゲッジルームは通常時の奥行きが約880mm、ホイールハウス間の幅が約990mm、高さが約750mmといったところ。幅は手前側の方が広くなっており、最も広い部分で約1290mmとなっている。
後席シートは6:4分割可倒式で、背もたれを倒すと前席までの奥行きは約1820mmにまで拡大。フロアとシートの間にできる隙間を覆うカバーがついていて、ほぼフラットな状態になるので、とても使いやすい。

細かな快適装備も充実、上級グレードはさらに豪華
室内の細かな装備類もチェックしていこう。
空調は左右独立のフルオートエアコンで、前席シートヒーターを全車に標準装備。「A-Spec with Advance Package」には前席シートベンチレーションも備わっていた。

「A-Spec with Advance Package」はステアリングヒーターも標準装備。A-Specのエンブレムの上にスイッチが備わっている。

データ通信用と充電用のUSB-Cポートとスマートフォンのワイヤレス充電器は全車に標準装備。リヤ用の独立したエアコン送風口は全車に備わるが、後席用の充電用USB-Cポートはグレード別の設定だ。

オーディオはグレード別設定で、通常の8スピーカー付き「アキュラ・プレミアム・サウンド・システム」も十分に豪華な内容だが、「A-Spec with Advance Package」は15スピーカーの「バング・アンド・オルフセン プレミアム・サウンド・システム」を装備する。
Google built-inやワイヤレス接続にも対応
車載インターフェースのGoogle built-inは、Googleマップだけでなく好みのアプリを追加できるGoogle Play Store、音声エージェントのGoogle Assistantもインストール済み。Alexaの音声操作にも対応し、Apple CarPlayとAndroid Autoはワイヤレス接続も可能だ。

ショートカットキー(ホーム画面に表示されるアイコン)は自分好みに編集することも可能。実際にはあまり使わない機能を削除したり、後でまた追加したりすることができる。
と、かように充実した装備類を見ても、やはりADXは細部にこだわる日本のユーザーも満足できる仕上がり。どの角度から眺めても魅力に溢れるコンパクトSUVだ。
