状況に合わせた使い分けが、体調や燃費に影響する

エアコンボタン
エアコンパネルの内気循環と外気導入では体調や燃費への影響が違う。

普段からクルマを運転している人であれば、ダッシュボードの中央にある空調の操作パネルを毎日目にしているはずだ。そこには、エアコンパネルに車の絵が描かれた「内気循環」と「外気導入」という2つのボタンが用意されている。

しかし、これらが持つ本来の役割の違いについて、深く考えたことがある人は意外と少ないのではないだろうか。

実際、季節を問わず常に内気循環か外気導入のどちらか一方のモードを選択した状態に固定していたり、なんとなくいつも同じ設定のまま走っている人も少なくないかもしれない。

しかし、内気循環と外気導入のモードは車内の環境を適切に保つために、それぞれ全く異なるメカニズムを持って設計されているため、このふたつを状況に応じて使い分けないと体調や燃費に影響が出るおそれがあるとされる。

内気循環
内気循環では外からの排気ガス流入を防ぎ、車内の空気を綺麗な状態にする。

たとえば、トンネル内や渋滞時での走行は、内気循環が役立つという。これは、外からの排気ガス流入を防ぐために外気の汚れた空気をシャットアウトして車内のクリーンな状態を維持しやすくするためだ。

また、内気循環は夏場にエアコンが効き始めるまでの時間を短縮できるため、一時的にコンプレッサーの負荷を減らして燃費の悪化を抑える効果も期待できる。

居眠り運転
長時間の内気循環は車内の二酸化炭素が増加し、眠気や注意力の低下につながる。

一方で、長時間のドライブでずっと内気循環のまま走ってしまうと、車内の二酸化炭素濃度が徐々に上昇していくリスクが考えられる。

さらに、二酸化炭素の増加にともなう眠気や注意力の低下は、安全運転を阻害する大きな懸念材料にもなりかねない。

内気循環の多用による車内の空気環境がもたらすドライバーへの健康リスクは、法令遵守の観点からも軽視できない行動といえそうだ。

普段の走行や窓がくもりやすい時は外気導入が基本

雨の日のフロントガラス
外気導入によって新鮮な空気を車外から取り入れることで、クリアな視界を保つ。

車内の空気を常に新鮮に保ち、安全な視界を確保するためには、内気循環から外気導入への切り替えが不可欠となる。

また、外気導入は常に新鮮な空気を車外から取り入れることで、車内の二酸化炭素濃度の上昇を効率的に防いでくれるため、普段の走行や複数人が乗車して窓がくもりやすい時は、酸素を取り入れる外気導入が基本である。

たとえば見通しの悪い冬場や雨の日に、複数人が乗車すると乗員の呼気によって車内の湿度が急激に上昇し、フロントガラスが真っ白にくもってしまう場面を想定してみよう。

このような場面では、外気導入に切り替えることで車外の乾燥した空気を取り込み、車内の湿気を含んだ空気を外へ押し出すことで視界をクリアにすることができる。

なお、もしもガラスがくもったままの危険な状態で走行を続け、視界不良による前方不注意から事故などの交通の危険を生じさせた場合は、厳しい措置がとられるおそれもある。

無用なトラブルや交通事故を防ぐためにも、クリアな視界とクリアな意識を保つための外気導入は必須の判断といえるだろう。

心と体にゆとりを持ち、運転に集中できる環境を整えてから目的地へ向かうように心がけたい。

エアコンを調整する人
内気循環と外気導入を切り替えることで、クリアな視界を保って快適なドライブを実現する。

このように、内気循環と外気導入を賢く切り替えることでエアコンの冷房効率を最大限に高めつつ、常に新鮮な酸素を脳に供給して健康的なドライブを維持することができる。

エアコンの切り替えは個人の好みに委ねられている部分も大きいが、クリアな視界を保って安全に走るための大切な工夫のひとつでもある。

自身の利用する内気循環と外気導入のシステムが求める最適な要件を改めて確認し、責任ある行動を心がけたい。