アシストグリップは乗降時の身体の移動を補助する装備!

アシストグリップ
アシストグリップは乗り降りを簡単にするための補助が目的の一つである。

助手席に乗っている際、ドアの上についている謎の取っ手を、乗車中やカーブで身体を支えるために掴んでいる人も少なくないだろう。しかし、この取っ手の本来の役割は、走行中に揺れる車内で体を支えることだけではない。

この取っては正式名称を「アシストグリップ」と言って、足腰が弱い高齢者やケガをしている人など、乗り降りが不自由な人が車内へスムーズに出入りするための補助として設置されている。

そもそもクルマの乗り降りは、シートの位置や車高によっては想像以上に足腰に負担がかかる動作となる。

そこで、このグリップをしっかりと掴んで体重を預けることにより、頭上や体を安定させてスムーズな乗降をサポートできるよう設計されているというわけだ。

山のドライブ
車内の大きな揺れに対して体を固定するために活用する目的もある。

もちろん、悪路を走行している際や急なカーブを曲がる際など、車内での横揺れに対して一時的に体を固定するために活用するのも正しい使用方法のひとつだ。

ただし、走行中にこのグリップを常に力任せに掴んでいなければ姿勢を維持できないような乗り方をしている場合は、シートの座り方やシートベルトの締め方が適切でない可能性もあるため注意したい。

グリップ裏側のフックは、服などをハンガーで掛けるためのもの

アシストグリップのハンガーかけ
フックにハンガーをかけることによって、衣類を綺麗な状態で保っておけるというメリットもある。

アシストグリップの形状をよく観察してみると、車種によっては単なる手すり以上の工夫がほどこされていることに気づくだろう。

グリップの裏側に小さなフックがついている車種も多く、普段はその存在を意識しないような目立たないデザインになっているが、実はこれにも利便性を高めるための役割が与えられている。

このフックはクリーニングした服などをハンガーで掛けるためのものであり、スーツやドレスといったシワをつけたくない衣類を、車内で運ぶ際に重宝する装備だ。

たとえば、出張時や冠婚葬祭の移動時に上着をシートにそのまま置いてしまうと、走行中の振動や体の動きによってどうしてもシワが寄ってしまうおそれがある。

そうした際、このフックにハンガーを引っ掛けて吊るしておくことで衣類の形状を美しく保ったまま目的地まで安全に運ぶことができるというわけだ。

クルマのサイド
荷物を掛けすぎてしまうと、サイドの視界が塞がれてしまい危険である。

とはいえ、だからといって衣服を何着も大量に掛けたり、重い荷物を吊るしたりすると、ドライバーの斜め後方の視界を遮ってしまい安全運転の妨げになる可能性があるため注意が必要だ。

もし道路交通法第70条が定める安全運転義務違反に抵触し、周囲の状況を確実に確認できない危険な運転であると警察官に判断された場合は、違反点数2点にくわえて普通車であれば9000円の反則金が科せられるリスクもあるため、視界を塞がない程度の適切な範囲で利用することが賢明といえる。

安全運転
メーカーの想定した使用を心がけることでトラブルや怪我を防ぐ。

無用なトラブルや思わぬ怪我を防ぐためにも、車内に備え付けられている装備はメーカーが想定した正しい方法で使用することが重要となる。

したがって、アシストグリップを走行中に強く掴み続けると、万が一エアバッグが作動した際に怪我をするおそれもあるため、正しい用途を知っておくことが大切だ。

また、近年のクルマには窓側に沿って広範囲に展開するサイドカーテンエアバッグが搭載されている車種も多い。そのため、グリップを掴んで腕を上げた状態のままエアバッグが勢いよく開くと、その衝撃で腕や顔に大きなダメージを負う危険性がある。

だからこそ、心と体にゆとりを持ち、正しい乗車姿勢を維持して運転に集中できる環境を整えてから、安全なドライブを楽しむように心がけたい。