1996年(平成8年)にホンダがリリースしたジョーカーは、アメリカンカスタムの外観をイメージした、既存のスクーターにはない独創的なスタイリングが特徴の原付モデル。大柄な車体、左右に大きく広がったパイプハンドル、流れるような美しいテール部などを採用。メッキパーツを多用するなど、高級感とカスタム度を引き立てているのもポイントだ。 REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
大胆なアメリカンカスタムのスタイリングをスクーターで表現
ホンダ ジョーカー……1996年(平成8年)8月発売

キャンディメープルレッド

ブラック

マックスシルバーメタリック
シート~リヤエンドの形状は、アメリカンならではの伸びやかなティアドロップ型をイメージ

シートからリヤエンドのデザインは、伸びやかなティアドロップ(涙滴)型を採用。月刊モトチャンプより。
1996年(平成8年)にホンダが発売したジョーカーは、既存のスクーターにはなかった、大胆かつ美しいデザインに仕上げた非常に稀有なモデルだ。 外観は左右に広がったパイプ型のティアドロップアップハンドル、ベーツ型フロントヘッドライト、大柄なロー&ロングのデザインなど、アメリカンカスタムのエッセンスをスクーターで表現しているのが大きなポイント。 アメリカンカスタムフォルムをイメージしたジョーカーには、前後にディッシュタイプのキャストホイール、クロームメッキのヘッドライトケース、極太のハンドルグリップ、前後にクロームメッキのガーニッシュ、セミロングタイプのシートを採用。 シート高はアメリカンカスタムのごとく、695mmのローポジションに設定。低いシート高、ゆったりとしたシート形状、幅広いハンドルの採用によって、アメリカンカスタムを彷彿させる開放感のあるライディングポジションを実現している。 スタイリングはフロントからリヤまで流れるような滑らかな曲線で構成。 また、シートからリヤエンドにかけては、伸びやかなティアドロップ型(アメリカンモデル定番のガソリンタンク形状)とすることで、アメリカンらしさを主張。 10インチに設定された前後ホイールは、お皿形状のディッシュタイプを採用。車体の各部にメッキパーツを組み合わせるなど、原付スクーターながらアメリカンカスタムムードを上手に演出しているのも見逃せないところだ。
エンジンは空冷2スト単気筒49ccで、パワーは4.9馬力に抑制

フロントサスペンションはボトムリンク式を採用。ブレーキはディスク式。
エンジンは、空冷2サイクル単気筒49ccを搭載。ワイドレシオのVマチック (無段変速)を組み合わせ、低中速域での粘り強い走りを獲得するとともに、高い静粛性と低振動性を実現。アメリカンカスタムというイメージを考慮し、パワーは2ストながら、当時のメーカー自主規制MAXだった7.2馬力ではなく、4.9馬力に抑制されている。 フロントサスペンションはボトムリンク式、リヤサスペンションはユニットスイング式を採用。ブレーキはフロントが油圧式シングルディスク式、リヤがドラム式。 シート下には、ハーフサイズのヘルメットが収納できるメットインスペースを設置するなど、スクーターならではの利便性も確保。カラーは「ブラック」「マックスシルバーメタリック」「キャンディメープルレッド」 の3色を設定。 ジョーカー発売から2ヶ月後の1996年(平成8年)10月には、89ccエンジン、Wシート、タンデムステップを装備したジョーカー90も登場。両モデルは欧州にも輸出され、「Shadow50」「Shadow90」として販売された。 ジョーカーは50&90ともに、1997年モデルをもって新たな排ガス規制をクリアせずに生産終了となったが、絶版後もその独創的かつ完成度の高いフォルムが人気となり、現在もコアな層から支持されている。
2人乗りも可能な90ccバージョン。最高出力は8.2馬力のパワフル仕様
ホンダ ジョーカー90……1996年(平成8年)10月発売

マックスシルバーメタリック

マックスシルバーメタリック

ブラック

キャンディメープルレッド
空冷2サイクル単気筒89ccを搭載したジョーカー90。2人乗りができるタンデムシート&タンデムステップも装備。ジョーカー90のエンジンは8.2馬力のパワフル仕様。外観や足周りは50cc版と共通。両車のスペックの違いを見てみよう。 【ジョーカー(50)】 排気量:49cc 内径×行程:39.0mm×41.4mm 圧縮比:6.9 最高出力:4.9ps/5,750rpm 最大トルク:0.62kgm/5,500rpm キャブレター型式:PB2G 乾燥重量:84kg 燃料消費率(30km/h定地走行テスト値):49.0km/L 当時の発売価格:23万8000円 【ジョーカー90】 排気量:89cc 内径×行程:48.0mm×49.6mm 圧縮比:6.2 最高出力:8.2ps/6,500rpm 最大トルク:0.96kgm/6,000rpm キャブレター型式:PB11 乾燥重量:89kg 燃料消費率(60km/h定地走行テスト値):39.0km/L 当時の発売価格:25万8000円

タンデムシートと折り畳み式のタンデムステップを装備したジョーカー90。パワーは8.2馬力。

こちらは49ccエンジン搭載のジョーカーのシート周り。カスタム度の高いロゴデザインもポイント。
50&90のニューカラー(パールシャーウッドグリーン)……1997年(平成9年)発売

ジョーカー(49cc)

ジョーカー90(89cc)
ホワイトカラーのスペシャルモデル……1997年(平成9年)発売

ジョーカー用カスタムパーツをチェック
多数のスクーター用ドレスアップパーツを発売していた紫紋からは、ジョーカー用のカスタムパーツも発売されていた。写真下は月刊モトチャンプより。


ホンダ ジョーカーの主要諸元
型式:A-AF42 全長×全幅×全高(m):1.885×0.935×1.060 軸距(m):1.200 最低地上高(m):0.110 シート高(m):0.695 車両重量/乾燥重量(kg):89/84 乗車定員(人):1 燃料消費率(km/L)30km/h定地走行テスト値:49.0 最小回転半径(m):2.1 エンジン型式:AF20E 空冷・2サイクル・単気筒 総排気量(cm3):49 内径×行程(mm):39.0×41.4 圧縮比:6.9 最高出力(PS/rpm):4.9/5,750 最大トルク(kgm/rpm):0.62/5,500 キャブレター型式:PB2G 始動方式:セルフ式(キック式併設) 点火方式:CDI式マグネット点火 潤滑方式:分離潤滑式 潤滑油容量(L):1.4 燃料タンク容量(L):5.8 クラッチ形式:乾式多板シュー式 変速機形式:無段変速式 キャスター(度)/トレール(mm):28°00′/81 タイヤサイズ: 前 100/90-10 56J 後 100/90-10 56J ブレーキ形式: 前 油圧式ディスク 後 機械式リーディング・トレーリング 懸架方式: 前 ボトム・リンク式 後 ユニット・スイング式 フレーム形式:アンダーボーン 当時の発売価格:23万8000円
ホンダ ジョーカー90の主要諸元
型式:HF09 全長×全幅×全高(m):1.885×0.935×1.060 軸距(m):1.200 最低地上高(m):0.110 シート高(m):0.695 車両重量/乾燥重量(kg):94/89 乗車定員(人):2 燃料消費率(km/L)30km/h定地走行テスト値:39.0 最小回転半径(m):2.1 エンジン型式:HF05E 空冷・2サイクル・単気筒 総排気量(cm3):89 内径×行程(mm):48.0×49.6 圧縮比:6.2 最高出力(PS/rpm):8.2/6,500 最大トルク(kgm/rpm):0.96/6,000 キャブレター型式:PB11 始動方式:セルフ式(キック式併設) 点火方式:CDI式マグネット点火 潤滑方式:分離潤滑式 潤滑油容量(L):1.4 燃料タンク容量(L):5.8 クラッチ形式:乾式多板シュー式 変速機形式:無段変速式 キャスター(度)/トレール(mm):28°00′/81 タイヤサイズ: 前 100/90-10 56J 後 100/90-10 56J ブレーキ形式: 前 油圧式ディスク 後 機械式リーディング・トレーリング 懸架方式: 前 ボトム・リンク式 後 ユニット・スイング式 フレーム形式:アンダーボーン 当時の発売価格:25万8000円
