60年以上の歴史を誇るカブが、このように、自由気ままなカスタムの素材として活用されるようになるとは、当時の開発者たちはつゆほども思わなかったに違いない。この2台のカスタマイズを見てもわかるように、カブには日本中、世界中のバイク好きを熱狂させる不思議な魅力が秘められているのだ。 月刊モトチャンプ 2019年8月号より PHOTO●重松浩平(SHIGEMATSU Kohei) REPORT●モルツ

職人魂と巧みなデザインが融合 十車十色のカスタマイズ!

京都のカスタムショップ、KLASSE(クラッセ)が2台のデモマシンを投入して注目を集めた! 写真右のブラウンは以前本誌でも紹介した、ハイマウントタイプのハンドルやボディのスリム化を図った実用的なフリスコスタイルで、スプリングシートや低めのハンドルでアップデート。新規のブラック(左)はこの形状を踏襲しつつ、モンキー用の12インチ3.5Jキャストホイールを組んでワイド&ロー&ロングのミニマルなフォルムを完成させ、カブカスタムの新たな可能性を見出した一台! ヘッドライトやウインカーにアメリカン譲りのワイルドなバードケージを備え、タックロールのシートと合わせて縦にラインがつながるようにしているのがこだわりだ。 同店が製作するカブの特徴は、純正の燃料タンクを取り払ってシート位置を低めにセットし、センターフレームに別途オリジナルタンク(容量3.5ℓ/5ℓ)を新設した独特なフォルムがあげられる。同店の竹内代表は建築関係や四輪のカスタムを経ており、別角度からアプローチを試みた賜物と言えるだろう。もちろんフレーム加工後の処理・補強や各パーツセレクトのセンス、塗装など細部に至るまでため息がでるほどハイクオリティだ! その一方で、純正のボトムリンク式フロントフォークやスイングアームのまま加工したり、乗り心地を考えてリヤショックをリジッドにはせず、マウント位置を付け替えて対応するなど実用性やカブらしさは残している。これがカブ乗りに〝刺さる”のだ! 別モノとして捉えられがちなショーモデルではなく、カブであることを絶妙なバランスで示しているからこそコアなユーザーから支持されているわけだ。なお、コンプリート製作は約40万円からとなっている。細かなカスタムオーダーもできるから興味がある人はぜひ問い合わせてみよう!

SUPER CUB 50


「アップライトなフリスコカブ」


マフラーはセミアップ仕様。リヤサスはマウント位置を変更し、ストローク量もしっかりと確保しているから乗り心地を損なわない。


リヤフェンダーをチョップし、板金加工でダックテールにアレンジ。燃料タンクは省略してえぐり加工を施し、ソロシートでアメリカナイズに!


ポストはワンオフで溶接し、キーシリンダーを埋め込んだFRPカバーを装着。10㎝アップのアタックバーは内部に配線を通してすっきり!

SUPER CUB 50


「クラシックに美しく」


シート下部のフレームカットを80㎜に留め、燃料タンクのあった場所を小物入れとして活用。本来はこの収納部にマットが備わる。


自転車用のアルミペグをステップ&キックペダルとして流用する遊び心がマル。滑りにくいし、意外と踏ん張りが効くため実用性も高い!


スイングアームを150㎜延長し、リヤにはダックス用のフェンダーを加工して取り付け。あえてフルカバーのリヤサスにしているのがニクイ演出だ。


ポストやステム周りのデザインは共通だが、こちらはステム幅を50㎜広げてワイドなドラッグバーを装着。オールブラックがCOOL!

モトチャンプ 2019年8月号 巻頭特集 「CUB 世界のカスタムサンプルが大集合」 日本、アメリカ、タイのお手本改 / カブカスタムのルーツを教えて! / 知っておきたい雑学集 etc. ・ツーリングの必需品「インカム+α厳選カタログ」 ・達人対談「NSR250Rマニアックトーク」 ・スクーター好き必見「三輪バイクが楽しい!」