コンパクトミニバンとしての実力は互角! 違いはどこに?

全長4m強の扱いやすいボディサイズにスライドドアと3列シートを詰め込んだ両車は、新車販売でも常にトップ10入りしている人気車種だ。

2022年8月に登場した現行型シエンタは、日本の道路事情にマッチした5ナンバーサイズを維持しながら室内空間が拡大され、とくに頭上空間が旧型比で大きく広がっている。

シート構成は2列シートの5人乗りと3列シートの7人乗りの2種が用意され、パワートレインは排気量1.5L 直列3気筒のガソリンモデルとハイブリッドモデルの2種だ。ガソリンモデルの燃費はWLTCモードで最大18.4km/L、ハイブリッドモデルが28.4km/Lとなる優れた経済性もシエンタの大きな特徴と言えるだろう。

対する現行型フリードは2024年6月にフルモデルチェンジした。ベーシックグレードの“AIR”は2列目がゆったりと座れるキャプテンシートの6人乗りでウォークスルーも可能。最上級グレード“AIR EX”は6人乗りに加え、FFのみ7人乗りが設定されている。

SUVスタイルの外観を纏う“クロスター”は6人乗りに加え、旧型のフリードプラスを引き継ぐ5人乗りも設定されており、ロングテールゲート&超低床ラゲッジフロアが特徴だ。

パワートレインは1.5L 直列4気筒のガソリンモデルと、シリーズハイブリッドシステム“e:HEV”の2種類であり、WLTCモード平均燃費はガソリンが最大16.5km/L、ハイブリッドが26.5km/Lとシエンタに劣るものの十分魅力的な数値だ。

新車販売台数ではシエンタがわずかにリードしているが、フリードも高い基本性能を武器に猛追しており、両車は甲乙つけがたいライバル関係にある。

中古車価格が下がってきたシエンタと、いまだに高額なフリード

現行型の中古車流通台数は、先行してモデルチェンジしたシエンタの方が圧倒的に豊富だ。とはいえ、登場してからまだ4年弱であり10万kmを超えた個体は少ない。 パワートレインの種類ではハイブリッドモデルが中古車販売の中心となっている。

中古の現行型シエンタは、8万〜9万km走行したガソリンモデルなら140万円台から購入でき、走行距離5万km以下に条件を絞ると底値は170万円に上がる。ハイブリッドモデルの価格はガソリンモデルより約10万円高が相場だ。

乗車定員別の流通台数を比べると7人乗りの方がわずかに多く、価格は5人乗りモデルに比べて約10万円高い180万円が底値となる。

グレード別の価格では、走行距離5万km以下のガソリンモデルは、エントリーグレードの“X”と中間グレードの“G”が170万円から、最上級の“Z”が190万円からだ。一方、ハイブリッドモデルの走行距離5万km以下に条件を絞ると、“G”や“X”が180万円から、“Z”は200万円が底値となる。

シエンタの現在の新車価格はガソリン車が207万7900円〜277万3100円、ハイブリッドモデルが247万9400円〜332万2000円だ。中古で購入するなら、新車との価格差がもっとも大きくなるハイブリッドのZグレードのFFが狙い目と言えるだろう。

なお、ハイブリッドモデルにのみ設定される4WDグレード“E-Four”は走行距離5万km以下で250万円からと高額であるうえ、流通台数は全体の1割程度と極めて少ない。

シエンタより2年遅れてモデルチェンジしたフリードは、現行型発売からの期間が短いこともあって、いまだ走行距離3万km未満の低走行車や新古車、未使用車が大部分を占める。

エンジン別およびグレード別ではガソリンモデルのベーシックグレード“AIR”が230万円から、装備が充実した上級グレード“AIR EX”は260万円程度からの値段で販売されている。ハイブリッドモデルは“AIR”が250万円から、“AIR EX”は280万円からと見積もりたい。“クロスター”はガソリンとハイブリッドともに260万円からだ。

4WDの価格はガソリンモデルが290万円から、ハイブリッドモデルが320万円からと新車価格並であるうえ、中古車では極めて希少な存在だ。

フリードの新車価格はガソリン車が262万3500円〜285万6700円、ハイブリッド車が302万2800円から325万6000円となる。基本装備が充実しているぶん新車のボトムプライスはシエンタより高めとなっており、中古車価格が高い要因にもなっている。

今、中古で購入するならシエンタの“ZグレードFFモデル”一択!

フリードは高い人気に加えて発売から日が浅いこともあり、新車価格との差額が非常に少ない状態が続いている。現行型フリードの中古車購入は、もう数年は待つ必要がありそうだ。

その代わり、現行型シエンタの登場年式に近い旧型フリードであれば、走行距離5万km以下の個体がガソリンモデル、ハイブリッドモデルともに150万円前後で販売されており、現行型シエンタよりも若干安く購入できる。

そのシエンタも、高い人気に後押しされて中古車価格は高めに維持されている。なかでも下位グレードである“G”や“X”は新車価格との差が小さく、中古車としての旨味は控えめだ。しかし、新車との価格差が大きく開いている、最上級グレード“Z”の中古車は割安感が高まってきている。底値となる支払い総額200万円で走行距離5万km以下のZグレードが購入できれば十分買い得と言えるだろう。

とくにシエンタは新車の販売状況が不安定だ。2026年6月末から販売店での受注が再開されたが、納期は長期化しているうえ、今後再び早期に受注停止へ陥る可能性も否定できない。

現行型シエンタのZグレードかつFFモデルに狙いを絞るなら、中古車での購入を前向きに検討してもよい時期に入ったと言えるだろう。