ディーゼルモデルはとくに高額! ハイエースの中古車が値落ちしない理由

輸送業務などの事業用途から、アウトドアユースやキャンパーなどの個人用途まで需要が高いトヨタ ハイエースは中古車価格が高く、値落ちもしづらい。

2004年にフルモデルチェンジした200系ハイエースは、現在もマイナーチェンジを重ねながら進化を続けているワンボックスカーだ。優れた積載能力と耐久性から、商用車としてだけでなく車中泊やアウトドア用途で個人が選ぶケースも増えており、その人気の高さから中古車価格も高値で安定している。

そもそもハイエースは法人需要が中心であり、リース契約終了や原価償却後に手放される個体が市場に多く出回るため、中古車の流通台数は非常に多い。それを中小企業や個人事業主、個人ユーザーが買い求める構図が出来上がってしまっているため、中古車価格はなかなか下がらない。

とくにディーゼルモデルは、走行距離が30万kmを超えた過走行車でも海外への輸出需要があるため、なおさら相場は下がりにくい。一方、ガソリン車は原則として国内市場で取引されるため、一般的な中古車と同じく走行距離やボディの状態によって価格が動く。ただし需要自体が高いため、低走行の個体は相応の高値で販売されている。

このような市場原理が働くため、ハイエースの中古車はガソリンモデルとディーゼルモデルで価格傾向がまったく異なる。中古のハイエースを探す際は、以上の前提を理解しておくことが大切だ。

エンジン/年式別ハイエースバンの中古車価格相場

ハイエースの中古車は、エンジンと駆動方式の違いが価格に大きく影響する。ガソリンエンジンには排気量が異なる2種類が設定されるが、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンほどの価格差はない。

ハイエースは改良のたびに呼び番号が改定されていき、初期の1型から最新の10型までの仕様差が価格にも影響する。一般的には1〜3型を前期、4型以降を後期とする区分が広く用いられるが、ガソリンモデルの実勢価格を見ると、1〜2型、3〜4型、5型以降の3グループで明確な価格差が生じている。

1型と2型のガソリンモデルは、状態を問わなければ80万円程度から購入できる。走行距離10万km以下の条件をつけると120万円から、5万km以下の個体は140万円からが目安だ。

2010年7月登場の3型と、2013年12月に登場した4型の中古車価格は過走行車でも100万円以上となる。走行距離10万km以下では140万円からとなり、5万km以下では180万円が底値だ。なお2014年12月の改良型となる4型後期ではトランスミッションがそれまでの4速ATからシーケンシャルシフトマチック付6速ATへと進化しているが、意外にも3型や4型前期との価格差は小さい。

先進運転システム“トヨタセーフティセンスP”が標準搭載された5型以降は、底値が150万円へと上がり、走行距離10万km以下の個体は180万円から、5万km以下では200万円からが相場となる。

2024年1月に登場した8型以降は、市場に出回る個体の多くが新古車と未使用車で占められており価格も新車並みだ。なお、ガソリンエンジンには2.0L と2.7L の2種類が設定されるが、排気量による大きな価格の乖離はない。

ディーゼルモデルの中古車はガソリンモデルと同列で語れない

ディーゼルエンジンは20万〜30万kmを走行しても問題なく稼働する耐久性の高さから、走行距離の基準そのものがガソリン車と異なるため単純な比較はできない。また、新車価格がガソリンモデルより高く設定されていることも中古相場を押し上げる要因となっている。

そのため価格は、古い1型や2型でも走行距離10万km以下は160万円以上、5万km以下では200万円以上と高額だ。

ガソリンモデルとの価格を比べると、走行距離10万km以下のディーゼルモデルはガソリン車の5万km以下に相当する価格となる。ガソリンモデル並みの価格帯まで下がるのは走行距離が30万kmの過走行ラインを超えるあたりからだ。

また、改良や仕様変更による価格差は比較的小さく、年式に比例して価格が上がる点もディーゼルモデルの特徴となる。ディーゼルモデルの中古車価格は、年式が1年新しくなるごとに10万円前後ずつ価格が上昇していくようにイメージするとよいだろう。

それまでの3.0L エンジン+4速ATから、2.8L エンジン+6速ATに変更された5型は、走行距離10万km以下で220万円から、5万km以下で250万円からだ。さらに新しい7型の底値は走行距離10万km以下で250万円、5万km以下では280万円となる。

ディーゼルモデルも8型以降になると、ガソリンモデルと同様に新古車と未使用車が中心となり、ある程度距離を走行した中古車であっても新車とほぼ変わらない値段で販売されている。

趣味用途ならガソリンは4型後期、ディーゼルは5型初年度モデルがおすすめ

リース落ちのハイエースはメンテナンスパックなどで定期的に管理されてきた個体が多いため、メンテナンス履歴もはっきりとしている。この点は中古車を購入する個人ユーザーにとって大きな安心材料だ。

ガソリンとディーゼルを選び分けるうえで無視できない点が使用感の違いだ。

ディーゼル車は構造上、特有のディーゼルノック音や振動が運転中どうしても気になりやすい。その一方で燃費性能に優れ、長距離移動が多い使い方ほど経済的なメリットを実感しやすい。ただし、尿素水(アドブルー)の補充やDPF(粒子状物質除去フィルター)のメンテナンスといった、ディーゼル車特有の維持管理に気を配る必要がある。

これに対して、ガソリンモデルは音振の面で優れ、短距離の街乗りから長距離移動まで幅広い使い方に対応できる汎用性の高さが魅力だ。エンジンに起因する快適性を重視するか、長距離での経済性を重視するかが、両者を選び分ける目安になる。

ガソリンモデルを選ぶなら、6速ATの採用で巡航時のエンジン回転数が引き下げられた2014年12月以降の4型後期が狙い目になる。予算に余裕があれば“トヨタセーフティセンスP”が標準搭載された5型がおすすめだ。

年式に応じて中古車価格が敏感に上下するディーゼルモデルは、2.8L エンジン+6速ATへと変わり、安全機能が強化された5型の初年度モデルが、価格と装備のバランスに優れたベストバイと言えるだろう。

また、4型から5型はガソリンモデル、ディーゼルモデルともに流通台数が多いため好みの仕様を探しやすいメリットもある。

最後に駆動方式についても触れておきたい。ガソリン車の4WDは流通量自体が少なく、好みの年式や仕様を探すのが難しいうえ、中古車価格は明確に高い。4WDモデルを希望するなら流通台数が多く、2WDモデルの価格に30万〜40万円ほど追加するだけで購入できるディーゼルモデルの4WDを探すとよいだろう。