レヴォーグ レイバック S:HEVには、クロストレックやフォレスターにも採用される2.5L 水平対向4気筒直噴エンジンとストロングハイブリッドシステムを搭載する。駆動用モーターは最高出力88kW(119.6ps)、最大トルク270Nmを発揮し、市街地ではモーター主体、高速巡航時にはエンジンを効率的に活用する制御が採用されている。

最大の特徴は、ステーションワゴン由来の低重心パッケージにある。レヴォーグ譲りの高剛性ボディと低い全高により、一般的なSUVに比べてロールを抑えた自然なハンドリングを実現。さらにS:HEVの採用によって発進時や低速域でのモーターアシストが加わり、従来以上に滑らかな加速フィールと静粛性が期待できる。

また、スバル独自のシンメトリカルAWDも大きな武器だ。前後重量配分に優れたレイアウトは、高速道路やワインディングだけでなく、雨天や雪道でも高い安定性を発揮する。走行性能を重視するユーザーにとって、レイバック S:HEVは魅力的な選択肢となるだろう。
一方、ハイブリッドシステムの完成度という点では、RAV4 ハイブリッドが依然として高い実力を持つ。トヨタのハイブリッドシステムは長年にわたり改良が重ねられ、燃費性能、静粛性、耐久性のバランスに優れる。2.5L エンジンとモーターを組み合わせたパワートレインは、市街地から高速道路まで余裕のある走りを実現し、多くのユーザーから支持を集めている。
SUVとしての基本性能でもRAV4は強みを持つ。最低地上高や荷室容量、後席居住性はレイバックを上回る場面が多く、キャンプやアウトドア、長距離ドライブなどアクティブな用途では優位性がある。
一方、都市部での日常的な使い勝手ではレイバックに分がある。RAV4は存在感のあるボディサイズと高いアイポイントが魅力である反面、狭い道路や立体駐車場ではサイズを意識する場面も少なくない。これに対しレイバックは、SUVらしいスタイルを備えながらもワゴンベースならではの取り回しの良さを実現。低い全高と低重心パッケージによって、ワゴン感覚で運転できる点は大きな魅力である。
つまり、両車は同じ2.5L クラスのハイブリッドSUVでありながら、目指す方向性は大きく異なっている。
レイバック S:HEVは、低重心パッケージとシンメトリカルAWDを組み合わせた「走り」を重視するクロスオーバーであり、上質な乗り味と操縦安定性を最大の武器とするモデルだ。
他方のRAV4 ハイブリッドは、広い室内空間、高い積載性、優れた燃費性能に加え、SUVらしい力強さと実用性を兼ね備えた王道SUVという位置付けになる。
ストロングハイブリッドの採用によって商品力を大きく引き上げたレイバック S:HEVが、ミドルサイズSUV市場で確固たる人気を築くRAV4 ハイブリッドにどこまで迫れるのか。スバルの新たな挑戦が、今後の市場にどのような変化をもたらすのか注目したい。









