街で魅せ、サーキットで応える!

前田流、美しさと速さの最適解

ダイヤモンドカットによって、足元に妖しく輝く表情を与えたディスモンド・リーガマスターエボII。さらに、ミッドナイトパープルで仕上げたカーボンプリプレグ圧着ボンネットと、トップシークレット製フロントバンパーを組み合わせることで、色気あふれるスタイリングを構築したBCNR33。

一見すると、カーショーやナイトミーティングで注目を集めそうなドレスアップ仕様。しかし、その中身は富士スピードウェイでの走行を主眼に開発されたフルオーダーサスペンションを備え、エンジンもHKSのキャパシティアップグレードキットによって2.8L化された本格的なサーキットスペックだ。

オーナーの前田さんは、愛車作りに対するこだわりをこう語る。

「クルマは綺麗で格好良くないと嫌なんです。でも同時に、サーキットへパッと行って、車高も変えずにそのまま走り、そこそこのタイムが出せるクルマじゃないと、それはそれで嫌なんですよ。最近は富士より筑波を走る機会が増えたので、足回りの仕様変更も検討しています」。

フルオーダーのサスペンションを手掛けたのは、東京都武蔵村山市のスピリットパフォーマンス。ユーザーの要望に合わせて車高調を1本ずつ製作し、サブタンクの有無やスプリングレートなども、走行ステージや求める走りに応じて最適化してくれる。

前田さんのBCNR33は、今後フロントにヘルパースプリングを追加し、伸び側のストロークを確保することで、さらなるトラクション性能の向上を狙う予定だ。調整式スタビリンクもスピリットパフォーマンス製で、クスコの調整式アッパーアームを装備。各部のブッシュはすべてニスモ製へ打ち替えられている。

足元には、ディスモンド・リーガマスターエボII(10.5J+15)を装着。GT-Rとの相性に優れる伝統的な5スポークデザインだが、リアルダイヤモンドを使用した表面切削処理を施す「ブライトII」を選択することで、他とは一線を画す個性を演出している。タイヤはナンカンCR-Sの275/35R18を組み合わせる。

ブレーキは、フロントにエンドレスのレーシングMONO6と370φローターをセット。リヤには、ニッサン純正350φローターを装着可能とするジュラテック製ブラケットを用い、ディクセルHSローターを組み合わせる。パッドは前後ともアクレのフォーミュラ700Cを使用する。

そして、エンジンは千葉県のレーシングサービスTEPSで組まれたハイチューンスペック。HKS2.8LキットステップZEROの他に、レイマックスのハイカム(IN:256/EX:264)、ニスモのサージタンク、サードのインジェクターなどを組み込み、LINKのG4+でエアフロレス制御。駆動系にはニスモのカッパーミックスツインクラッチとLSDを備える。

タービンはHKSのTO4Rを装着し、高回転域での圧倒的なパワーを引き出している。サーキット走行も行なう一方で、街乗りで使用する機会も多いため、LINKのセッティングはピーク性能を追い込まず、十分な安全マージンを確保している。

排気系は、HKSレーシングマフラーとスポーツキャタライザーに加え、アイアール製ワンオフエキゾーストマニホールドを組み合わせ、高い排気効率を実現している。

「自己ベストは富士が1分58秒549、筑波2000が1分2秒614です。これからサスペンションをさらに煮詰めて、タイムを詰めていきたいですね」。

そう語る前田さんは、以前ロードバイク関係の仕事に携わっていたこともあり、クルマ以外の分野にも幅広い人脈を持つ。愛車のカーボンボンネットを手掛けた「カーボンドライジャパン」も、そうしたつながりから生まれた。

同社は主にロードバイク用カーボンフレームの補修などを手掛けるプロショップ。今回のBCNR33では、独自技術「カーボンドライプロテック」を用い、純正アルミボンネットの表面にカーボンプリプレグを高圧熱着している。

重量増を最小限に抑えながら、本物のCFRPならではの美しい質感を実現。さらに、母材を保護するプロテクション効果も備える。鉄やアルミなど金属部品との相性にも優れ、アルミホイールの表面やヘッドカバーなどへの施工も可能だ。

インテリアは、MOMOステアリングやニスモ製シフトノブを装着するものの、追加メーターなどは備えないシンプルな仕上げ。ロールケージはクスコ製クロモリタイプで、エアを使って膨らませながら、細部まで丁寧にパッドが巻かれている。

家族を乗せる機会もあるため、運転席はブリッドのフルバケットシート「XERO CS」とリクライニングシートを使い分ける。サーキット走行時には、ヘッドガードを備えたXERO CSとタカタ製レーシングハーネスを組み合わせる。

フェンダーや内装はあえてノーマルを維持しながら、性能に直結するポイントには徹底的に手を入れる。人目を惹く美しさと、サーキットで結果を残せる速さを高次元で両立したBCNR33。

前田さんの優れたドライビングセンスと、クルマ作りに対する確かな審美眼。その両方が、この一台に凝縮されている。

●取材協力:スピリットパフォーマンス TEL:042−516−9550/アクレ TEL:042−516−9600

「1000馬力のBCNR33を踏み切る覚悟」かつて湾岸最速を目指した男の最終回答!

1000psオーバーという数字だけなら、今では珍しくない。しかし、20年以上にわたって第一線の戦闘力を維持しながら、ストリートで本気の走りを楽しみ続けるGT-Rとなれば話は別だ。GT3037Sツイン仕様のRB26を搭載し、今なお進化を続けるAUTO SELECT渾身のBCNR33。その魅力は、スペックでは語り尽くせない。

【関連リンク】
スピリットパフォーマンス
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アクレ
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