夏休みのレジャーにオススメの『富士サファリパーク』は
マイカーでなくても楽しめる!
夏のレジャーで避けて通れないのは、観光地の人混みと強烈な日差しによる強烈な暑さだ。これには体温調整能力が低い子どもや高齢者は急激に体力を消耗し、熱中症のリスクが高まる。適時水分補給と休憩を行いながらの行楽となるのだろうが、そうなると思いのほか観光に使える時間が少なくなる。そこで夏休みの行楽スポットとしてオススメしたのが、エアコンの効いた涼しいクルマの中から自然に近い状態の動物たちを見学できる『富士サファリパーク』だ。
静岡県裾野市須山にある『富士サファリパーク』は、クルマで東京から約1時間30分、名古屋から約2時間40分という立地にあり、標高850mの高原にあることから真夏でも比較的過ごしやすい。さらに施設の目玉となる1周約4.5kmのサファリゾーンには、ライオンやアムールトラ、アメリカグマ、アジアゾウ、キリンなどの動物が放し飼いにされており、クルマから降りることなく見学ができるのだ。

しかし、マイカーを所有していない人でも『富士サファリパーク』は充分楽しめる。その場合、来場手段は公共交通機関になるのだろう。電車で来場する場合はJR御殿場駅で降りて、駅前の富士山口4番のりばから富士急モビリティの路線バスが出ているのでこれを利用したい。
料金は大人ひとり片道880円で、約34分で「富士サファリパーク停留所」に到着する。なお、御殿場駅のバス窓口では、往復バス乗車券と入園券がセットになったお得な切符も販売されている。
入場後は、サファリゾーンを周回する『ジャングルバス』や『スーパージャングルバス』が随時運行されているほか、園内専用レンタカーの「ナビゲーションカー」を活用することになる。

ゼブラカラーにペイントされた「ナビゲーションカー」は
専用のオフロードコースを走れる園内専用のレンタカー

さて、ジャングルバスやスーパージャングルバスについては次回改めて紹介することにして、今回はナビゲーションカーについて紹介しよう。ゼブラカラーにペイントされたこのクルマには、じつはマイカー利用にはないメリットがたくさんあるのだ。

まず、一般のマイカーでは走れない専用のオフロードコースを走れることが挙げられる。サファリゾーンでは何箇所か「SAFARI NAVIGATION CAR」と書かれた標識がある。この標識が入り口となっているので、ここからオフロードコースに入ることができる。

わが国の舗装率は82.9%、一般国道に限ると99.5%にも達することから、ドライバーのなかには未舗装路を走った経験がない人もいるかもしれないが、専用ルートは走りやすいフラットダートなので、誰でも難なく運転ができるはずだ。

専用ルートの路面には多少の凹凸はあるものの、ナビゲーションカーは本格的クロカン4WDの4代目トヨタ・ランドクルーザープラド(最大7人乗り)と、SUVながら高い走破性能を持つ3代目日産エクストレイル(最大5人乗り)なので、走行中にスタックするようなことはまずありえない。また、全車AT車となるのでAT限定免許の人でも難なく運転できる。

家族連れやグループでの利用が便利!
音声ガイド付きで快適にサファリゾーンが楽しめる
次のメリットは、ナビゲーションカーにはタッチパネル式の専用タブレット端末が備え付けられており、各ゾーン内にいる動物の詳しい解説が聞けることだ。

『富士サファリパーク』には約60種類の動物が展示されているが、このうちの約半分がサファリゾーンに暮らしているが、相当な動物好きでもない限り、彼らの名称や生態などを正確に把握している人は少ないだろう。したがってマイカーでサファリゾーン巡るだけではこうした情報を得られないので、彼らのことをより深く知り、学ぶことは難しいだろう。

そうしたことからパークを訪れたら、少なくとも1周はジャングルバスやスーパージャングルバス(こちらはバスのドライバーがガイドを兼務する)、ナビゲーションカーを利用することが望ましいのだが、園内の周回バスはツアー中、安全上の理由から3歳未満の子どもは保護者が膝の上で抱っこしていることがルールとなっており(スーパージャングルバスは小学生以上のみ対象)、保護者にとっては体力的になかなかしんどいものがある。また、途中で子どもがグズったときは周囲の目も気になることだろう。また周回バスは車体の両サイドや天井が金網張りとなることから構造上、空調を効かせることができない。

そうしたことから小さな子どものいる家族連れは、エアコンを完備し、プライベートな空間が確保されたナビゲーションカーを積極的に利用することをオススメしたい。
キリンやラマ、ムフロンへのエサあげ体験ができる!
間近で見る草食動物に大人も子どもも大興奮!!
最後のメリットは、動物の餌あげ体験ができることだ。パークのスタッフが同行しないため、ライオンやクマなどの危険な肉食獣ではなく、キリンやムフロンなどの大人しい性格の草食獣に限られるが、近づいてきたその姿は想像よりもずっと大きく迫力がある。同時に間近でエサを食べる彼らはかわいく、なんとも言えない親しみを感じた。

彼らは人間が考えるよりもずっと賢く、学習によってエサあげができない一般車にはほとんど興味を示さないものの、好物のオヤツをくれるクルマをきちんと認識して、規定のエリアにクルマを止めるとワラワラとやってきてエサをねだるのだ。

中東の高地に住むムフロンはねだり方が少々乱暴で、ひづめでドアをガリガリと引っ掻くためナビゲーションカーのボディサイドは傷だらけ。塗装が剥げたり、凹みもある。

動物が相手なだけにこちらの望み通りにエサあげができないこともあるが、その場合はレンジャー(専任スタッフ)が気付いて、動物のいる場所まで先導してくれる。

実際、筆者がサファリゾーンを回ったときは、タイミングが合わずにラマへのエサあげがうまくできなかったのだが、その様子を見ていたレンジャーがすぐにクルマで駆けつけ、連れて行ってくれるくれた。万が一、レンジャーに気づかれなかった場合は、安全な場所にナビゲーションカーを止めて、ハザードを点灯すればすぐに駆けつけて対応してくれるはずだ。

利用料金の中には、通常のレンタカーと同様にあらかじめ自動車保険が含まれているだけでなく、通常利用の範囲内で動物によって付いた擦り傷などは利用者に補償が求められるようなことはないので心配はいらない。
「ナビゲーションカー」はWeb予約サービスでの前売り券購入が確実
前売り券購入から来園当日の利用の仕方までをあらためて解説

現在、ナビゲーションカーはプラドが9台、エクストレイルが2台の計11台が用意されている(車種は選べない)。台数に限りがあるため、当日券の販売もあるものの、夏休み中は予約が集中するため確実に乗車したいなら事前に前売り券を購入する必要があり、Web予約サービスの『My SAFARI』から日時を指定してクレジットカードで決済して行なう。なお、購入後のキャンセルや日時の変更はできない。
来園当日は出発時間の30分前までに必ず『ナビゲーションカーステーション』(開いてない場合は案内所)に行って受付を済ます必要がある。有効な運転免許証とスマホのチケット確認をスタッフに確認してもらったら、チケット画面にスタンプを押してもらいレシートを受け取る。
あとは出発時間通りにステーションを訪れるだけだ。予約をしていても事前受付をしなければ乗車はできず、出発時間を過ぎてしまうとチケットは無効になり、払い戻しも受けられないので注意が必要だ。

ナビゲーションカーの利用は1回60分以内とされているが、ゆっくりサファリゾーンをまわっても時間内に戻ってこられるだろう。使用車種はクロカン4WDやSUVのため、これらの車種に不慣れな人は不安を感じるかもしれないが、サファリゾーン内はバックやUターンが禁止されており、基本的には低速で前進するだけなのであまり心配はいらないだろう。
また、サファリゾーン内の動物は自動車に慣れており、ほとんど関心を示さず、エサあげ以外ではほとんど近寄ってこない。ナビゲーションカーに動物が近寄ってくるのは、草食獣へのエサあげのときだけだ。先ほども述べたがキリンやラマに比べて、ムフロンはおねだりが少々激しい。
しかし、エサあげのために下げたサイドウインドウを閉め、ゆっくりとクルマを発進させれば賢い彼らは離れて行く。走行中に動物と接触するような事故はまず起こらないが、生まれたばかりの子どもは突然飛び出したり、車体の死角に入り込む恐れがあるので少々注意が必要だ。急のつく操作を避けて、ゆっくりと運転していれば問題はないはずだ。

運転免許を持っていない人や運転に自信のない人でもナビゲーションカーを利用できるように、『富士サファリパーク』のスタッフが運転しながらガイドする「サファリガイドツアー」(入園料とは別に1万3000円/1台の料金が必要)も実施されている。こちらはMy SAFARIでの前売り券のみで当日券の販売はない。だが、残念ながら「サファリガイドツアー」は夏休み期間中はお休みとなる。利用を考えている人は夏休み終了後に前売り券を購入して訪れると良いだろう。


