ラダーフレームを採用し、内燃エンジンに加えてハイブリッドも設定か。

三菱自動車が、米国で約17年ぶりにピックアップトラックを復活させる。

日本では2024年に「トライトン」が復活した三菱だが、実は米国では2009年以来、ピックアップを販売していない。その空白を埋める新型車の投入が正式に決まった。

三菱 新型ピックアップトラック ティザーイメージ

しかも、米国へトライトンを持ち込むわけではない。新型車は日産と共同開発し、日産が生産を担当する三菱ブランドのピックアップとなる。

三菱の米国法人は、テネシー州で開催したディーラー会議で事業戦略「Momentum 2030」の最新計画を発表。2027年初頭までに米国で販売するラインアップを現在の4車種から6車種へ拡大するとともに、「アドベンチャー」志向の商品を強化する。その柱のひとつが、北米ピックアップ市場への再参入だ。

三菱 新型ピックアップトラック ティザーイメージ

三菱はかつて米国で「マイティマックス」を販売し、2000年代にはダッジ「ダコタ」と基本設計を共有した「レイダー」を投入していた。しかしレイダーは2009年モデルを最後に姿を消し、以降は北米のピックアップ市場から離れていた。

今回発表された新型車の名称や詳細なスペックはまだ明らかになっていない。ただ、公開されたティザーにはダブルキャブのボディと、左右それぞれに太いLEDバーを上下2段に配置した特徴的なフロントマスクが確認できる。

新型車を理解するうえで重要なのが、日産との関係である。

現在、三菱は日本やASEANなどでトライトンを展開している。一方、オセアニア向けの日産「ナバラ」は三菱が生産を担当。北米では日産がミッドサイズピックアップ「フロンティア」を販売している。

つまり両社は、世界共通の1台を単純にブランド違いで販売するのではなく、それぞれの地域や生産拠点を生かしながら、ピックアップ事業で協業しているのである。

北米向けの新型三菱ピックアップについては、日産との共同開発車になることが明らかになっている。入手した情報によると、ラダーフレームを採用し、内燃エンジンに加えてハイブリッドパワートレインも設定するという情報が入っている。

そこで今回、公開されたティザーと日産フロンティアを参考に、新型三菱ピックアップの姿を予想CGとして制作した。

基本的なプロポーションはフロンティアを意識したダブルキャブとしながら、フロントは大幅に変更。大型のスクエアグリル中央に三菱のスリーダイヤを配置し、ライトにはティザーで確認できる太く短いLEDバーを上下2段にレイアウトした。

ブラックの大型バンパーやアンダーガード、張り出したフェンダー、オールテレーンタイヤも採用。日産との共同開発車でありながら、一目で三菱と分かるタフなスタイルをイメージしている。

では、なぜ北米でもトライトンを販売しないのか。

理由のひとつとして考えられるのが、北米市場特有の商品要求だ。米国ではボディサイズや牽引能力、積載性能、パワートレインなど、ピックアップに独自のニーズがある。

すでに北米でフロンティアを展開する日産の車両開発や生産基盤を活用すれば、トライトンを北米向けに大幅改修するより、開発コストや時間を抑えられるメリットがある。ただし、新型車がフロンティアとどこまで基本設計や部品を共有するのかは、現時点では明らかになっていない。

三菱は北米でピックアップだけでなく、2027年第1四半期には「アウトランダー」をベースとしたタフな新仕様も追加する計画だ。SUVとピックアップを軸に、「タフで多用途な三菱」というブランドイメージを改めて強めようとしている。

日本ではトライトン、オセアニアの日産には三菱生産のナバラ、そして北米の三菱には日産と共同開発する新型ピックアップ。地域ごとに両社の強みを使い分ける新たな戦略が動き始めている。

北米で17年ぶりに復活する三菱のピックアップは、トライトンやフロンティアとどこまで異なるモデルになるのか。今後明らかになる車両の詳細から、日産・三菱の新たなピックアップ戦略が見えてくるはずだ。