サーキットを重視した特別なNinja

カワサキモータースジャパンは、スーパースポーツモデル「Ninja ZX-10RR」を2026年9月12日に発売する。世界限定500台の生産となるシングルシートモデルで、メーカー希望小売価格は347万6000円(税込)。カラーはライムグリーンを設定し、国内ではカワサキプラザで販売する。
ZX-10RRは、Ninja ZX-10Rをベースに、サーキット走行を重視した専用装備を採用するモデルだ。Pankl製のチタニウムコネクティングロッドや軽量ピストン、専用サスペンションなどによって、ベースモデルの運動性能をさらに追求している。
新型では、大型ウイングレットを中心とした空力性能の向上に加え、車体姿勢やサスペンションの設定を見直した。外装も刷新し、フロントからテールまでシャープな造形を採用。走行性能に関わる変更を、新たなスタイリングにも反映している。
一方、5インチのTFTカラー液晶メーターやスマートフォン連携機能も取り入れた。サーキットでの走りを重視しながら、公道で使う際の利便性にも手を加えた点が、今回の進化の特徴となる。
ダウンフォース約25%向上、大型ウイングレットを採用

外観上の大きな変化は、フロント左右に張り出した大型ウイングレットだ。カワサキによると、従来モデルに対する空気抵抗の増加を約0.3%に抑えながら、ダウンフォースを約25%向上させた。高速域で前輪の接地性を高め、車体の安定性向上につなげている。
重視したのは、ダウンフォースの大きさだけではない。加速、減速、バンクといった走行中の姿勢変化に過剰に反応しないよう設計し、フロントタイヤへの急激な荷重変化を抑えている。これにより、自然なハンドリングと高い旋回性能の両立を図った。
特にサーキットなどの高速走行では、コーナー進入時に前輪の接地感を高め、ライダーがフロントタイヤの状態を把握しやすくするという。空力部品を車体の操作感まで含めて設計している点に注目したい。
ウイングレットにはABS樹脂を使用し、ヘッドライト下のチンスポイラーにつながる造形を採用。フロントカウルに合わせてサイドとテールのカウルも新設計とした。新型ヘッドライトはプロジェクターとリフレクターを組み合わせたコンパクトな構成で、鋭い表情を生み出している。
Pankl製エンジン部品と専用足まわりで走りを追求

ZX-10RRならではの装備が、Pankl製の軽量ピストンとチタニウムコネクティングロッドだ。2026年モデルでは、カムシャフトを含むバルブ駆動方式をスタンダードモデルと共通化。一方で、専用の軽量部品を採用することで、サーキットで楽しめる軽快な吹け上がりを追求している。
エンジンは従来の性能を維持しながら、排出ガス性能と冷却性能を改善した。触媒の下流にO₂センサーを追加し、上流側のセンサーと組み合わせて排出ガスを管理。触媒も改良、小型化し、重量増加を最小限に抑えている。
車体側では、増加したフロントのダウンフォースに対応して各部を調整。スイングアームのピボット位置を従来より2ミリ高くし、後輪のトラクション性能を高めた。フロントフォークの突出量も3ミリから1ミリへ変更し、減衰設定を最適化している。
さらにZX-10RRは、フロントフォークのインナーチューブ外面に超硬チタンコーティングを施した。摺動抵抗を減らし、滑らかな作動を狙った専用仕様だ。リヤサスペンションも、スタンダードモデルとは異なるスプリングプリロードと減衰設定を採用する。
タイヤにはピレリ製「Supercorsa SP(V3)」を装着。機械式のオーリンズ製ステアリングダンパーも標準装備し、エンジン、空力、足まわりを組み合わせて走行性能を磨いている。
新型メーターで走行情報を見やすく、購入後のケアにも対応

コックピットには、大型化した5インチTFTカラー液晶メーターを採用した。表示は2種類から選べ、アナログ風タコメーターを使う画面では、中央にターンバイターンナビゲーションや簡易的な車両情報を表示する。
もう一方の画面はバー形式のタコメーターを採用し、車両情報とともにラップタイマーを表示できる。走行する場所や目的に応じて表示を選べるため、公道での移動にもサーキットでの走行にも対応する。
スマートフォンアプリ「RIDEOLOGY THE APP MOTORCYCLE」との連携では、音声コマンドとナビ機能を利用可能。利用に必要なライセンスは無料で取得できる。従来モデルから引き継いだ電子制御と合わせて、操作や情報確認を支える装備を充実させた。
また、購入後のサポートとして「カワサキケア」を適用。1カ月目の点検に加え、3年間の定期点検とオイルフィルターを含むオイル交換を無償で受けられる。なお、車両価格には保険料や登録諸費用などは含まれず、ETC2.0はアクセサリー設定となる。
世界500台という限定性に加え、専用エンジン部品と足まわり、新たな空力設計を備えたZX-10RR。サーキット走行に重きを置くライダーに向け、Ninjaの走りをさらに追求した一台だ。
画像ギャラリー








